猫の目で見る博物誌――。
猫の目は季節を感じる。
桜、桜、花吹雪。
今こそ、桜です。
サクラは、
バラ科モモ亜科スモモ属、
その落葉樹の総称。
英語でCherry blossomが、
桜の花。
花のことはsakuraと、
そのまんまでも呼ばれる。
桜の実の英語は、cherry。
日本ではサクランボまたは桜桃(おうとう)。
こちらはミザクラ(実桜)の果実で、
バラ科サクラ属サクラ亜属。
だから桜の花はスモモ属、
桜の実はサクラ属。
サクラも菜の花と同じで、
「自家不和合性」の植物。
そのため種の間に、
交雑(異種交配)が生じ、
多数の品種や変種が存在する。
サクラは日本でも、
固有種・交配種を含めて、
600種以上の品種がある。
突然変異も多い。
春に白色や淡紅色、
あるいは濃紅色の花を咲かせる。
だから「桜色」という言葉もある。
ソメイヨシノ(染井吉野)は、
江戸末期に出現して、明治以降、
日本中に最も多く植えられた。
ソメイヨシノの学名は、
Cerasus × yedoensis (Matsum.)
A.V.Vassil. ‘Somei-yoshino’。
エドヒガンとオオシマザクラの雑種が、
交雑して生まれたものの中から、
特徴のある特定の一本を選び抜いて、
接ぎ木で増やしていったクローンである。
つまり特殊な花。
それが日本中で、
人々の目を楽しませている。
桜といえば吉野。
吉野の桜だから、
ソメイヨシノと思うかもしれないが、
それは違う。
シロヤマザクラが主体。
桜に関しては、
いろいろなエピソードがあって、
書ききれないほど。
だから、四の五の言わず、
楽しみましょう。
今日は雨の桜。
散り始めた。
そして卯月の「いさぎよき人生」
椀物に桜。
エンドウ。
刺身。
桜があしらわれている。
そして直径30センチの見事な器。
桜鯛。
桜づくしもサクラの楽しみ方。
サクラには縁があります。
「ジジの気分」では、
なんどもなんども、
サクラを楽しんだ。
それが生きていたときの思い出。
「いさぎよき人生」、
いや「猫生」でした。
ありがとう。
サクラよ。
(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)