ベトナムのグエン・スアン・フック首相。
環太平洋経済連携協定(TPP)に対して、
「実現に協力する」
日経新聞が報じた。
日本と連携してくれて、
関係国との調整を進める。
TPPに対するフック首相の見解。
「アジア太平洋地域の経済を結びつけ、
相互に発展する意味で極めて重要だ」
明日4日、日本を訪問して、
安倍晋三首相と会談する。
ドナルド-トランプ大統領が、
不参加を表明したため、
頓挫しかねない状況に追い込まれたが、
米国抜きの「TPP11」には追い風となる。
ベトナムは、いい国だ。
しかし、昨日の夜、11時過ぎに、
ホーチミン市に着いて、
汚い話で恐縮だが、
鼻水が止まらない。
ペットボトルの水で、
鼻うがいを繰り返す。
それで何とかしのいでいる。
ベトナムは経済発展に伴って、
大気汚染が深刻化している。
街の中では、
まるでバッタの群れのように、
バイクの大群が走り回る。
その排気ガスと粉塵が、
空気の中に混じっている。
首都ハノイでは今日、
トヨタモーター・ベトナムが、
ハイブリッド車のイベントを開いた。
大好評。
ハノイの大気汚染物質PM2.5。
1日当たり平均濃度で、
世界保健機関の環境基準を超える日が、
今年の3カ月間に78日もあった。
世界基準の10倍の日すらあった。
そんな日に、トランプ大統領。
「パリ協定」離脱を表明。
自然保護団体シエラクラブ。
「歴代大統領の行動の中で、
最も愚かで危険なものの一つ」
私もそう思う。
アメリカ東海岸のニューヨーク州、
西海岸のワシントン州、
そして南カリフォルニア州の3知事が、
厳しく批判した。
そして「パリ協定」支持連合結成の
意向表示。
当然のことだ。
電気自動車製造業テスラのマスクCEO。
「気候変動は現実のものだ。
協定離脱は米国や世界にとって
良くないことだ」
そしてトランプの政策助言会議委員を、
辞任すると表明。
ゴールドマン・サックス、
ブランクファインCEO。
「世界のリーダーとしての
米国の地位を後退させる」
ゼネラル・エレクトリック、
ジェフ・イメルトCEO。
「政府に頼らず、産業界が、
温暖化対策をリードしないといけない」
日本でも大手新聞各紙が、
揃ってトランプを批判し、皮肉った。
21世紀に入ったわが人類の歴史。
ドナルド・トランプが、
20世紀に引き戻そうとしている。
ああ。
さてホーチミン市で夜が明けた。
私は月刊商人舎6月号の、
最後の原稿をこちらに持ち込んで、
早朝から仕上げの執筆と推敲。
実にいい原稿が書けた。
大満足。
期待してください。
さて、ブルーチップ㈱の、
ベトナム視察ツアー。
ホテルはニューワールドホテルサイゴン。
ホーチミン中心部の、
一番古い五つ星ホテル。
3日間、世話になる。
朝、専用バスで、
郊外へ向かう。
無規則に見えて、車もバイクも、
彼らなりのルールで整然と走る。
小学高学年くらいの子が、
大きなパラソルをもって、
何かの宣伝。
中産階級が、
爆発的に増えている一方で、
貧富の格差も激しい。
そして40分ほど走ると、
見えてきました。
AEONの文字。
イオンモールビンタン店。
ホーチミン市3号店で、
2017年4月19日にオープンしたばかり。
来店客はひと月で
200万人を超える。
シネコンが併設されていて、
大人気のドラえもん映画の最新版が、
日本と同時に封切られていた。
入口に設けられた寿司売場。
中島水産とイオンの共同運営。
ホーチミン市1号店は、タンフー店。
この店で最初に寿司を販売。
高所得者向けのご馳走だった寿司が、
一気に、庶民の食べ物になった。
イオンがベトナムに、
寿司ブームを起こした。
イオンベーカリーも好調だ。
そしてイートインコーナー。
明るくて開放的。
たくさんの顧客が席に着いていた。
売場のトップは青果コーナー。
このボリューム陳列。
リンゴもアメリカ並みのボリューム感だ。
富士りんごには、
ネットをかけて付加価値を表現する。
ベトナムのおいしいカットフルーツ。
バナナはホールフーズのように、
吊り下げ陳列。
鮮魚部門はコーナーに設置。
氷を敷き詰めて丸魚を並べる。
精肉は対面売場と多段ケース。
奥主通路も広くて長い。
日本の店とそん色ない。
即席ラーメンの島陳列。
プレゼンテーションの専門家、
鈴木國朗先生も褒めるほど。
売場にはたくさんのマネキンさん。
オレオを試食販売する女性。
それからトップバリュを集めたコーナー。
メイドインジャパンの品質を打ち出す。
酒売場のプレゼンテーションも、
なかなかいい。
円形の什器が効果的だ。
そしてサッポロビールのマネキン女性。
デイリー部門には豆腐コーナー。
ブルーチップ(株)のドラえもん豆腐が、
フェースを広くとって販売される。
1丁1万3000ドン、約65円で、
大人気だ。
ベトナムで一番有名なのがドラえもん。
安倍晋三首相よりも、
スマップよりも、
ドラえもんが人気を博す。
そのキャラクターを使った商品だ。
2階はソフトグッズ部門。
丁寧なマネキンのプレゼンテーション。
3階はハードラインとキッズ。
キッズ・リパブリックのコーナー。
そしてドラえもんのアーケード。
ドラえもんのぬいぐるみ売場。
子供服売場のマネキンは、
ドラえもんのぬいぐるみを抱いていた。
ブルーチップは、
このビンタンモールに、
ドラえもん豆腐ファクトリーを出店。
ベトナムで6店舗を展開する。
イオンモールには3店舗出店して大人気。
ドラえもん豆腐ショップの女性たち。
日本人がたくさん押しかけて、
こちらも笑顔。
全員でドラえもんパネルの前で、
記念写真。
視察を終えて、
モールの会議室に移動して、
セミナー。
司会は、松浦克幸さん。
ビーコミュニケーションズグループ社長室長。
もとブルーチップ常務で、
宮本社長の相棒。
我々のために、
イオンベトナムの佐伯直久さんが、
べトナㇺ事情やイオンの取り組みを、
丁寧にレクチャーしてくれた。
シニアゼネラルマネジャー。
ベトナム小売業は年率2ケタの伸びで、
10兆円規模。
日本が100兆円と言われるから、
10分の1ほどだが、
中産階級の飛躍的な増大で、
ますます成長が見込まれる市場だ。
私も30分ほどの講義。
後進の先進性と都市集中化現象、
その中でイオンの戦略はどうなのか。
一人当たりGDPと業態発展の関係性。
短く分析して整理した。
質問もたくさん出た。
それに佐伯さんと私が答えた。
よいセミナーだった。
さらに現地スタッフの女性と三人で写真。
LE THI MY THANEさん。
ベトナムの女性たちはみんな、
笑顔が素朴で、かわいい。
良い店、良い商品、いいセミナーだった。
タイのセントラルが展開する、
ハイパーマーケット。
ベトナムは現在、
1人当たりGDPが2000ドルくらい。
ホーチミンは3000ドルから4000ドル。
そんな時代には、
ハイパーマーケットが伸びる。
鮮魚売場は一番奥。
こちらはディスカウントを、
前面に出して競争する。
その分、品質や鮮度、安全性では、
イオンが群を抜くことになる。
ビッグCのテナントスペース にも
ドラえもん豆腐ショップがある。
スタッフの女性たちに囲まれての笑顔。
このあと、ベトナムのメインイベント。
豆腐ファクトリー視察と、
新工場完成記念パーティ。
それは明日のブログへつづく。
〈結城義晴〉