2月25日、土曜日。
大安。
先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口、
6種の「曜」を「六曜」という。
その「大安」は「大いに安し」。
六曜の中で最も吉の日。
何事においても吉、
成功しないことはない日とされる。
東京・紀尾井町。
ホテルニューオータニ。
安島英城さんと田野岡千知さんの、
結婚式と披露宴。
仲人は設けず、
英城さんのスピーチから、
宴は始まった。
お二人とも、
三菱食品株式会社の社員。
同期入社の職場結婚。
英城さんは商品開発本部、
千知さんは市場戦略本部、
それぞれに属する。
だから三菱食品一色の披露宴。
同社代表取締役社長の森山透さんが、
まず新郎側主賓の挨拶。
新婦側は戦略市場本部長の重光秀明さん。
そのあとウェディングケーキ入刀。
美男美女のカップル。
英城さんの父上は、
株式会社マルト社長の安島浩さん。
英城さんは、
米国カンザス州立大学に留学し、
卒業と同時にバークレーボウルで、
約1年間、インターンシップ研修をした。
私はその橋渡しをして、
だから大学生の時から知っている。
実に実にいい人間で、
すこぶる性格もいい。
帰国後、三菱食品に入社し、
現在は商品開発本部で、
貿易に関する仕事をしている。
千知さんは市場戦略本部ECグループ。
つまりEコマース関連の仕事。
二人とも大いに期待される人財だ。
乾杯の音頭は、堀内淳弘さん。
㈱シジシージャパン代表取締役、
グループ代表。
菱食時代の廣田正さんの話から始めて、
三菱食品、シジシ―ジャパンと、
マルトのスーパーマーケット経営まで、
そして最後に新郎新婦への祝辞。
乾杯の後は、
ニューオータニのフルコース。
私は廣田さんの隣の席で、
ずっと話をしていた。
その私たちのテーブルの面々と、
新郎新婦の記念写真。
前列右から森山さん、堀内さん、
そして廣田さんと私。
後列は新郎新婦を挟んで右から、
杉山吉彦取締役加食事業本部長、
古屋俊樹取締役菓子事業本部長、
小野瀬卓低温事業本部長。
三人の常務執行役員が揃った。
披露パーティは、
シンプルでスマート。
淡々と進んで、
新婦の千知さんから、
ご両親への感謝のメッセージ。
これには泣けた。
そして最後に安島浩さんから、
お礼のご挨拶。
私は英城さん、千知さんを、
心から祝福した。
おめでとう。
気分のいい披露パーティでした。
さて「ほぼ日刊イトイ新聞」
巻頭言は「今日のダーリン」
・・・ずいぶん昔になるけれど、
「亭主元気で留守がいい」
と、おばちゃんたちが集って
唱和しているCMがあった。
あらためて、
そのことばをいま考えると、
亭主が、元気でしかも
留守である、なんてことは、
もう最高の家庭なのでは
あるまいかと思えてくる。
「留守」であることの
それぞれの理由については、
これはもういろいろ
ありそうなのではあるが、
少なくとも家の外のどこかに、
亭主であるところの彼を
必要としている場がある、
ということが言えそうだ。
家だけで必要とされている男というのも、
なかなか哀しいものだと
思いますからねぇ。
そして、なにより
「元気」なのだということが
すごい。
そうなんだよ、
「元気」だというだけで、
とっても
ありがたいことなんだ。
それは、他の人たちが
「目を離していられる」ことだ。
親しさだとか、愛情だとか
呼ばれているような感情が、
ないわけじゃないのだけれど、
忘れていられる。
「ずっと見ていなければならない」
という関係は、
見ている側の人の行動を
ずいぶんと制限することになる。
「目を離していられる」
くらいの「元気」は、
もうとんでもなくありがたいことなのだ。
おまけとして言えば
「留守」も同じ意味を持ってるね。
ただ単に「元気」であるとか、
もっと即物的に
「丈夫」であるとかいうことは、
人をほめるときの最後の
一要素みたいに思われているが
それが、どれほど
たいしたことなのか、
いまくらいの年齢になって
しみじみわかるようになった・・・
亭主だけではない。
女房も「元気」で「丈夫」がいい。
それだけで、
とんでもなくありがたいことだ。
英城さん、千知さんも、
元気で丈夫。
それを祈りたい。
もう一つ、
アランの「幸福論」から。
エミール・オーギュスト・シャルティエ。
「アラン」はペンネーム。
「幸福たらんと欲しなければ、
絶対に幸福にはなれぬ」
そして、
「幸福である人以外には、
愛される人はいない」
さらに「幸福である法」
「第一の規則は、
現在のものにせよ
過去のものにせよ、
自分の不幸の話をけっして
他人に話さないことだ」
安島浩さんをはじめ、
マルトの人たちはみな、これだ。
福島原発の事故を、
絶対に後ろ向きにはとらえない。
「もしきみが自分の悩み、
といっても些細な悩みだが、
その話さえしなければ、
くよくよと考えずにすむだろう」
そしてアランは最後に、
忠告を付け加える。
「悪い天気の良い使い方」について。
「さあ、雨降りのときこそ、
晴ればれとした顔が見たいものだ」
「だから、
悪い天気の日には、
良い顔をすること」
これはもちろん、
天気のことだけではない。
〈結城義晴〉