Everybody! Good Monday!
[2017vol4]
2017年も第4週。
時間は容赦なく過ぎていく。
冬うらら戸惑いながらバラ開く
〈朝日俳壇より アメリカ・香世ギルモア〉
アメリカ在住の俳人。
つつましさが、トランプ的でない。
俳句はいいなあ。
断捨離を済ましてしづか冬木立
〈同 横浜市・志摩光風〉
(大串章選評)
冬木の断捨離が見事。
しかし人間は優柔不断。
そして新年の句。
新年やトランプよりも歌かるた
〈同 熊本市・金場貞子〉
(大串章選評)
アメリカ大統領を意識した、
駄洒落の句。
ことはもっと深刻になったけれど。
さて、アメリカ・ニューヨークで、
もう6日目になる。
プロ・フットボールNFLは大詰め。
両カンファレンス決勝が行われた。
アメリカン・カンファレンスは、
ニューイングランド・ペイトリオッツ。
ピッツバーグ・スティーラーズを、
36対17で破って、スーパーボウル進出。
一方のナショナル・カンファレンスは、
アトランタ・ファルコンズが、
グリーンベイ・パッカーズを、
44対21で撃破。
ペイトリオッツとファルコンズが、
第51回スーパーボウルで、
雌雄を決する。
時は2月5日(日)、
場所はテキサス州ヒューストン。
ともに東海岸のチームで、
南北戦争ならぬ南北対決。
ペイトリオッツは2季ぶり9度目、
ファルコンズは18季ぶり2度目の、
スーパーボウル進出。
これから2週間、
アメリカはトランプ旋風から、
スーパーボウルに関心が移る。
小売業の売り場も、
スーパーボウル向けとなる。
しかしテレビや新聞などでは、
いまだトランプ大統領ネタばかり。
朝日新聞デジタルに、
ワシントン特派員の金成隆一さんの
アンチ・トランプデモの報告。
「女性の権利は・社会保障は…」
「米国の首都ワシントン中心部が21日、
ピンク色のニット帽などを身につけた
人々で埋め尽くされた。
トランプ大統領の就任に
抗議を示すデモは、
首都から全米、世界へと広がった」
今回の抗議のデモ行進は、
女性の権利を訴える団体が呼びかけた。
そこに性的少数者、障害者の権利向上、
さらに人種差別撤廃や環境保護など、
21世紀的問題に取り組む人々が加わった。
ワシントンの規模は想定を上回る50万人。
ワシントン特派員の記事では、
マヤ・アンジェロウの詩が紹介される。
公民権運動に貢献した黒人女性詩人。
あなたの言葉で私を撃ちなさい
You may shoot me with your words,
あなたの視線で私を切りつけなさい
You may cut me with your eyes,
あなたの憎しみで私を殺しなさい
You may kill me with your hatefulness,
それでも空気のように私は立ち上がる
But still,like air,I‘ll rise.
この主旨に関連した抗議デモは、
世界約80カ国の約670カ所で、
約480万人が参加した。
これは主催団体の集計だ。
対するトランプ新政権側は1月20日、
ホワイトハウスのWebサイトに、
新しいページを掲載した。
An America First Energy Policy Plan。
「米国第一エネルギー政策計画」
まず気候規制を廃止する。
さらに石炭・石油・ガス生産の、
増加を目指す。
逆にオバマ大統領時代の、
気候変動に関するページは、
完全に削除された。
政権が変わる場合、
前政権のページはアーカイブされる。
これが一つのルールだった。
しかし、新政権は、
ホワイトハウスのWebサイトから、
「気候変動」(climate change)と
「地球温暖化」(global warming)の単語を、
すべて消してしまった。
ああ。
ポール・クルーグマン教授が、
心配していたことが起こりつつある。
さてこちらの時間で日曜の朝10時過ぎに、
ロピア・ニューヨーク視察団、
第2班がJFK空港に到着。
それを出迎えて、
さっそく、専用バスで、
ウォルマートへ。
ウォルマートは、
エブリデーロープライスを標榜しているが、
実はプロモーションを徹底的に展開する。
現在はバレンタインデー。
店舗左翼のプロモーションスペースで、
2月14日に向けたギフト商品。
エンドは5ドルと1ドルの商品を、
交互に展開する。
店舗右翼の菓子定番売場でも、
もちろんバレンタイン販促。
1ドル商品ばかりを集めたエンド。
このボリューム。
そしてアイルでの展開。
菓子メーカーの商品が揃う。
レジ前エンドでも
最後の訴求。
ここでは高額品、9ドル98。
売場の各所でお客にアピールする。
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
この徹底力がウォルマートの強みだ。
次にスチュー・レオナード。
日曜とあって家族連れで大賑わい。
店頭の牛。
スチューは酪農業からスタート。
入口のソフトクリーム売り場。
濃厚でおいしい、自慢の品。
女性たちのうれしそうな顔。
その横のコーヒー売り場。
自分で好きな量を取って、挽く。
インストアベーカリー。
ワンウェイ方式の店舗だから、
各部門はショップ形式で構成する。
日曜は試食コーナーを随所に設けて、
お客を楽しませる。
対面のスチュー・デリ。
サービスデリの充実が、
店舗の競争力になる。
顧客第一主義を貫く。
バスの移動中、福島道夫さんが、
スチューのローストチキンを、
カッティングして、皆にふるまう。
ロピア営業本部長。
車中でもどんどん食べる。
これがロピア流。
マンハッタン近郊クィーンズ地区、
パワーセンター。
アルディとコストコ、
さらにセンチュリー21など、
ディスカウント業態が揃う。
そのアルディ。
日曜の午後とあって、大忙し。
実によく売れている。
行列ができても、
レジはスピーディ。
そして地下1階のコストコ。
ウォルマートは都市部へ進出できない。
その漁夫の利ともいうべきか、
ニューヨーク・ニューアーク地区では、
コストコがシェア第2位。
日曜は大混雑。
試食もいたるところで展開され、
お客が群がる。
バレンタインチョコレートは大容量。
お客はカートいっぱいに購入する。
クイーンズ地区は人種のるつぼ。
南米、アジア、イスラム系のお客が
コストコで買い物を楽しむ。
餃子の試食販売。
レジもご覧の大行列。
大都市圏では、コストコが、
シェア第2位のマーケットチャレンジャーになる。
すでに起こった未来ともいえる現象。
大繁盛店のコストコをあとに、
いよいよマンハッタンへ。
アップタウンにあるゼイバース。
グルメな食材を扱う超専門店。
チーズと燻製魚、コーヒーが、
この店の人気商品。
レジの前では、
バレンタインチョコの企画。
ギフトボックスのオーダー注文。
狭い店なりの企画力。
ブロードウェイを南下し、
シタレラへ。
ニューヨークデリの老舗。
2層の狭い店ながら、
スーパーマーケットと同じ部門構成。
まずデリを充実させ、
それに便利な品揃えを加えると、
限りなくスーパーマーケットになる。
隣にあるフェアウェイマーケット本店。
青果のボリューム陳列が特徴。
対面の鮮魚も品種が豊富にそろう。
精肉売り場の対面コーナー。
ひき肉がよく売れている。
2階はオーガニック売り場。
加工食品もすごい品揃え。
日本食のコーナーには、
海苔や乾燥シイタケ、
乾燥わかめなどが並ぶ。
初日の視察の最後は、
トレーダー・ジョー。
ブロードウェイの2層店舗。
地下1階と地下2階を、
コンコースに見立てて、
エスカレーターで結ぶ。
相変わらずの超繁盛店。
すでにレジ待ち行列が、
地下1階の売場を1周する。
午後5時過ぎでも、
冷凍食品の売れ筋は、
欠品だらけ。
クルーは脚立に乗って、
補充作業に大忙し。
什器は引き出し式。
地価の高いマンハッタンだから、
多段什器の最下段は低い。
それでもかがみこんで作業する。
トレーダー・ジョー最大の課題だ。
日曜のニューヨーク。
繁盛店ばかりを巡った初日の視察も、
無事に、終了。
夕食は恒例の、
ウルフギャング。
高木社長のあいさつで、
会食はスタート。
そして乾杯。
私たちのテーブルでも乾杯。
私の隣は助川秀一郎さん。
惣菜製造会社・利恵産業代表。
昨年末、利恵産業は、
ロピアのグループに入った。
シーフードの盛り合わせ。
ファー・ニエンテ2012年。
ナパバレーのカベルネソーヴィニヨン。
もちろんメインは、
ポーターハウスステーキ。
フィレとサーロインを同時に味わえる。
食事も終盤になるころ、サプライズ。
1月生まれのメンバーに、
バースデーソングのプレゼント。
ホールスタッフの男性たちが
地声で、大声を張り上げて歌ってくれた。
おめでとう。
大統領が変わろうと、
気候変動政策が悪化しようと、
小売業はすぐには揺るがない。
スーパーボウルや、
バレンタインは、
大いに影響を受けるけれど。
では、みなさん、今週も、
Good Monday!
〈結城義晴〉