「カ・カタ・カタチ」の福音を聴け。
[今月のメッセージ]
「カ・カタ・カタチ」論。
建築家・菊竹清訓の持論。
IEの巨人・城功の考え方。
「カ」は最も根源的なもの。
経営理念や社会的使命、
わが社のビジョンやコンセプト。
「カタ」は「カ」を実現する手段・方法。
たとえばわが社らしい技術、仕組み、
特有の組織とヒューマンリソース。
そして「カタチ」はできあがった成果物。
たとえば完成された商品、売場、
たとえば旗艦店舗、フォーマット。
しかしカタチの真似ばかりが横行する。
優良店を訪れても写真ばかり撮りたがる。
カタチの真似しかできないからだ。
本来、カタがなければカタチはできないし、
カがなければ、カタもカタチもない。
そしてカは独自のものでなければならない。
カタは「学ぶ」ことができる。
それを学ぶ時には「真似る」から始まる。
カタを学ぶには時間がかかる、根気もいる。
しかしそれを十分に学び取ったうえで、
今度は「カタ破り」をする。
それがイノベーションだ。
カタを顧みずに新しさだけを求め、
あるいは思いつきに走るならば、
それは「カタ無し」になる。
旗艦店にはカタチがあるし、カタがある。
そしてもともとカが備わっている。
カ・カタ・カタチの象徴が旗艦店である。
だから旗艦店改造のときには、
カタチをつくり、カタとカを確認する。
カから発してカタとカタチを生み出す。
仕事の改革手順はカ・カタ・カタチである。
フラッグシップのリモデリングも、
「カ・カタ・カタチ」でなければならない。
〈結城義晴〉
カ・カタ・カタチ。
役に立つ考え方だ。
今日も大阪。
日曜から大阪だから、
すでに5日目になる。
ちょっとした海外旅行気分。
「万代改善チャレンジグループ発表会」
今日、ここで開かれる。
各店舗の部門別従業員たちが、
半年間、業務改善にチャレンジする。
その実績を発表し、競い合う。
会場には1100名ほどが参集。
経営トップ、店舗運営、商品部、店長から、
若手社員、パートタイマーまで勢ぞろい。
今年入社した270名も全員参加。
広い会場は熱気に包まれた。
私も万代の役員席で、観戦。
発表は6部門7エリアの、
42店舗の代表者たち。
部門は農産、畜産、水産、惣菜、
そしてDDG、フロントエンド。
(DDGはデイリー・ドライグロサリー)
まず下岡太市副社長が開会宣言。
第10回を迎えて、
大きな成果が上がっている。
初めに畜産部門から。
その畜産部長の石川慎也さんが、
畜産部の趣旨を説明。
石川さんは知識商人大学1期生。
そして予選を勝ち抜いたチームごとに、
店長と発表者が3~4人で登壇し、
改善の成果を発表する。
1チーム10分。
詳細なデータを示しながら
それぞれが工夫を凝らして、
プレゼンテーションする。
その内容が、実にオーソドックス。
利重まりさんは、
フロントエンドの趣旨説明。
フロントエンド部シニアマネジャー。
このセクションは、泣ける、笑える演技。
惣菜部の説明は、
部長の入江正徳さん。
知識商人大学2期生。
水産部門は取締役の吉川英樹さん。
発表が進むにつれて、
熱を帯びてくる。
昼食をはさんで、
全員で体操。
そして農産部門は部長の堀越時宗さん。
これまた知識商人大学1期生。
そして7チームのプレゼンテーション。
最後にDDG部門は、
部長の中筋浩二さん。
プレゼンテーションは、
寝屋川宇谷店チーム。
泉中央店チームの綿密なスケジュールと、
すごいイノベーション。
朝9時15分から昼食休憩をはさんで
42チームの発表が終わったのは、
午後6時。
会場にいる全員が審査員となって、
部門別に1票ずつを投じる。
それを店舗運営部スタッフが、
すぐに集計する。
そしてとうとう最後、
部門別最優秀賞。
これは1チームずつ発表される。
畜産は枚方高野道店、
フロントエンドは紀寺店、
惣菜は高槻緑町店、
水産は花園店、
農産は大和田店、
そしてDDGは寝屋川宇谷店。
私も指名されて、
特別に祝辞。
「Japan as Number1」
1979年、エズラ・ヴォ―ゲルが言った。
そのころからトヨタのカイゼンが、
世界を席巻した。
日本の小売業でも、
改善と小集団活動のQCは、
盛んになった。
しかしそれは立ち消えていった。
万代は10年ほど前から、
改善チャレンジを展開し、
成果を挙げている。
その理由は何か。
最後に阿部社長のあいさつ。
思いを一つにして、
同じ方向を向いて仕事をしよう。
「仕事は楽しいものだ。
ともに頑張ろう」
祝福とエールを贈った。
今日1日、先輩たちの改善を、
じっくり聞いていた新入社員たちへの、
社長からのメッセージでもあった。
表彰された21チームの、
うれしい記念撮影。心から、おめでとう。
総責任者の下岡さん、
お疲れさまでした。
万代らしい、簡素で、
率直な発表会だった。
深い感銘を受けた。
新大阪駅まで見送ってくださったのは、
加藤徹会長。
車中では万代らしさについて、
語り合った。
こういった改善や改革の発表会は、
会社ごとにやるべきものだ。
なぜなら会社特有の使命や戦略、
そしてそこから生まれる政策や戦術と、
現場の改善・改革とは、互いに、
深く関係していなければならないからだ。
つまり「カ・カタ・カタチ」が、
なければならないからだ。
最後に、今日の、
商人舎流通Supernews。
ヤオコーニュース|
28年連続増収増益で3431億円・首都圏1都6県に154店
エイチ・ツー・オーニュース|
売上高9012億円・1.6%減も純利益は3期連続過去最高
マツキヨニュース|
売上高5351億円0.2%減/営業利益・経常利益は過去最高
サンドラッグニュース|
65店出店・98店改装で年商5284億円の増収増益
ココカラファインニュース|
売上高3772億円・経常利益▲7.1%で増収減益/1304店
AOKIニュース|
連結売上高1940億円で増収減益/ブライダル・カフェへ
丸井グループニュース|
2370億円・3.6%減収も営業利益8期連続増益
セブン&アイニュース|
そごう神戸店と西武高槻店をH2Oリテイリングに譲渡
高島屋ニュース|
第10回「大学は美味しい!!」フェア、新宿高島屋で開催
イオンニュース|
「幸せの黄色いレシートキャンペーン」で東北3県に寄付
セブン&アイニュース|
5/15より夏ギフト予約受付開始
ドンキニュース|
7層5522㎡「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」がオープン
ハードオフニュース|
既存店売上高97.4%、販管費5.3%増で増収減益
ニトリニュース|
株主総会で取締役選任、5月21日以降の新体制発表
ヤオコーが28年連続増収増益。
そのヤオコーにも、
業務改善の発表会がある。
「感動と笑顔の祭典」と名付けられている。
これもカ・カタ・カタチだ。
カタがなければ、
カタチはできない。
カがなければ、
カタもカタチもない。
このカとカタは、
他人任せにしてはならない。
〈結城義晴〉