結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年02月20日(月曜日)

21世紀の問題・20世紀の方法と「人々のための哲学」

Everybody! Good Monday!
[2017vol8]

2017年第8週です。
そして2月の第4週。

一月往ぬる、
二月逃げる。
三月去る。

ああ。

今日は2月第3月曜日。
アメリカでは、
プレジデントデーの祝日。
歴代大統領を称える日。

2月22日は、
ジョージ・ワシントンの誕生日。
ワシントンは初代大統領。
また2月12日は、
アブラハム・リンカーンの誕生日。
奴隷解放宣言の大統領。

二人の大統領は、
亡くなってからも尊敬され続けて、
国民はその誕生日を祝っていた。

1971年、当時の大統領は、
リチャード・ニクソン。
あんまり評判のいい大統領ではないが、
彼がすべての歴代大統領を、
同じ日に祝おうと決めた。

そこで2月第3月曜日が、
「大統領の日」となって、
連邦の祝日とされた。

ほとんどの公共機関や銀行は休業。
しかし民間商業施設は、
プレジデンツセールを展開する。

日本には総理大臣の日がない。
その代わりに天皇誕生日がある、
と考えればいいだろう。

ただし歴代大統領を祝う日で、
現役大統領の日ではない。

日経新聞『オピニオン』欄。
「時代遅れの米関税政策」
リチャード・ボールドウィン教授執筆。
ジュネーブ国際高等問題研究所所属。

実に的確な論述だ。

「米労働者の多くは、
この20年のあいだ
所得が停滞しているのは
自由貿易協定のせいと考えている」

「トランプ氏はグローバル化を批判し、
主要経済閣僚に
保護貿易主義者を起用することで、
こうした労働者を保護しようとしている」

「しかし、この判断は間違いだ」

「21世紀の問題を
20世紀の方法で
解決しようとしている」

「21世紀のグローバル化は
知識主導であって、
貿易主導ではない」

ドナルド・トランプは、
このごく単純な点を見逃している。

ピーター・ドラッカー教授は、
21世紀を「知識社会」と看破した。

ボールドウィン教授も同じ見方だ。

情報革命によって、
通信コストが劇的に低下した。
だから米国の大企業は、
生産拠点を低賃金の国へ移した。
同時に技術、マーケティング、
そして経営管理のノウハウも、
海外に移転した。

ここで生まれたのが、
「後進の先進性」

「知識のオフショア化が、
米労働者の状況を
根本から変えてしまった」

「2017年の米労働者は、
1970年代のように
外国の低賃金の労働や資本、技術と
競争しているわけではなく、
低賃金の外国人労働者と、
米国のノウハウという、
ほとんど勝ち目のない組み合わせと
競争しているのだ」

トランプのやり方は、
「アイデアや知的財産の流れを止めずに、
輸入品に関税を課す」

ボールドウィン教授のたとえ話。
「こぶしを握って
指の間から水が流れ落ちるのを
防ごうとするようなものだ」

そんなプレジデントデーである。

まばたけばまばたき返す梅の花
〈朝日俳壇より 合志市・坂田美代子〉

もう、一句。

光より始まるこの世春立ちぬ
〈同 岡山市 内田一正〉

昨日のブログ[日曜漫歩]の、
イントロダクションをこの俳人は、
あらかじめ読んでいたかのようだ。

今週金曜日は、
プレミアム・フライデー。

そのあたりのことは、
Weekly商人舎日替り連載、
月曜朝一・2週間販促企画。

さて昨日、岡山から帰って来て、
今日はまた大阪へ。

東京・横浜など関東は、
大風。
DSCN9192.JPG-7

新幹線から富士山の姿は見えず。

その代わり、名古屋を過ぎて、
関ケ原のあたりでは、
墨絵のような景色。
IMG_0582.JPG-7
素晴らしい。

だから旅はやめられない。

最後に、昨日の朝日新聞「折々のことば」
鷲田清一さん編著。

たまたま
立ちつくしたところから始め、
茫然と立ち止まったところで
一休みするというのも、
哲学のふつうのあり方なのである。
(野矢茂樹『語りえぬものを語る』講談社刊)

哲学を語る。
「人があたりまえのように
やってきたことの
意味を考え、掘り下げ、
人として生きるために
本当に大事なことを探すこと」

「ただし、誰も一つの場所から
それを見通すことはできない。
だから扉だらけの家のように、
どこから入ってどこから出てもいい、
そんな風通しのよさが、
哲学には必要だ」

さまざまな言葉が引用される。
それは広告宣伝に使われたり、
主張の我田引水の道具となったり、
ひどい時には自慢の種にされたり。

しかしどんな言説も、
哲学されねばならない。

「人として生きるために、
ほんとうに大事なことを探す」
そのために哲学がある。

誰もが、哲学することができるし、
哲学しなければならないと思う。

21世紀の問題を、
20世紀の手法で、
解決できると思い、
解決しようとするのは、
哲学が欠落しているからだ。

もちろん我々には、
商人哲学というジャンルもある。

人々の、人々による、
人々のための哲学。

リンカーンも賛同してくれるだろう。
これは人任せにしない方がいい。

では、皆さん、
今週も、哲学しよう。
それぞれに。
Good Monday!

〈結城義晴〉

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