月刊商人舎4月号。
実は昨日発刊!!
【特集】
商品ロス管理×Sustainability
ロス退治・機会損失の戦略と社会ロスのオセロ現象
[Cover Message]
「商品ロス退治」――倉本長治の時代から、渥美俊一の時代、そして現在を通して、この問題は小売流通業の変わらぬ大命題である。なぜならば、その商品ロスが削減されれば、その分が直接、オセロのように営業利益に転換されるからだ。つまり「利益管理」の面で、「商品ロス」はいつの時代にも現場の大テーマなのである。ただし、廃棄や値下げ・見切り、万引きなどのロス管理は第1フェーズであって、第2フェーズは「機会ロス」の最小化である。そしてこの第1と第2を組織的にエンジニアリングするマネジメントこそ、すべての企業に求められる必須の戦略となる。しかしそのうえで第3フェーズが生まれてくる。それは「社会的ロス」である。つまり「マーケティング3.0」と同次元のサスティナビリティであり、トレーサビリティである。アメリカにおける「フードバンク」の大きな存在であり、日本の「セカンドハーベスト・ジャパン」の活動である。そしてこの第3フェーズに真剣に取り組むところから、第1フェーズと第2フェーズに、またオセロのようにご利益(りやく)がもたらされるのである。
[Message of April]
もったいない、ありがたい。
「商品廃棄ロス」――
オセロ現象とパラドックス
結城義晴
鈴木哲男の決定版
最新ロス・エンジニアリング論
第1部 考え方編
―なぜ、今さら商品ロス管理なのか
第2部 事実・分析編
―「作」の課題・「演」の課題・「調」の課題
第3部 提案・行動編
―商品ロスを減らすための行動
[Tide of Time in USA]
サスティナブル社会の小売業経営
ウォルマートとホールフーズに学ぶ
第1部 善きサマリア人の「フードバンク」
第2部 米国小売業のサスティナブル戦略
[Tide of Time in Japan]
食の安全追究と
環境負荷・商品廃棄低減の最前線
日本の「食品ロス」問題解決に向けて
日本スーパーマーケット協会に聞く
[合同会社西友/㈱フレスタ]
[Special Report]
セカンドハーベスト・ジャパンの15年
フードバンク誕生から
社会インフラ構築までの
プロセスを追う
・・・・・・・・・・・
ご愛読ください。
ありがとうございます。
さて一昨日から大阪。
そして昨日は、
万代知識商人大学第2期。
第2回講座。
まず、先月のレポート執筆の中から、
小山恵史さんが発表。
とつとつと話してくれた。
そのあとで、今日の講義。
Logical Thinkingがテーマ。
私はその前提の思考法について、
演繹法と帰納法、そして弁証法の講義。
みんな真剣に聞いてくれた。
そして本編の講義は、
万代の社員が講師となる。
人事部マネジャー津田睦さん。
スライドを使って、
2時間の講義。
実によかった。
企業内大学は、
社内の講師が教授するのがいい。
ロジカル・シンキングの考え方と、
実践法を座学したら、
午後から、実践編。
32人が6つのチームに分かれて、
課題をディスカッションする。
事務局から二つの課題を与えた。
それを問題解決するために、
事実やアイデアをカードに書き出す。
それを分類整理して、
ロジックツリーをつくっていく。
事務局が指導に入ることもある。
1時間以上を与えて、
最後は模造紙に、
ロジックツリーをまとめる。
そして第1班が発表。
しかし、そう簡単に、
ロジックツリーは完成しない。
そこで結城義晴学長の登場。
Logical Thinkingの、
間違いやすい落とし穴を指摘。
もう一度、最初からやり直し。
じっくり考えなおし、討論し直して、
最後の発表。
必死のプレゼンテーション。
だんだん、形になってきた。
この2班のロジックツリーは、
ずいぶんと良かった。
しかし、それでも問題解決の思考法は、
極めて難しいスキルだ。
最後に1時間10分、
総括講義と来月の予習講義。
第2期の今期は、
一方的な講義を少なくして、
実践を増やす。
それでも最後は、
モノの考え方を整理する。
すぐ役立つことは、
すぐ役立たなくなる。
一つの完成された理論や手法、
セオリーやメソッドは、
それを学ばねばならない。
そして学んだことを、
シミュレーションする。
そして実践する。
知識がなければ知恵は出ない。
その意味で知識と知恵は、
一体化されたものである。
知識が役立たないもので、
知恵が役立つものなどというのは、
もう、無知蒙昧。
「暗黙知」と「形式知」の考え方がある。
暗黙知は、もともと、
マイケル・ポランニーの提唱した概念。
ハンガリーの哲学者。
野中郁次郎先生が、
これと「形式知」を結び付けて、
ナレッジマネジメントの理論を確立した。
その暗黙知は、
「主観的で言語化ができない知識」、
経験や勘に基づく知識のこと。
一方の形式知は、
「言語化して説明が可能な知識」、
例えば文章・図表・数式などによって、
表現し、説明できる知識を指す。
野中先生はSECIモデルを作り出して、
暗黙知と形式知のスパイラルを生み出す、
ナレッジ・マネジメントの理論を構築した。
いずれにしても、
知識を貶め、知恵だけを強調するのは、
悪い意味での職人的な人間の姿勢だ。
ロジカル・シンキングの講義は、
それとはまったく、
次元の異なる内容となった。
もちろん、まだまだです。
最後に加藤徹理事長の講話。
(株)万代代表取締役会長。
加藤さんは「花見」の話をしてくれた。
「花見ではみんな花を見る。
しかし花には、葉がある。
枝があり、幹があり、根がある。
そしてその根を支える土がある。
一番大事なのは土である。
今日習ったのは『土』の部分のことだ。
そのおおもとは『考える』こと。
自分で考えること。
そして考えたことを実行する。
自分で動ける人になる。
それが万代が求める人財である」
素晴らしい。
最後に加藤理事長、
阿部秀行社長、黒田智監査役と写真。
ありがとうございました。
来月の講義は、
1泊2日の合宿方式です。
さて最後に、
昨日と今日のDaily商人舎ニュース。
ずらりと本決算の分析が並ぶ。
ユニーファミマニュース|
統合後売上高8950億円・増収増益で「何とか乗り切った」
イズミニュース|
増収増益、経常利益率5%の優良成績
フジニュース|
営業収益3173億▲0.6%・経常利益83億4.8%増
Jフロントニュース|
売上高1兆1085億円4.7%減、営業利益も7.2%減
ユナイテッドニュース|
営業収益3.2%増の6848億円で増収増益
アークスニュース|
売上高5126億円+2.1%、営業利益+2.9%で最高益更新
エコスニュース|
2月決算は減収減益も純利益は1.4%増で健闘
ベルクニュース|
既存店売上高103.2%で増収増益・経常利益率4.9%
東武ストアニュース|
839億円0.9%増も店舗の多額減損処理で減益
DCMニュース|
HC首位企業はM&A効果で年商4433億円の増収増益
ケーヨーニュース|
2月期決算売上高1469億円と減収も利益改善進む
コーナンニュース|
HC4位企業は年商3048億円で経常利益13%増
スギニュース|
年商4308億円・経常利益率5.6%の7つの政策
ビックカメラニュース|
コジマ第2四半期は営業利益36.7%の大幅増益
それ以外は商品と出店、人事のニュース。
イオンニュース|
トップバリュ商品とNBを合計254品目値下げ
イオンニュース|
トップバリュに衣料新機能素材「マルチファイン」
ローソンニュース|
GINZA SIXにツーリストサービスセンター開設
マツキヨニュース|
タカシマヤタイムズスクエア内免税店にFC出店
ブックオフニュース|
堀内康隆取締役が赤字回復目指して社長昇格
よりどりで選択して読んでください。
これらも「形式知」のひとつです。
「暗黙知」ももちろん、
言わずもがなの重要なものです。
しかし――
すぐ役立つことは、
すぐ役立たなくなる。
これは恐ろしいほどの真理です。
〈結城義晴〉