今年は、珍しいことばかりだ。
第89回選抜高校野球大会。
春のセンバツ。
一番面白いのが準々決勝だと思うが、
そのあとの準決勝2試合は緊張感最高。
第1試合は、大阪の履正社高校が、
兵庫の報徳学園を、
6対4で逆転勝ちして、
3年ぶりの決勝進出。
第2試合は、これも大阪桐蔭高校が、
熊本の秀岳館高校を、
2対1で破って5年ぶりの決勝進出。
結局、大阪勢2校で優勝を争う。
史上初めての珍事。
春のセンバツは、
前年の秋の地方大会で、
いい成績を上げれば、
一つの県から2校が甲子園に出られる。
そうして大阪から2校が甲子園に出てきて、
そのうえその2校が決勝に進んだ。
大阪の人たちは大喜びだろう。
さて今日は、
イオンスタイル碑文谷。
全館リニューアルオープンの日。
イオン幹部が揃って式典に臨んだ。
手前から、
碑文谷店店長の町野弘幸さん、
イオンリテール社長の岡崎双一さん。
そして井出武美さんの挨拶。
イオンリテール(株)専務執行役員、
南関東カンパニー支社長。
テープカット。
これでダイエー旗艦店だった碑文谷店が、
全館で再出発。
目出度い。
今日のオープンは5階・6階・7階。
フルラインの総合スーパーは、
本来、最も便利な、
ワンストップショッピングの店だ。
そのフォーマット確立に向けて、
意欲的な試みが満載された。
楽しみな店だ。
さて私は朝から、小平へ。
第一屋製パン(株)、
第75期株主総会。
小平工場を併設する本社。
桜の開花はもう少し先のことだ。
第一パンのファンばかりの株主から、
暖かい提案や励ましの声が寄せられた。
ステークホルダーも、
この会社の社風の一角にある。
ありがたい。
その後、一度、
横浜商人舎オフィスに戻って、
再び、東京・上野。
上野恩賜公園。
桜並木方面へ。
まだ咲き始めたばかりだが、
もう花見客が陣取っている。
ゴミ箱もカラフルで、
仕分けされている。
日本はいい国だ。
外国人のグループ。
そして桜並木。
とにかく外国人が多い。
出店も多数、出ていて、盛況だ。
私は不忍池を回って、
東天紅へ。
その不忍池。
池を眺めながら、
第一屋製パンの役員懇親会。
不忍池の向こうに、
東京スカイツリーが見える。
そして2時間の食事とディスカッション。
紹興酒をだいぶ飲んだ。
豊田通商(株)専務の三浦芳樹さんとは、
マーケティングやストラテジーに関して、
ずいぶん対話をした。
食料・生活産業本部長で、
第一屋製パン非常勤取締役。
私と同じ立場。
今日も充実した一日だった。
さて、
「ほぼ日」の糸井重里。
会社を株式上場させてから、
特に経営的な視点の発言が目立つ。
それも糸井流。
今日のテーマは、
「なにかを企画するとき」
「最高にうまくいったら
どんな感じになるの?」
こういうことがちゃんと、
「イメージできているか。
これは、なにより大事なことだ」
「成功したあとの
『うれしいイメージ』が
あるか、ないか」
「実際には、ただただ
目の前の課題を解決していって、
尺取り虫のように前に進む
という姿になるかもしれない」
「しかし、その地味な作業を
続けていったら、その先に
どういう景色が見えてくるのかが
見えてなきゃいけない」
そして、まったくその逆に、
「最も
うまくいかなかったとき、
どんな被害があるの?」
これについても、考えておく必要がある。
「こっちのほうは、
イメージできなくてもいい。
なにが失われるのか、
どれくらい損失があるのか、
痛手があるとしたら
それは回復可能な傷なのか、
おもしろくもない数字や、
ことばで、確認しておく」
「失敗は、
ありえないことではないけれど、
あったときに驚いて
頭のなかがまっ白にならないこと。
これだけは
気をつけておく必要があるのだ」
「失敗しても、この程度」
この覚悟があれば、
「失敗について、いったん
忘れていることができる」
「最高にうまくいったときのイメージ」
それが、
「浮かんでないというときには、
その企画は、
進めてはいけないのだとも思う」
「最低でも、そのことに
関わった人たちの笑顔くらいは、
盛大にイメージできていなくては
いけない」
「苦虫を噛みつぶしたような会議で、
消去法で出した結論で
『これは決定です』
というようなプランでは、
まだ始めてはいけないのだと、
ぼくには思える」
「同時に、失敗が冷静に
見積もれないままで、
いくらでも怖い想像が
湧いてくるようなときにも、
進めるのをいったん
休止するほうがいい」
「始める前に、
拍手の音が聞えている状態が、
いいスタートだ」
イオンスタイル碑文谷も、
第一屋製パンの第76期も、
そして甲子園球児たちも、
最高にうまくいったときを、
イメージしておきたいし、
最もうまくいかなかったときを、
数字と言葉で確認しておきたい。
つまりは、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
そして、
最高のイメージを、
全員で共有する。
お客さんの喜ぶ顔。
働く人の楽しそうな顔。
株主の人たちのうれしそうな顔。
イメージする。
それがビジネスや仕事の醍醐味だ。
〈結城義晴〉