結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年02月21日(火曜日)

知識商人大学第二期スタートの「縁を大切に」と「一期一会」

2月、如月。
「縁を大切に」
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昨夜は新大阪駅に着いて、
㈱万代加藤徹会長にお迎えいただいて、
料亭・久恵へ。

そして万代知識商人大学。
第二期スタートの前夜祭。
Mandai Knowledge Merchant College。

万代トップと人事部関係者が集って、
第二期の抱負を語り合った。IMG_2851.JPG-7
前列真ん中が加藤さん、
その右に阿部秀行社長、
下岡太市副社長。
私の左が不破栄副社長。
後列は左から、
人事部教育チームマネジャー東尾里江さん
人事部マネジャー津田睦さん、
人事総務部門担当取締役の河野竜一さん、
そして第二期生代表の松岡俊行さん、
第3運営部部長エリアマネジャー。

明けて大阪・渋川の本社に隣接する建物。DSCN9163.JPG-7

万代会議棟。
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その大ホール。
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32人の第二期生と万代取締役が、
全員参集。
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万代知識商人大学第二期が開講。
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第一期は1月16日にめでたく修了。
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アカデミックガウンと帽子投げ。
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第一期が修了して、
すぐに今月、第二期スタート。

東尾さんが司会の挨拶。
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初めに阿部秀行社長。
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学ぶことの意味、
仕事の位置づけ、
この万代カレッジの意義など、
丁寧に話してくれた。

今年のスローガンは、
「挑戦してやり抜く」

阿部さんの語りはじつに、
わかりやすい。
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続いて辞令の交付。
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今回の第二期生は、
44歳から32歳まで、
女性4人を含む32人。
今年2月から来年1月までの、
研修生としての辞令が、
阿部社長によって読み上げられ、
一人ひとりに手渡された。
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続いて開講講義。
学長の結城義晴。
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思い返せば2008年、
コーネル大学RMP副学長に就任した。
あの時は産業内大学として、
その意義をふまえながら創設した。

しかし今度は、企業内大学。

万代という企業にカスタマイズしつつ、
しかし明確な目的をもって、
運営、教育していくことができる。

それは目的合理性が高い。

企業内大学の歴史と意義をかみしめつつ、
本学の基本的な考え方を説いた。
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もちろんはじめは、
「店は客のためにある」
そして、同意の、
「企業の目的は顧客の創造である」

倉本長治とピーター・ドラッカー。
その教えが万代知識商人大学の基本。

Knowledge Merchantという言葉も、
ドラッカー先生からいただいた私の造語。

Integrityと、
Marketing、Innovation。
「損得より善悪を先に考えよう」
「創意を尊び良いことは真似よ」
「お客に有利な商いを毎日続けよ」
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万代の2大スローガンは、
「日本一買い物に行きたい店舗」
「日本一働きたい会社」

Customer Satisfaction、
Employee Satisfaction。

その実現のために、
何を考え、どう行動するか。
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知識社会に基幹産業となろう。
それを成し遂げるのが知識商人だ。
Mandai Collegeの目的もここにある。

私が強調したのは、
「Big Thinker」になること。
つまり「大きな考え方をもつ人」
「大きな視野をもつ人」
「高い視点をもつ人」

哲学すること。
「人として生きるために
ほんとうに大切なことを探す」

考えて、考えて、考え抜こう。
そして行動しよう。

私に続いて、
下岡副社長の話。
ダントツの人、商品、売場をつくろう。
それが今年の目標。
そのために学べ。
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そして第二期生代表の決意表明。
松岡俊行さん。
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さらに不破副社長。
銀行員時代に日本生産性本部で、
6カ月の研修を受けた。
実に有益で有名な研修だ。
その時の経験をもとに、
有意義な教訓を語ってくれた。
「たくさんの引き出しをつくれ」
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最後の最後は本学理事長、
そして万代会長の加藤徹さん。DSCN9188.JPG-7
「目に見えない資産を増やせ。
自分のために。
自分を大きくせよ」

会社のためにではなくて、
自分のために。

それが加藤さんのメッセージの特徴だ。

開講式がすべて終わって、
4人で写真。
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ありがとうございました。

そのあと、6つのチームに分かれて、
自己紹介とこれからの1年の目標などを、
語り合った。
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第二期はチームを重点的に運営する。
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そして最後の最後に、
もう一度、結城義晴の講話。
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自分の学生時代の不勉強や、
社会人となってからの猛勉強。
編集長になり、社長になり、
立教の教授になった時の勉強。
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今度は学ぶことの考え方を、
とつとつと説いた。
それぞれに学べ。
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最後に全員で写真。
みんな、ちょっと不安そうで、
元気は足りないけれど。
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Mandai Knowledge Merchant College。
2017年2月21日、スタートしました。

さて、朝日新聞「折々のことば」
その673回も鷲田清一さん編著。

なぜか波長が合って、
いつも引用させてもらう。

今や看板と伝統の「天声人語」を超える。

最後にかわした言葉が
心残りだった、
ということに
ならないように

(田部井淳子)

昨年10月20日に亡くなった登山家。
女性として世界で初めて、
世界七大陸最高峰登頂に成功。
その著『それでもわたしは山に登る』。

「見るのはもうこれが
最後かもしれないと思うと、
その姿がとても愛おしくなる。
死を意識することは、
人や生き物にていねいに
向きあう態度を養ってくれるのだろう」

一期一会。

「つねに死と隣り合わせでいた
登山家だからこそ、
家族がどこかに出かけるときも、
まさかの事故の時のため、
その日の服装をしかと
脳裏に焼き付けるようにしてきた」

田部井淳子さんと同じ心構えで、
日々学びたい。
一期一会で、
日々教えたい。

よろしく。

〈結城義晴〉

2017年02月20日(月曜日)

21世紀の問題・20世紀の方法と「人々のための哲学」

Everybody! Good Monday!
[2017vol8]

2017年第8週です。
そして2月の第4週。

一月往ぬる、
二月逃げる。
三月去る。

ああ。

今日は2月第3月曜日。
アメリカでは、
プレジデントデーの祝日。
歴代大統領を称える日。

2月22日は、
ジョージ・ワシントンの誕生日。
ワシントンは初代大統領。
また2月12日は、
アブラハム・リンカーンの誕生日。
奴隷解放宣言の大統領。

二人の大統領は、
亡くなってからも尊敬され続けて、
国民はその誕生日を祝っていた。

1971年、当時の大統領は、
リチャード・ニクソン。
あんまり評判のいい大統領ではないが、
彼がすべての歴代大統領を、
同じ日に祝おうと決めた。

そこで2月第3月曜日が、
「大統領の日」となって、
連邦の祝日とされた。

ほとんどの公共機関や銀行は休業。
しかし民間商業施設は、
プレジデンツセールを展開する。

日本には総理大臣の日がない。
その代わりに天皇誕生日がある、
と考えればいいだろう。

ただし歴代大統領を祝う日で、
現役大統領の日ではない。

日経新聞『オピニオン』欄。
「時代遅れの米関税政策」
リチャード・ボールドウィン教授執筆。
ジュネーブ国際高等問題研究所所属。

実に的確な論述だ。

「米労働者の多くは、
この20年のあいだ
所得が停滞しているのは
自由貿易協定のせいと考えている」

「トランプ氏はグローバル化を批判し、
主要経済閣僚に
保護貿易主義者を起用することで、
こうした労働者を保護しようとしている」

「しかし、この判断は間違いだ」

「21世紀の問題を
20世紀の方法で
解決しようとしている」

「21世紀のグローバル化は
知識主導であって、
貿易主導ではない」

ドナルド・トランプは、
このごく単純な点を見逃している。

ピーター・ドラッカー教授は、
21世紀を「知識社会」と看破した。

ボールドウィン教授も同じ見方だ。

情報革命によって、
通信コストが劇的に低下した。
だから米国の大企業は、
生産拠点を低賃金の国へ移した。
同時に技術、マーケティング、
そして経営管理のノウハウも、
海外に移転した。

ここで生まれたのが、
「後進の先進性」

「知識のオフショア化が、
米労働者の状況を
根本から変えてしまった」

「2017年の米労働者は、
1970年代のように
外国の低賃金の労働や資本、技術と
競争しているわけではなく、
低賃金の外国人労働者と、
米国のノウハウという、
ほとんど勝ち目のない組み合わせと
競争しているのだ」

トランプのやり方は、
「アイデアや知的財産の流れを止めずに、
輸入品に関税を課す」

ボールドウィン教授のたとえ話。
「こぶしを握って
指の間から水が流れ落ちるのを
防ごうとするようなものだ」

そんなプレジデントデーである。

まばたけばまばたき返す梅の花
〈朝日俳壇より 合志市・坂田美代子〉

もう、一句。

光より始まるこの世春立ちぬ
〈同 岡山市 内田一正〉

昨日のブログ[日曜漫歩]の、
イントロダクションをこの俳人は、
あらかじめ読んでいたかのようだ。

今週金曜日は、
プレミアム・フライデー。

そのあたりのことは、
Weekly商人舎日替り連載、
月曜朝一・2週間販促企画。

さて昨日、岡山から帰って来て、
今日はまた大阪へ。

東京・横浜など関東は、
大風。
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新幹線から富士山の姿は見えず。

その代わり、名古屋を過ぎて、
関ケ原のあたりでは、
墨絵のような景色。
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素晴らしい。

だから旅はやめられない。

最後に、昨日の朝日新聞「折々のことば」
鷲田清一さん編著。

たまたま
立ちつくしたところから始め、
茫然と立ち止まったところで
一休みするというのも、
哲学のふつうのあり方なのである。
(野矢茂樹『語りえぬものを語る』講談社刊)

哲学を語る。
「人があたりまえのように
やってきたことの
意味を考え、掘り下げ、
人として生きるために
本当に大事なことを探すこと」

「ただし、誰も一つの場所から
それを見通すことはできない。
だから扉だらけの家のように、
どこから入ってどこから出てもいい、
そんな風通しのよさが、
哲学には必要だ」

さまざまな言葉が引用される。
それは広告宣伝に使われたり、
主張の我田引水の道具となったり、
ひどい時には自慢の種にされたり。

しかしどんな言説も、
哲学されねばならない。

「人として生きるために、
ほんとうに大事なことを探す」
そのために哲学がある。

誰もが、哲学することができるし、
哲学しなければならないと思う。

21世紀の問題を、
20世紀の手法で、
解決できると思い、
解決しようとするのは、
哲学が欠落しているからだ。

もちろん我々には、
商人哲学というジャンルもある。

人々の、人々による、
人々のための哲学。

リンカーンも賛同してくれるだろう。
これは人任せにしない方がいい。

では、皆さん、
今週も、哲学しよう。
それぞれに。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年02月19日(日曜日)

[日曜漫歩]岡山城と後楽園

天地創造の物語。

第1日目に神は、
光と闇とを区別した。
光を昼と名づけ、
闇を夜と名づけた。

第2日目に神は、
大きな空を造り、
空の下にある水と、
空の上にある水とを区別した。
そしてこの大空を天と名づけた。

第3日目に神は、
天の下の水を一所に集め、
乾いた所を現われさせた。
水の集まった所を海と名づけ、
乾いた所を地と名づけた。
そして地には植物、
種の生じる草、
種のある実を結ぶ果樹、
木を芽生えさせた。

第4日目に神は、
昼に輝く太陽と、
夜にきらめく月と星を造った。

第5日目に神は、
海に生きる巨獣と、
水の中を泳ぐ魚と、
翼のある鳥を造った。

第6日目に神は、
地に生きる家畜や爬虫類、獣を造った。
そして神は自身のかたちに、
男と女を創造した。
人間にすべての生き物を支配させた。

そして第7日目に神は、
天と地とすべての万象が、
完成したことを祝して、
休んだ。

神は第7日目を祝福し、
この日を聖なる日とした。

それが日曜日だ。

だから、日曜くらいは、
ゆっくり漫歩。

今日は岡山県の旭川。
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岡山市の中心部を貫く一級河川。DSCN8891.JPG-7

楕円を描いて、ゆるりと流れる。DSCN8892.JPG-7

旭川の右手に、
天守閣が見えてくる。DSCN8901.JPG-7

土手の向こうに、城郭。DSCN8893.JPG-7

右側から城壁。
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そして天守閣。
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岡山城、別名は烏城。
「うじょう」と読む。

カラスの城。
真っ黒だから。

築城したのは、
戦国大名だった宇喜多秀家。

豊臣秀吉が天下を取り、
その秀吉に厚遇されて大大名となった。
この城も秀吉の指導を受けてつくった。

8年の歳月をかけて、
慶長2年(1597年)に完成した。

ちょうど420年前のこと。

西向きの城構えのため、
旭川を改修して、
城の東の背後を流した。

これが天然の外堀となった。

天守閣の壁に付いているのは下見板。
この板が黒漆塗りで、
だから外観が黒い。DSCN8898.JPG-77

日本の城には白と黒がある。

黒がこの岡山城、熊本城、松本城、
広島城、島根城など。

白は姫路城、名古屋城、彦根城、
高知城などなど。

豊臣秀吉の時代に築かれたのが黒、
徳川家康の時代につくられたのが白。

1600年の関ケ原の戦いを分岐として、
それ以前が黒城、以後が白城。

高知城は1603年、彦根城は1606年、
姫路城が1609年、名古屋城は1611年。

岡山城が1597年、広島城は1591年、
松本城は1590年、熊本城は1588年。

秀吉の時代の城は、
岡山城のように外壁に、
防腐剤として黒漆板を使用。

家康の時代の城は、
外壁に石灰を使った漆喰を塗った。
漆喰は当時の最新技術で、
火に強いという特性を持っていた。

白い城と黒い城。
もうひとつの理由は、
白と黒の色の機能。

黒は敵から隠す効果があり、
白は大きく見せる効果がある。

白は膨張色、黒は収縮色。

秀吉以前の戦国時代は、
敵から見つかり難い黒で、
しかも小さく見えるけれど、
攻めにくい威力のある城が必要だった。

つまり実践の城。

関ヶ原以降の江戸時代になると、
戦さが減って、城は威厳の象徴となった。
大きく見えて美しい白い城に変った。

関ヶ原合戦で豊臣方についた宇喜多秀家。
八丈島に流配となった。

秀家に代わって、
小早川秀秋が城主となった。
西側の外堀の外側にさらに外堀を設けて、
城域を拡張し、その外に寺町を配置した。

岡山は大きな城下町となって発展した。

その後、長らく池田藩となって、
明治を迎える。

しかし昭和20年(1945年)の空襲で、
天守閣が焼失し、昭和41年(1966年)再建。
現在の姿になった。

そんなことを思いながら、
日曜漫歩を楽しむと、
後楽園に行きつく。
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水戸の偕楽園、金沢の兼六園と並んで、
日本三名園。
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池田藩第4代池田綱政が、
1687年から14年をかけて、
1700年に完成した。

総面積は13万3000㎡。
東京ドームの約3倍の広さ。
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1689年には菜園場ができて、
水田や茶畑もある。DSCN8912.JPG-7

庭園は池泉回遊式。DSCN8905.JPG-7

つまり池の周りを回遊する庭園。DSCN8907.JPG-7

太鼓橋を渡ると池の中心には、
賓客をもてなす延養亭(えんようてい)。DSCN8909.JPG-7

そして後楽園から望む岡山城。DSCN8916.JPG-7

烏城は近くに寄って見るもよし、
遠く、後楽園から見るもよし。DSCN8913.JPG-7
満足の日曜漫歩だった。

〈結城義晴〉

2017年02月18日(土曜日)

春の豆腐商いと春の富士、そして春のイオンスタイル岡山

「水ぬるむ季節である」
朝日新聞「天声人語」

大分県出身の松下竜一
豆腐屋から作家・歌人になった。
その代表作『豆腐屋の四季』の中の歌。

けさよりは我が指刺さぬ缶の水
春の豆腐と思いあきなう

春の豆腐を商う。

いいですね。

しかし春は豆腐の売れ行きが落ちた。
鍋物の季節が終わるからだ。

豆腐屋にとって、
「春はやさしいだけでなく、
苦みもあった」

春嵐砂捲く幾日か豆腐売れず
寂しくて満つる海を見に来つ

「春は苦味を盛れ」

菜の花、ふきのとう、筍、ウド。
春野菜。

コラムニスト。
「冬の寒さに耐えて育まれた味わいが
活力を与えてくれる気がする」

春の豆腐や春野菜を商う。

季節を感じ取りながら。

今日は二十四節気の「雨水」
「うすい」と読む。

冬至から小寒、大寒、
それから立春、雨水。

1年を24に分けるから、
一つの節気は15日ほど、約2週間。

雨水は、雪が雨になり、
溶けた雪が土を潤すころ。

私は午後、新横浜から、
新幹線で南へ。

春の曇り空。
富士の姿は見えないだろうと、
初めから諦めていたが、
頂のところだけ、
顔を出してくれた。
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雲の合間から、
頂上が見える。DSCN8837.JPG-7

少しずつ姿を現す。DSCN8840.JPG-7

そして雄大な全貌。DSCN8852.JPG-7

富士川のあたりから、
今日、最後の富士を望む。DSCN8856.JPG-7
それだけで幸せな気分になる。

ありがたい。

夕方、岡山駅に到着。
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イオンモール岡山へ。
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2014年12月5日にグランドオープン、
開業後1カ月間で合計230万人が来店して、
好調な滑り出しを見せた。

そしてこの店が、
都市型のイオンスタイルのベースを、
構築した。

岡山駅からモールまでの地下街。
ちょっと距離はあるが、
完全に定着した。
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そのあおりを受けて、
表町商店街は衰退した。

イオンスタイル岡山が、
核店舗。
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正面入り口には、
フォション(FAUCHON)。
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そして高島屋の食品部門。
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右手にはZARA HOME。
この店の商品、ずいぶんよくなった。
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ユニクロもやがて、
UNIQLO HOMEに参入するに違いない。

そしてイオンスタイル岡山のフード。
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夕方、6時を過ぎると、
岡山では土曜日でも客足は少ない。
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それでも売り場を維持している。
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ハムの売り場にワイン。
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そして早くもホワイトデー。
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早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
バレンタインデーが終わったら、
翌日からすぐに、
ホワイトデーに切り替えねばならない。

食品売り場はまあまあの状態。
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客数も十分だ。
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隣から一線で、専門店群。
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このモールから始まった、
ラ・ドロゲリア。
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イタリアンフードの専門店。
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板橋前野町につながるイータリー化現象。
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店頭にはMonthly Pickup。
この言葉は英語だけれど。
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そしてイオンリカー。
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ワイン売り場には、
イースターの提案。
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これも早仕掛け。

このモールの1階は、
フード&ドラッグ。
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問題は2階のファッション部門。
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これはイオンスタイル全体として、
何とかしなければいけない。

3階は住関連。
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こちらも少しずつ良くなってきた。

4階はキッズ。
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そしてモールにはペットショップ。
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イオンモール岡山は、
絶好調を維持している。

イオンスタイル岡山も同様に好調。
問題はアパレル部門。
3月に大胆な組織改革が行われる。

それは部門改革でもある。

組織は戦略に従う。
それが店に現れる。

小売業は恐ろしいビジネスだ。

〈結城義晴〉

2017年02月17日(金曜日)

FOOD TABLE in JAPAN 2017と「変化という竜」

春一番 。
関東、北陸で吹いた。

常盤勝美の2週間天気予報。
Weekly商人舎の日替り連載。
今週火曜日の予報を書いてくれた。

「各地で春一番が吹く可能性がある」

常盤勝美、見事。

山田クーン! 座布団三枚!!

その年に初めて吹く南寄りの強い風。
それが「春一番」

その日、気温は上昇するといわれるが、
実際、今日の東京都心は、
最高気温18.8度。

ただし、翌日は寒さが戻る。
明日は寒い。
これを称して「寒の戻り」

そんな強風が吹いて、
JR京葉線が遅延する中。

幕張メッセへ。
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FOOD TABLE in JAPAN 2017。

4つの展示会が統合した。
スーパーマーケット・トレード、
略してSMTS2017。
今回で第51回。

それからデリカテッセン・トレードショー、
外食FOOD TABLE 2017、
こだわり食品フェア2017。

昨年までの開催は、
東京ビッグサイトだった。

今年から幕張メッセへ。
その全館を借り切って開催。

1ホールから8ホールまで。
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天井は高い。
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そして別棟の9ホールから11ホール。DSCF5304.JPG-7

昨日夜のレセプションパーティ。
横山清協会会長兼実行委員長の挨拶。
㈱アークス社長。
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「このトレードショーは、
去年の50回で一区切りをつけ、
今年、新しい一歩を踏み出しました。
ゼロからの出発で、
一から出直すという緊張感がある」

「FOOD TABLE in JAPAN2017は、
従来の単なるトレードショーではない。
単純な展示会ではなく、
いろいろな方が集まり、
皆さんと一緒につくったフェアであり、
商談展示会です」

「実は、昨日、一昨日の晩は、
ほとんど眠れなかった。
業といいましょうか。
新店オープンの前の日は、
今もほとんど眠れない」

「今回、この幕張メッセに移ったことで、
お客さんは2割減るだろう、
あるいは新しい試みもお客さんに
理解されないかもしれない、
そんなことを考えてしまったのです」

「新日本スーパーマーケット協会は、
セルフサービス協会として一番古くて、
来年が創設60周年になります。
私もこの世界に入って56年ですが、
入ったときにはすでに協会があった。
つまり協会とともに私は歩んできた」

「流通業界も、
どんどん革新していきます。
その最先端が、
FOOD TABLE in JAPANにあるのです」

「これからもみなさんといっしょに、
明日に向け、来年に向けて、
進んでいきたいと思っています」

「業界は苦しい状況であっても、
まだまだ発展していけると、
確信しています」

私は最終日の今日、
期待をもって会場へ。

到着するとすぐに、
プレスルームへ。
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それから8ホールから、
順番に展示を見る。

すぐに阿部秀行さんと出会う。
㈱万代社長。
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それから平松正嗣さん。
㈱平和堂専務取締役営業統括本部長。DSCN9158.JPG-7
勉強熱心な経営者は、それぞれに、
このフェアの見方を持っている。

それから㈱寺岡精工のブースへ。IMG_0526.JPG-7

左から、三木桂さん、
営業ポータルグループ部長。
社長の片山隆さん、
本部長の西村馨さん、
商人舎の松井康彦さん、
寺岡精工顧問の川越純一さん。DSCN9127.JPG-7

そのあとTERAOKA写真ブースへ。
ポーズをとって撮影。DSCN9131.JPG-7

こちらは「WOW!!」DSCN9132.JPG-7

国分は今回、
4カ所に展示ブースを確保して、
様々な提案をした。DSCN9161.JPG-7

国分グループ本社副社長の国分晃さん。DSCN9157.JPG-7

パナソニックも意欲的な展開。DSCN9142.JPG-7

これはサッシレスのリーチインケース。
米国ホールフーズが開発した什器だが、
私はどこかが挑戦してくれないかと、
ずっと提案していた。
パナソニックが日本流にアレンジした。DSCN9141.JPG-7

オカムラはオートストアの展示。
AIの時代到来を教えてくれた。DSCN9151.JPG-7

菓子卸の㈱髙山社長の髙山時光さん。DSCN9166.JPG-7

㈱折兼のブースで、
社長の伊藤崇雄さん。DSCN9152.JPG-7

今年の新製品。
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秋田豊晴さん、
営業企画グループマネジャー。DSCN9155.JPG-7

㈱リブネット取締役の竹内憲太郎さん。
コーネル・ジャパン伝説の1期生。DSCN9122.JPG-7

そして「I ♡ Supermarket」のブース。
㈱プログレスデザインで、
代表取締役の西川隆さんから、
説明を受ける。
DSCN9123.JPG-7

そしてそろい踏み。
私の隣から西川さん、
取締役営業部長の柳本浩三郎さん。
DSCN9125.JPG-7

BMO㈱社長の山田恭路さん。
昨年の月刊商人舎3月号で、
ワインの戦略的MD体系を、
執筆してもらった。DSCN9160.JPG-7

お弁当・お惣菜大賞2017のコーナー。DSCN9164.JPG-7

最後は流通科学大学のブース。
学長兼理事長の中内潤さんとは、
故中内功さんの写真の前で。DSCN9168.JPG-7
講義はいつでも引き受けます。

そのあと、学生諸君とともに。DSCN9169.JPG-7

FOOD TABLE in JAPAN 2017。
成功裏に終わって、めでたい。IMG_0528.JPG-7
できればドイツのANUGA(アヌーガ)や、
フランスのSIAL(シアル)を超えて、
世界最大最高の食品フェアへと、
発展してもらいたい。

アヌーガは毎奇数年に、
シアルは毎偶数年に開催され、
互いに補完関係を保つ。
DSCN0160-1

アヌーガには、
約100カ国から約7000社のサプライヤー、
190カ国から16万人のバイヤーが、
一堂に会する。
DSCN0034-3

シアルには、
104カ国から6500社のエキジビター、
190カ国から15万5766名のビジターが、
集まって来る。
DSCN9606-3

日本のFOOD TABLE in JAPAN 2017は、
3日間合計で8万6768名の来場者だった。

そのアヌーガもシアルも、かつては、
小売業協会が主催していた。

しかし現在は、
前者はケルンメッセ㈱が、
後者はComexposium社が、
専門性の強みを発揮して主催している。

1992年、フランス小売業協会から、
ローラン・ヴィオロ会長が来日した。
私はヴィオロ会長から直接、
シアル・ドール審査委員への、
就任要請を受けた。

そしてこの世界ヒット商品コンクールの、
日本代表審査委員になった。
DSCN9667-2

当時は小売業協会主催だったシアルは、
その後、フェア専門会社に移管されて、
現在、専門家たちが主催している。

横山さんの言う「新しい一歩」は、
企画・運営専門性の方向に、
向けられているのではないかと思う。

さて、日経オンライン「経営者ブログ」
ユニ・チャーム社長の高原豪久さん。
「竜が来ても逃げ出さないために」

「中国の寓話に、
竜が大好きな人の話があります」

「その人は家中の壁に竜の絵を掛け、
寝ても覚めてもそれを眺めているくらい
竜が好きでした」

「それを聞いて嬉しくなった竜が
ある日突然彼の家にやってきました。
するとその人は、恐怖のあまり、
逃げてしまったそうです」

実に面白い。

この寓話は、
「どんなに頭で理解をしているつもりでも、
実際にその場に遭遇すると、
案外受け入れられないものだ
ということを示唆しています」

高原さんは、
「ニューノーマル社会」である今日、
「竜」とは「変化」そのもの
と考える。

そして「変化」という名の「竜」が、
様々な課題をもたらし、
それを解決する際に、
大切なことを考察する。

それは、
「自分(自社)の思考特性と行動特性の壁」を、
乗り越えることだ。

そしてその「壁を乗り越える」ためには、
自分・自社とは異なる、
「考え方や行動の仕方」を取り入れ、
遺伝子レベルでの自己変革に、
真剣に取り組まねばならない。

「変化」という名の「竜」が、
ある日突然やってきても、
慌てて逃げ出すことにならないために。

変化に対応するためには、
異質なものを取り入れること。

貴重で重い提言だ。

そして「竜」はもう、
そこまでやって来ている。

〈結城義晴〉

2017年02月16日(木曜日)

小売業リーダーズ協会が大統領と会談して「国境税」反対声明

ドナルド・トランプ大統領が、
アメリカ小売業団体と会談した。

小売業リーダーズ協会(RILA)。
Retail Industry Leaders Association。

場所はワシントンDCのホワイトハウス。

会談冒頭のあいさつで大統領。
「税制改革は
経済成長を加速させる絶好の機会」

法人税や所得税の引き下げを主張。
「税制改革は大規模で
中間層と法人に有益なものになる」

雇用を増やす。
規制を減らす。
税制は簡素にする。

トランプの政策は、
わかりやすい。

しかしRILAは、2月1日に、
トランプが検討する「国境税」には、
反対の声明を発表している。

「国境調整」は、
米国の輸出への課税を減らし、
輸入に対する課税を強化する。

つまり輸出企業には追い風となるが、
輸入に頼る小売業にとっては痛手となる。

これに対してRILAは訴えている。
「国境税は実験されていない有害な制度で、
米国小売業の雇用をリスクにさらし、
生活必需品などが20%も高くなり、
その分を消費者に負担させることになる」

RILAには200以上の小売企業が参加する。
その主なメンバー企業。
7-Eleven, Inc.
Abercrombie & Fitch, Co.
Advance Auto Parts, Inc.
American Eagle Outfitters, Inc.
Apple, Inc.
AutoZone, Inc.
Belk, Inc.
Best Buy Co., Inc.
Big Lots Stores, Inc.Blain’s
Burlington Stores, Inc.
CarMax, Inc.
Chico’s FAS, Inc.
Costco Wholesale Corporation
Crate & Barrel (Euromarket Designs, Inc.)
Delhaize America Shared Services Group, LLC
DICK’S Sporting Goods, Inc.
Dillard’s, Inc.
Dollar General Corporation
Dollar Tree, Inc.
Express, LLC
Foot Locker, Inc.
GameStopCorp.
Gap Inc.
Giant Eagle, Inc.
H-E-B
Hy-Vee, Inc.
IKEA North America Services, LLC
J.C. Penney Company, Inc.
J.Crew Group, Inc.
Kohl’s Corporation
L Brands, Inc.
Lowe’s Companies, Inc.
Meijer, Inc.
NIKE, Inc.
Petco Holdings, Inc.
PetSmart, Inc.
Publix Super Markets, Inc.
QVC, Inc.
Recreational Equipment, Inc. (REI)
Rite Aid Corporation
Rooms To Go, Inc.
Ross Stores Inc.
Sears Holdings Corporation
Signet Jewelers
Staples, Inc.
Starbucks Coffee Company
Target Corporation
The Home Depot, Inc.
The Kroger Co.
The Michaels Companies, Inc.
The Pep Boys -Manny, Moe & Jack
The Save Mart Companies
The TJX Companies, Inc.
The William Carter Company
T-Mobile, USA Inc.
ULTA Salon, Cosmetics & Fragrance, Inc.
VF Corporation
Walgreen Co.
Wal-Mart Stores, Inc.
Wegmans Food Markets, Inc.
Whole Foods Market, Inc.

ウォルマート・ストアーズ、
クローガー、コストコ。
もちろんHEBやホールフーズも、
ウォルグリーンやホームデポ、ロウズも。

入っていないのは、
CVSヘルスくらいだろうか。

このRILAの主張は、
「国境税は消費者を著しく
痛めつけることになる」

そして反対の意思を鮮明にしている。

ほとんどの有力企業が参加する団体。
だから、その主張は無視できなくなる。

さらに時の大統領に対しても、
決然と反対する。

私の言うポリティカルマーチャントだ。

今回のトランプ大統領との会合の後、
RILAはビル・ローズ会長名で、
声明を発表した。
オートゾーン会長兼社長兼CEO。
オートゾーンは自動車部品販売チェーン。

「今日、私たちは、小売業界が、
国民経済において果たしている、
重要な役割について、
トランプ大統領と、
積極的かつ生産的な会話をした」

「私たちは、個人と企業の両方に対して、
税制改革を図ることの重要性を強調した」

「小売業界は、
米国最大の民間セクター雇用者であり、
4200万人以上の雇用を実現している。
国内投資の拡大につながる、
成長促進政策を支援する」

「私たちは、
大統領や彼のスタッフと同様に、
私たちの業界、私たちの従業員、
そして数多の顧客である働く世帯にとって、
重要な問題(国境税)の在り方に対して、
期待している」

一方、この主張と、
反対の団体が設立されている。
「アメリカン・メイド・コアリション」
ゼネラル・エレクトリック、ボーイング、
ファイザー、ダウ・ケミカルなど、
超有力製造業25社が、
国境調整や国境税を支持する。

アメリカ産業界は、
事業構造が輸出型か輸入型かで、
二つに割れている。

昨日から幕張メッセで、
2017スーパーマーケットトレードショーが、
開催されている。
ftj2017opening
食品展示会として、
アジア第一。

ドイツ・ケルンのアヌーガや、
フランス・パリのシアルには、
いまだ及ばないが、
大きな展示会ではある。

このスーパーマーケットトレードショー。
主催するのが、
新日本スーパーマーケット協会。
旧セルフサービス協会と、
旧全国スーパーマーケット協会が、
統合して誕生した協会。

しかしこの協会は、
日本スーパーマーケット協会との、
合併に合意していたが、
それが破談になってしまった。

もったいないと思う。

アメリカのRILA。
そして食品マーケティング協会のFMI。

RILAが日本チェーンストア協会なら、
FMIはスーパーマーケットの統合協会。

そして彼らは、
ポリティカルマーチャントの集まりだ。

政治的にも大統領と会談して、
直接、意志を表明する。

それが必要な時代であることは、
間違いないのだが。

〈結城義晴〉

2017年02月15日(水曜日)

プラネット訪問と丹羽宇一郎の「あすなろ総理」&「メディアの真」

今日は幕張に行く予定だった。
イオンではなくて、
スーパーマーケットトレードショー。

しかし急遽、取材が入って、
予定変更。

残念ながら、行けなかった。

月曜日のブログに書いたから、
ずいぶんたくさんの人たちから、
メールや電話をいただいた。

「失礼しました」

今日のDaily商人舎は二本の記事。
Japan Newsは、
ライフ川崎大島店今日オープン
DSCF5278-600x450

World Newsは、
全米小売業協会の2017年予測

昨日のWeb会議で決定したが、
ニュースを短くした。

さて私は東京・浜松町。
㈱プラネットを訪問。
プラネットの事業は、
EDI基幹プラットフォームの構築・運用。
EDIはElectronic Data Interchangeの略、
意味は、「電子データ交換」
各企業がコンピュータを通じて、
データをやりとりすること。

そのプラットフォームを構築し、
情報交換の手助けをする。

売上高経常利益率24.1%、
自己資本利益率13.0%。
すごい会社だ。

玉生弘昌会長。
DSCN9108-1

それから田上正勝社長。DSCN9016-1
いい話を聞いた。

梅沢聡さんが一緒。
㈱商業界の元編集担当取締役。
DSCN9112-1
現在は月刊コンビニの編集委員。

浜松町の街に、
夕闇が訪れようとしていた。
DSCN9109-1
充実した一日だった。

しかし私にも、
花粉症が出てきた。

今年の関東地方のスギ花粉は、
東北地方ともども昨年に比べて、
飛散量が少ないらしい。

その代わり、
近畿、九州、四国、東海の各地方は、
昨年の2倍以上と見込まれている。

毎日新聞『余禄』は、こう表現する。
「鼻の春の憂鬱度は、
『西高東低』となりそうな日本列島である」

その毎日新聞の
『校閲発・春夏秋冬』
閑話休題。

新人校閲者「新さん」と、
先輩校閲者「閲さん」の、
バレンタインデーに関する会話。

新さん 気になっていたんですけど、
「バレンタインデー」と書く一方で、
「デイケア」や「デイトレーダー」は、
「デイ」ですよね。
でもデーゲームは「デー」。
どれも英語では「day」なのに、
この違いはどこから来ているんですか?

閲さん 毎日新聞の用語集では、
固有名詞を除き、
○○デーやデーゲーム、デーリーは
長音符号「ー」で
書く決まりになっています。
デイケア、デイトレーダーは例外です。

閲さん 原語で「エイ」と発音するものは
長音(のばす音)とみなす、
という規定があります。
もともと日本人は
「エイ」と発音することが苦手で
「エー」になりがちです。
「英語」だって「えーご」と
発音する人が多いでしょう。
dayを例にすると、
日本語で表記するときは「デイ」ではなく、
日本での発音に近い「デー」が原則です。

 でも「デイ○○」と書く語も
あるわけですよね。

 新しく使われるようになった語ほど
「デイ」と書く傾向にあります。

 どうしてですか?

 最近は外国語に触れる機会が
増えたことなどから日本人も
「エイ」という発音になじんできた
と言われています。
それに伴い表記も
変化していると言えるでしょう。

 細かなルールは、
新聞社ごとに決めていますが、
一般的な目安としては国の審議会が
検討したものがあります。

 どんなものですか?

 国語審議会の報告では、
「『エイ』と発音するものは長音とみなす」
方針が示されました。
ただし、エイト、ペイントなど
表記が定着しているものは
例外としています。
内閣告示でも慣用のあるもの以外は
長音が前提とされていますが、
例外は徐々に広がってきています。

 たとえば?

 以前は「メーンスタジアム」
のように書いていましたが、
2013年改訂の用語集で
「メインスタジアム」に変更しています。

 最近は「フェイクニュース」も
紙面でよく見ます。
表記も変化するんですね。

閲 新聞社によっては、
ネーティブ→ネイティブ▽
ブレーク→ブレイク▽
リメーク→リメイク など、近年、
長音表記を見直している社もあります。
NHKは15年から、
テークアウト→テイクアウト▽
ギブアンドテーク→ギブアンドテイクに
表記を変更し、アナウンサーも
文字通りに「テイク」と
読むようにしているそうです。

 外来語の表記で
悩む場面も増えそうです。

 そうですね。ところで、
1日遅れだけど、はいどうぞ。

 わあ、ありがとうございます。
もしかして……。

 遅くなったから、
チョコ“レイト”なんてね(笑い)

月刊商人舎も毎日更新宣言ブログも、
音引きが少なくなって、
英語の発音そのままの表記になってきた。

しかし高校時代に読んだ小説『歯車』
芥川龍之介は「レエンコート」と記した。
私は異様な語感にたじろいだが、
この小説の衒学的文体として、
実はぴったりだった。

時には「レエンコート」のごとき表現、
必要なのだ。

それが「真」である。

さて日経オンラインの経営者ブログ。
伊藤忠前会長丹羽宇一郎さん。

タイトルは、
メディアの「真」と国の「信」

「米国で新しい大統領と
大手メディアの対立が
激しくなっています。
強権を発動する大統領に対し、
食ってかかるメディア。
それに呼応して
全米各地でデモが起こる」

トランプ発言は「フェイク!」

「内容はともかく、その構図は
民主主義の牙城である
米国らしいなと感心します」

丹羽さんらしい、率直なもの言いだ。

「翻って日本はどうかというと、
残念ながらメディアに元気がありません」

「率直に申し上げてふがいない」

さらに財界人や知識人の声。
「ちょうちん持ちが多く
信用していない」

「何でもそうですが、トップの発言を
そのままうのみにするのは
いかがなものでしょうか」

手厳しい。

ここで稲田朋美防衛相の発言が、
問題にされる。
南スーダンPKO派遣部隊の
日報を巡る発言。

「『戦闘行為』かどうかについての
稲田大臣の説明も理解に苦しみましたが、
日報を公開するまでの経緯は
ひどいものでした。
こんなに大事な問題に
政府がこれだけ
ずさんな対応をしていながら、
メディアの追及は甘いと
言わざるを得ません」

「このようなメディアと国の不健全な関係は
1930年代の満州事変前後を
ほうふつさせます」

「大変危険な状況であることを、
メディアの皆さんには
認識していただきたい」

「国もメディアも、国民の力を
過小評価してはいないでしょうか」

「安倍首相は『明日はよくなる』といった
趣旨の発言を繰り返す『あすなろ総理』と
いわれても仕方ありません」

あすなろ総理。

「実際に国民によくなった実感はない」

「メディアはいつまでご機嫌とりを
し続けるのでしょうか」

ここで英国、米国の話。
「米英のメディアは
既存勢力を熱烈に支持しました。
英国の大手メディアはEU離脱など
あり得ないと信じ込み、
米国ではヒラリー・クリントン氏の
勝利を疑いませんでした。
裏付けとして彼らの実施した
都合のよい世論調査を公表しました」

「既存勢力にすり寄ったメディアは、
既存勢力とともに敗北を喫しました。
それは、メディアへの信頼が
失墜することを意味します」

だから米国メディアは現在、
トランプ大統領のツイートと
激しい争いをしている。

汚名返上のための「プライド」が、
米国メディアの根底にある。

「信なくして国たたず」

国の「信」を保証するのは
「真」を追求するメディアです。

「それが民主主義の
本道というものでしょう」

「日本の国の将来を決める
ターニングポイントです。
メディアの皆さんは危機感を持って、
腹をくくる時です」

丹羽宇一郎さん、
かなり激しい口調だ。

メディアの中で、
メディアを批判する。

勇気のいることだ。

ジャーナリズムは、
「真実」を追究しなければならない。
腹をくくらねばならない。

あすなろ総理の「やってる感」も、
「真」に表現されなければならない。

〈結城義晴〉

【追伸】
Newsは短いが、
Blogは長い。

恐縮。

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結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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