アメリカではテレビのCNNが、
24時間、ニュースを流し続ける。
だから今は、24時間、
トランプ大統領の新しい行動と、
それへの評価が流れる。
日経オンラインの経営者ブログ。
鈴木幸一IIJ会長。
いつも自分自身で文章を書く。
そしてそれが実に的確だ。
ドナルド・トランプ就任の、
その就任演説に対して見解を述べる。
鈴木さんは、あらためて、
「アメリカ・ファースト」を説明する。
「そもそも戦後70年を振り返ると、
『米国優先』というのは、
ずっと続いていた国策だった」
「トランプ氏の強調する『米国優先』は、
極めて狭いとらえ方であり、
単純なポピュリズムに
置き換えただけの話で、
本当の意味での
『米国優先』とはならない、
浅慮の施策に思える」
同感。
「戦後、マーシャルプランによって、
廃墟となった欧州を復興させ、
同じように援助によって
日本経済を復興させた政策こそが、
深慮をめぐらした上での
『米国優先』政策であった」
「世界経済を復活させ、
世界規模での経済成長を
拡大発展させたことで、
閉じた米国であったら
想定もできないほどの豊かさを
米国にもたらした」
開かれたアメリカが、
閉じたアメリカに変わる。
「その経済成長が曲がり角を迎え、
財政拡大と金融依存に陥りつつある」
だから今は、
「どんな将来像を描き、
政策として実現すべきなのかを、
深刻に問わなければいけない時代」
「委縮したような『米国優先』を掲げる
トランプ氏が大統領の地位を得たことは、
米国ばかりでなく、世界経済にとって
不幸なことである」
かつての閉じたアメリカこそ、
建国以来のテーゼだった。
大恐慌後の開かれたアメリカは、
アンチテーゼとなった。
そのアンチテーゼが混迷して、
その次のジンテーゼが求められる。
そしてジンテーゼは、
閉じたアメリカに、
戻ることではない。
これは私が常用する、
ヘーゲルの弁証法。
鈴木さんは訴える。
「知性の根本は、
物事を疑う能力のことである」
「トランプ氏を支える閣僚や米国議会が、
『知性』をもって、
『米国優先』の政策を
掲げてほしいと思うのだが」
すぐ役立つことは、
すぐに役立たなくなる。
すぐに効果が上がることは、
すぐに効果が上がらなくなる。
さて、ニューヨーク7日目。
ロピア第2班が到着して2日目。
朝は結城義晴の講義。
はじめにいつもどおり、
ミッションとモットーと、
さらに7大用語の唱和。
初日の疲れもなく、
元気よく大きな声で唱和。
同じ商品ならより安く
同じ価格ならより良いものを
楽しく感動できる
愛に満ち愛されるお店です。
講義は2時間。
その後は、
働きたい企業ランキングと、
顧客満足・従業員満足。
それから商品問題。
コモディティとノンコモディティ。
そして業態とフォーマット、
ポジショニング戦略。
ロピアの政策を合わせて、
ていねいに説明する。
ロピアはこの結城理論を、
実践してくれている。
今回、人事部の要請で、
2回の理解度テストを実施する。
それもあって皆、真剣に聴講。
ニューヨーク視察では
「とんがり★こだわり」を学ぶ。
すなわちポジショニング、
それもアウトスタンディングな。
高木勇輔社長は、
今日、皆に先だって帰国する。
その高木さんのメッセージ。
ロピアが目指すべき方向性を、
ニューヨークの地で語ることが、
皆の理解を深める。
それが海外視察のいいところだ。
ホテル前で高木さんとお別れ。
私たちの旅はもう少し続く。
2日目の視察は、
雨の中でスタート。
ハドソン川をトンネルでくぐって、
ニュージャージーへ。
アホールド・デレーズの傘下企業。
このエリアで166店を展開し、
シェア17.1%のナンバー1企業。
ただし年々、そのシェアを落としている。
伝統的な店づくり。
いわゆる典型的なコンベンショナル型。
店づくりに独自性はない。
占拠率1位なのに、
マーケットフォロワー。
そして大型スーパーマーケットなのに、
ドラッグ部門を併設していない。
これではお客が集まらない。
雨の月曜の午前中だから、
余計にお客はまばら。
反面教師として、
実に多くのことを教えてくれる。
切り立てハムを提供する、
人気の対面コーナー。
同じ雨の月曜の午前中でも、
これだけの人が並んでいる。
第1班のインタビューでは、
週末の慌ただしさの中での対応だった。
今回は、じっくり語ってくれて、
質問にも丁寧に答えてくれた。
そしてガス店長を囲んで、
全員で「ラブラブ! ロピア」の、
ハートマーク。
ニュージャージーから、
スタテンアイランドを突っ切り、
向かったのはブルックリン。
ホールフーズ環境対策店。
ダウンサイズされた青果売り場だが、
カラーコントロールはすばらしい。
奥主通路壁面は、
ミート、シーフードの対面売場、
さらにデアリー売場。
「FINE CUTS」と書かれた、
カッティングルーム。
大きな枝肉がぶら下がる。
主通路右奥には、
チーズ、デリ、インストアベーカリー。
いずれも対面売り場。
そして2階の「ザ・ルーフ」
食事や飲料を買ってきて、
この場で食べる。
パソコンを開いて、
読書をしながら、
あるいは会話を楽しみつつ、
それぞれがくつろいで過ごす。
ホールフーズは、
「第3の場」を提供しようとしている。
さらにクイーンズへ。
トレーダー・ジョー。
雨脚が次第に強くなってきた。
エンドではテーブルフラワーを展開。
ランの鉢植えも低価で提供。
めずらしい。
果物の平台は、
一番最初に配置される。
そのメインは1本19セントのバナナ。
雨が強く降り出したので、
バスの中でインタビュー。
副店長格のジェイソンさん。
「ファーストメイト」と呼ぶ。
彼は実に頭が良くて、
その説明はわかりやすかった。
クイーンズからマンハッタンへ。
そしてユニオンスクエア。
トレーダー・ジョー。
この時間には、ストームが来襲し、
大粒の雨と強風。
それでも、お客はやってくる。
レジへの行列は店を半周回って、
このとおり。
マンハッタンの店舗は、
例外なく補充陳列に追われる。
クレンリネスに手が回らないほど。
ただし、同社の問題点は、
作業改善だ。
マンハッタンでは、
ワインやリカーなど、
アルコール度数の強い酒を、
食品と同じ館で販売できない。
だから専門店で展開する。
2.99ドルのチャールズショーが有名だが、
マンハッタンでは1000円前後が売れ筋。
このコーナーには、
さらにプレミアムなワインが揃う。
マルゴー村ワインの、
シャトー・カントナック・ブラウンが、
69.99ドル。
スペインのマルケス・デ・リスカル。
47.99ドル。
価格設定の末尾99セントも、
トレーダー・ジョーのスタイル。
土産に購入しました。
さらにホールフーズを見て、
その後、ホテルに戻って、
各自、調理。
そして大試食大会。
その模様は、明日、報告。
しかし、ドナルド・トランプ大統領。
拙速な印象をまき散らしながらも、
バラク・オバマ前大統領の否定に勤しむ。
テーゼ、
アンチテーゼ、
そしてジンテーゼ。
この思考法は、
ポピュリズムとは、
相容れないらしい。
(つづきます)
〈結城義晴〉