つまり昼が長い。
それでも私は、
「枕の頼りなく」などといった感じはない。
熟睡、爆睡。
起きたら枕は、
床に落ちていたりする。
ベトナムの旅から数えて、9日目。
疲れがピークに来ているかもしれない。
日本では様々な会合が開かれている。
昨日は全国セルコグループトップ会。
佐伯行彦理事長の白いハット。
今回も話題をさらったらしい。
この模様は、
「流通SuperNews」で速報。
セルコニュース|
創立55周年、全国セルコグループトップ会開催
そして今日は、
AJS第55回定時総会。
オール日本スーパーマーケット協会。
第55回ということは、
AJS創設55周年を意味する。
まことにめでたいし、
懐かしい。
私は20周年の前後くらいから、
この総会にはずっと出席してきた。
本来ならば当然、
55周年総会には参加する。
今年はこんな状況で、失礼した。
11月14日~16日に、
沖縄で記念大会が催される。
すでに1000名参加が決まっている。
今日の55回定時総会では
役員改選が行われた。
田尻一会長と荒井伸也名誉会長が再選。
松本光雄専務理事から、
前田伸司常務理事への交代が決まった。
田尻会長は今日、サミット顧問を退任し、
AJS会長職とコプロ(株)代表取締役社長に、
専念することになった。
AJSも新たな体制で、船出した。
その後、夕食懇親会。
中央で杯を上げているのは
㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん。
私は今、ヨーロッパ。
参加できずに残念。
サミットの新旧のお二人。
元サミット社長・会長の荒井伸也さんと、
現サミット社長の竹野浩樹さん。
左は荒井夫人恭子さん。
こちらも新旧の二人。
田尻一AJS会長・前サミット社長と、
服部哲也取締役常務執行役員。
服部さんは間もなく、
専務取締役に就任する。
最後は、松本光雄前専務理事を囲んで、
AJS事務局の皆さん。
松本さん、8年間の専務理事、
本当にお疲れさまでした、
そしてありがとうございました。
といったところで話は、
フランクフルトに戻る。
万代ドライデイリー会の欧州研修。
初日はアルディを訪問した。
そして二日目は朝から講義。
前田仁事務局長の朝の仕切り。
まずはヨーロッパとドイツの概要、
そしてフランクフルトの動静。
鳥の目、魚の目で見る。
みんな、長旅の疲れも見せず、
真剣に聴講してくれる。
私も熱が入る。
米国の小売業トップはウォルマートで、
総合スーパーのスーパーセンターが最強。
つまり最大級の店舗。
日本の実質的な単体企業トップは、
セブン-イレブンのコンビニで小型店。
そしてドイツはアルディやリドルが最強。
こちらも小型店のディスカウンター。
米国、ドイツ、日本、
どこが進んでいるといえるのか。
なぜドイツは小型ディスカウンターで、
日本は小型高付加価値コンビニなのか。
その違いはなぜ生まれたのか。
ヨーロッパのオーガニックはBIOという。
後半は商品問題を語って、
2時間ちょっとの講義を終えた。
講義が終わると、すぐに視察。
まず、エデカ・シティ。
エデカはドイツ最大の、
スーパーマーケットチェーン。
ただしボランタリーチェーンだから、
厳密なランキングはつけにくい。
1万1492店。
エデカ・マルクト、エデカ・センター、
マルクト・カーフ、ネットー、
そしてエデカ・シティなど、
マルチ・フォーマットを展開する。
売場にはBIOとマークの付いた商品が並ぶ。
店舗の奥には対面売場。
精肉、加工肉、チーズ、
そしてちょっとだけの惣菜。
ドイツはPBだらけの国だが、
エデカのグロサリーは比較的、
ナショナルブランドが多い。
そしてレジ担当者は座って応対する。
最も普通のスーパーマーケットを見た。
次に再びアルディ。
ご覧のリミテッドアソートメント。
そして純化したローコスト経営。
もちろんパンはこの売り方。
そして店舗中央に平ケースの非食品。
青果物の鮮度も格段にアップ。
BIOも急速に増えた。
クレート陳列で、産地直行。
産地で詰め込んで、
そのままセンター経由で店に届く。
一切手を付けずに販売して、売り切る。
ドイツの食品小売業の共通点。
全体で効率を追究し、省力化を進める。
冷凍食品は蓋のついた平ケースで販売。
これもドイツ全体の共通項。
非食品の品揃えが多くて、
それはアメリカのアルディと異なる。
アルディは補完機能ではなく、
生活のメイン機能を果たしている。
だから日本やアメリカの、
スーパーマーケットの機能を果たす。
そこで生活必需品のノンフードが、
多くなってくる。
その意味でマーケットリーダーなのだ。
ガラスケースの売場。
上段はパソコン、
下段はコーヒーメーカー。
出口にペットボトルの回収機。
これに入れると25セントが、
キャッシュバックされる。
環境対応はここまでしなければいけない。
そして徹底するのがドイツの国民性だ。
純化したローコスト経営だが、最近は、
新聞折り込みのチラシをまき始めた。
レジの前にもチラシの山。
そして出口にはこの女性のおすすめ。
アルディもリドルに追い上げられて、
プロモーションを変えてきている。
チラシ、テレビコマーシャル。
この変化はすごい。
そのアルディを変えさせているのが、
シュワルツグループのリドル。
アルディと同じ、
900㎡の小型ディスカウンター。
ボックスストアとも呼ばれる。
しかし入り口に青果をもってきて、
鮮度を強調。
しかもアルディよりも、
BIOが多い。
パンはインストアベーカリーで、
しかもシースルー。
この火かき棒のような道具を使って、
パンをサイドに取り出す。
(株)万代の阿部秀行社長が実演。
アルディよりも鮮度感とQuality感がある。
冷凍食品はアルディと同じ。
そしてそして、非食品は、
アルディを圧倒する。
アパレルも平ケースに投げ込み陳列。
しかし購買する顧客が多い。
ホワイトアスパラの瓶詰は、
アルディよりも安い99セント。
そしてパスタの量販の仕方が面白い。
三つの大きな段ボールケースで、
順に段ボールカットして売っていく。
この売り方の詳細は、
Weekly商人舎で紹介する。
奥主通路のノンフードも、
品揃えが豊富だ。
レジは実にすっきりしたデザイン。
そしてホスピタリティがある。
リドルは6月15日に、
アメリカに進出して、新店を開く。
アルディと互角に闘えるという、
自信がついた証拠だ。
それは同じ業態ボックスストアで、
アルディと異なるポジショニングを、
構築した証拠である。
すごい。
そしてネットー・マルケン・ディスカウント。
エデカグループのボックスストア。
つまりアルディ、リドルに、
もう一つ加わった小型低価格店。
店舗入り口右手に、
ベーカリーショップ。
これがなかなかいい。
アルディのパンの売り方、
リドルの革新。
さらにその上を行くショップ。
上位寡占のドイツだが、
その上位企業が革新に次ぐ革新。
ネット—は入り口に広い青果部門を配置。
斜めの什器にクレート陳列。
アルディ、リドルを圧倒する。
そして正面にパン売場。
こちらも火かき棒のようなもので、
手前に引き寄せてパンを取る。
それぞれに工夫をして、
自分らしさを出す。
冷凍食品は平ケース。
ただし品揃えは、
アルディ、リドルにかなわない。
店舗奥の壁面は、
外が見えて気分がいい。
多段ケースで乳製品を売る。
こちらもホワイトアスパラの瓶詰。
1.29ユーロで一番高い。
このアイテムに限ると、
リドル⇒アルディ⇒ネットーの順に安い。
アクションと題したエンド。
ワインはクォリティ感のある売り方。
これもアルディ、リドルとは異なる。
そして、レジのデザインも、斬新。
4年前にドイツに来た時には、
ボックスストアに関して、
アルディ、リドル、ネットーの順だった。
これははっきりしていて、
アルディが切り拓いた業態であることが、
実にはっきりしていた。
アルディを猛追しているのが、
シュワルツのリドルだった。
そしてネットーは遅れていた。
アルディがマーケットリーダー、
リドルがマーケットチャレンジャー。
そしてネットーがフォロワーだった。
いまは、それぞれに、
異なるポジショニングを築いている。
三者三様のポジショニングを確保すると、
その業態が他の業態を圧する。
アメリカのオーガニックマーケットで、
ホールフーズ、トレーダー・ジョーに、
スプラウツファーマーズマーケットが、
割って入ったような形だ。
かくて、小型ディスカウンター隆盛の、
ドイツ食品小売業である。
しかしこのあと、まだまだ、
ドイツの奥の深さを、
思い知らされることになるが、
それは明日のブログへ。
今回もドライデイリー会は、
5つの班に分かれて行動し、
それぞれに調査、研究を重ねて、
帰国後、発表する。
今夜は第2班と一緒に、食事。
場所はウェスティングランドホテルの、
和食の店。
私にとっては、ベトナム、ドイツと、
渡り歩いているのでありがたい。
日本料理はやっぱりいい。
お酒も飲んで、懇親は深まった。
自分たちのマリティムに戻っても、
勢いは止まらない。
ドイツの小売業に多くを学んだ。
その高揚感が私たちを興奮させていた。
(つづきます)
〈結城義晴〉