結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年12月26日(月曜日)

川野幸夫の1年の総括「まあまあ」と「レジレス化&統一店休制度」

Everybody! Good Monday!
[2016vol52]

2016年も最終週。
1月元旦を第1週と数え始めて、
今週は第53週。

毎日更新宣言ブログ、
毎週、毎週のご愛読、
感謝します。

振り返ってみると、
今年1年、一度も病気せず、
風邪もひかず、怪我もせず、
元気にやり遂げることができました。

それは何よりも、
真摯に、緊張して、
このブログに取り組んだ、
成果の一つだと思います。

「私、手は抜かないので」
ドクターXの外科医・大門未知子風に。

ご愛読、感謝します。

それにしても、
横浜は暖かい年の瀬です。
小春日和がつづく。

漁の舟小春日和に眠りをる
〈朝日俳壇より 岡崎市・米津勇美〉

そんな日です。

しかし日本列島は長い。

列島の脊梁冬に入りて住む
〈同 養父市・足立威宏〉
(金子兜太選評)
作者住む日本列島養父市の、
冬の寂寥(せきりょう)感の深さ強さ。
養父は「やぶ」と読むが、
兵庫県北部但馬地域の山間都市。

さらに一句。

(こがらし)や帽子押へてすれ違ふ
〈同 川西市・日塔脩〉

東京・横浜は暖冬だけれど、
木枯らしが吹く地方もある。さて、今日は、東京・日本橋。
日本スーパーマーケット協会。
一般社団法人。

今年最後の記者会見。DSCN1796.JPG-6

スーパーマーケット、および生協の、
11月の営業報告があっった。

特徴は、企業規模による営業成績の落差。

パネル数は270社だが、
1~3店舗の企業47社の前年同月比は、
全店で97.9%、既存店で97.9%。

51店以上の43社の前年同月比は、
全店で104.7%、既存店で102.1%。

その中間に位置する企業群も、
店数が多くて、売上規模が大きい会社が、
比較的好調で、小さい会社が不調。

あくまでも客観的な統計で、
個別の企業の話ではない。

しかしこの全体のトレンドは、
企業の統合が進むだろうことを、
示唆している。

その後、会長の川野幸夫さんが、
一年の総括。
㈱ヤオコー会長。
DSCN1798.JPG-6

今年のスーパーマーケット業界の状況を、
川野さんは表現した。

「まあまあの状況」

百貨店、総合スーパーは低迷したが、
「スーパーマーケットはまあまあ」

この「まあまあ」が逆に、
スーパーマーケット業態の特性でもある。

他の業態が絶好調の時も、
スーパーマーケットは「まあまあ」

他業態が不調の時も、
スーパーマーケットは「まあまあ」

クリスマス商戦も、各社、
「まあまあ」だった。

それが社会のインフラ産業の特徴だ。

川野さんが強調したのが、
人手不足の問題と、
働き方改革、生産性向上。

月刊商人舎11月号の特集と、
問題意識は完全に一致した。
働き方改革×人材マネジメント

そこで協会は二つの取り組みをする。
第1は「レジレス化」

研究会を立ち上げて、
完全無人レジの研究を始める。

アマゾンGOの無人店舗実験も登場して、
想像以上に速いスピードで、
レジレス化が進む。

マンアワーで見ると現在、
全体の20%がレジに投入されている。

フレンドリーな接客を受けたい。
そんなニーズもある。
しかしそれは、
別のサービス機能でできる。

生産性アップのために、
レジレス化は進められねばならない。

小売業に限らずサービス業全体で、
同じ課題として取り組む必要がある。

政府や行政に加わってもらう場面も、
出てくるに違いない。

第2は、
営業時間の短縮や、

店舗休日の設定の問題。

協会としては、
統一店休制度の創設を提案する。

そのために検討委員会が設けられて、
具体的な議論が展開される。

最後に川野さんが語ったのが、
スーパーマーケット産業の位置づけ。

食品スーパーマーケットでは、
他の業態に比べて、
寡占化が進んでいない。

マラソンに例えると、
せいぜい20キロ地点。

先頭集団が走っているが、
それにどんどん後続集団が続いている。

つまり食品スーパーマーケットは、
「まだ若い業態だ。
スーパーマーケットの発展は、
まだまだこれからだ」

大手企業と中小企業の格差は、
開くかもしれないが、
世代交代が進んで、
若い経営者から、
問題提起がなされている。

最後に江戸時代の身分制度の話。
士農工商の序列。

江戸時代には、
一番下の商が幕府や藩を動かした。

新田を開墾するときなど、
必ず商人資本や商人の知恵が生かされた。

明治になって、
商業は農業と一緒に、
失業のバッファー程度としてしか、
見られなくなった。

富国強兵・殖産興業のスローガンのもと、
政府は作る機能を最優先した。

さらに戦後も国民の中に、
士農工商は残った。

それが長い間に、
国民の頭の中に刷り込まれた。

どうしたらいいか。

この意識を変えるには、
高い志を持って、
みんなが努力する以外にない。

川野さんの弁舌は、
どんどん熱を帯びていった。

記者会見が終わって、
全員が解散してから、
川野さんと単独会談。
DSCN1808.JPG-6

スーパーマーケットの協会が、
やはり大同団結して、
同一労働同一賃金問題、
レジレス化や統一店休問題、
さらに軽減税率や本体価格表示問題に、
真剣に取り組まねばならない。

私が主張しているのが、
「ポリティカル・マーチャント」

政商ではない。
政治的主張を持った商人。

清水信次さんがそのお手本。
川野幸夫さんがその後継者。

清水さんは日本小売業協会会長、
日本チェーンストア協会会長、
日本スーパーマーケット協会名誉会長、
新日本スーパーマーケット協会名誉会長、
そしてライフコーポレーション会長。

清水さんにも川野さんにも、
まだまだ頑張ってもらわねばならない。
DSCN1810.JPG-6

川野幸夫さん、74歳。
結城義晴、64歳。

大所高所から、
じっくり考察し素早く行動する。

共に頑張りましょう。
DSCN1812.JPG-6

夜の銀座のイルミネーション、
例年より控え目な印象で、
これも「まあまあ」だった。IMG_0250.JPG-6

安倍晋三首相は今夜、
ハワイに向けて出発する。
真珠湾攻撃の犠牲者慰霊。
そして、パールハーバーで、
バラク・オバマ大統領とともに、
不戦表明をする。

ここでも大所高所からの、
見識が問われる。

みなさんも、今週の、
歳末際の商戦に向けて、
大所高所から、
「まあまあ」のちょっと上を行こう。

では、
Good Monday!

〈結城義晴〉

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