今日はプレミアムフライデー。
明日からゴールデンウィーク。
横浜・伊勢佐木町商店街、
このこいのぼりの隊列。
プレミアムフライデーにも関わらず、
私たち商人舎一同は、
月刊商人舎5月号編集業務で、
夜中まで。
その合間に、今日届いた雑誌を見る。
AJSネットワーク319号。
2017年5月号。
私の連載は113回。
「スーパーマーケット応援団長の辛口時評」
今回のタイトルは、
“No Lines, No Checkout”
もう一つは、
「明治Marketing Review」
こちらは連載第37回。
「小売業のSuper Marketing」
今回のタイトルは、
「商品情報プラットフォームの
世界へようこそ!」
イラストが素晴らしい。
手に入る皆さんは、
ご愛読ください。
さて、日経新聞『私の履歴書』
今月は大橋洋治さん、
ANAホールディングス相談役。
今日は第27回目で、
タイトルは、
「ピーチ誕生」
1940年に中国東北部ジャムス生まれ。
慶應義塾大学法学部卒業後、
全日本空輸(株)入社。
人事部から航務本部、営業本部、
整備本部を経て、1993年取締役。
1994年6月 取締役成田空港支店長
ニューヨーク支店長、常務取締役、
代表取締役副社長のあと、
2001年4月、代表取締役社長、
2005年4月、代表取締役会長。
2013年、ANAホールディングス会長、
2015年、同相談役。
この間、ロッキード事件に巻き込まれ、
ライバルJALとの競争の後、
そのJALの破綻と稲盛和夫氏による再建。
山あり谷ありの人生。
日本経済団体連合会副会長や、
セブン銀行非常勤取締役にも就任。
その大橋さんが、
LCCに取り組む。
Low-cost carrier、
すなわち格安航空会社。
1977年、レイカー航空が、
「スカイトレイン」のブランド名で、
大西洋横断路線に参入。
価格は従来型の3分の1で、
それでも初年度は黒字決算。
ここから始まったLCCは、
メジャー航空会社を含めて、
参集と倒産が繰り返された。
ANAに関しては、2011年5月、
「ピーチ・アビエーション」が誕生した。
ファーストクラスからビジネスクラス、
エコノミークラスまで、
全ての座席を提供するのが、
フル・サービス・キャリア(FSC)。
FSCこそ、
「航空会社の使命であり、王道だ」
だから、
「ANAがLCCをやってはいけない」
こんな声が根強かった。
大橋さんは、
世界の航空業界の趨勢を見ていた。
「LCCの流れはもはや、
止めようがなかった」
例えば、米国サウスウエスト、
アイルランド国籍ライアンエアー。
「元気な航空会社は皆、LCCだ」
「ぐずぐずしていては、
この流れに乗り遅れかねない」
業を煮やし、経営会議で檄を飛ばした。
「LCCに負けるようなANAなら、
のみ込まれてしまえっ」
結果、最終的に、社内は一致。
「LCCをやらなければならない」
ただし「FSCの子会社路線ではなく、
自立したLCCとして、
独自の発想でやらせる」
二の矢として2013年、
「バニラ・エア」を買収。
大橋さんがLCC戦略に固執した理由。
成長著しい「アジアの空」の将来を、
見据えていたから。
どんな産業でも、
世界の情勢、アジアの動向を、
見ておく必要がある。
「『飛行機のバス化』を俯瞰すれば、
FSCの事業形態だけでは、
多様化するお客様のニーズに
十分応じることができなくなる」
「ANAが手を出さなくても、
いずれは外資のLCCが参入してくる」
現代の小売業のディスカウント戦略と、
実によく似ている。
まず「安かろう、悪かろう」ではいけない。
「基本中の基本である安全を確保した上で、
LCCによって『手軽な空の旅』を
提供する時代に世の中は入った」
安くて良い。
安くてきれい。
安くて親切。
ウォルマートもターゲットも、
アルディもウィンコも。
アメリカのディスカウント小売業は、
基本中の基本を確保して、
「手軽な買物」を提供する時代だ。
大橋さんの今後の戦略は、
「FSCとLCCを組み合わせることで、
お年寄りから子供まで全てのお客様に
ご満足いただけるサービスを
提供していきたいと思っている」
マルチ・フォーマット戦略で、
客層を広げ、シェアを高めていく。
もちろんこれは、
マーケットリーダーの作戦だが、
実に小売業やサービス業と似ている。
大橋洋治さんの檄が印象的だ。
「LCCに負けるようなら、
飲み込まれてしまえっ」
その大橋さんのあげる、
指導者の資質。
中国・明朝末期の儒者・呂新吾の著書、
「呻吟(しんぎん)語」から。
三つの資質がある。
第1は「深沈(しんちん)厚重」
どっしりと落ち着いていて深みのある人。
第2は「磊落(らいらく)豪雄」
細事に拘らない豪放な人。
第3は「聡明(そうめい)才弁」
頭が切れて弁の立つ人。
リーダーにはどの資質が一番か。
「一見すると3番目が良いようだが、
実は1番目が最善の資質とされている」
さて檄を飛ばす大橋さんは、
どれなのだろうか。
そしてあなたは?
私は?
最後に今日の、
Daily商人舎。
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「深沈厚重」
「磊落豪雄」
「聡明才弁」
一番醜いのが、
三番目あたりを偽る輩。
自分らしいのが、
一番いいと、私は思う。
〈結城義晴〉