結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年07月13日(木曜日)

アマゾン「夏のプライムデー」の年末越えと伊藤園大陳コンテスト

日経新聞「総合欄」の記事。
「アマゾン特売 6割増収」

米国のアマゾン・ドット・コムは毎年7月、
有料会員向け特売イベントを実施する。
名づけて「プライムデー」。
7月11日。

もともとはアマゾン創業20周年企画。
2015年に始まった。
つまり今年で3回目の試み。

この7月11日の売上げが、
過去最高を更新して、
前年比6割増。

この日は、プライム会員の、
1日あたりの新規登録数でも過去最高。

ちなみに一般的な会費は年額99ドル、
または月額10.99ドル。

このニュースの重要なところは、
今回の7月11日のイベントが、
年末ホリデーシーズンのピーク日を、
凌いでしまったことだ。

11月第4木曜日が、
欧米では感謝祭である。
英語でサンクスギビングデー。

その翌金曜日がブラックフライデーで、
有店舗販売のピークの日。

そして土日を挟んで、翌月曜日が、
サイバーマンデー。

アマゾンの売上げは、
この日に1年間のピークを迎える。

ウォルマートのEコマースでも、
この日がピーク。

しかしプライムデーは、
サイバーマンデーを、
超えた。

アマゾンは、
アメリカ小売業界の慣行を、
崩しつつある。

年末だけではなく、
夏のピークをつくる。

日本ではもともと、
夏の盆商戦と冬の年末商戦。
二つの山があった。

アメリカの夏は、
バック・トゥ・スクールだけ。

そこでウォルマートはここ数年、
夏のサイバーマンデーを企画している。

アマゾンのプライムデーは、
同じ意味を持つ。

日経新聞に田中陽さんが、
「ニュースこう読む」を書いている。
「セブンとアマゾン、
組むことはあるのか」

真のジャーナリストの観察と解析、
面白い、素晴らしい。

「この1カ月の間に米国と日本で、
ネット通販と実店舗の勝ち組同士の
連携が相次いだ」

アメリカではもちろん、
アマゾンがホールフーズを買収。

日本では、
アスクルとセブン&アイの提携。
アスクルはネットの「ロハコ」を運営する。

前者は私もコメントしてきた。

後者に関して、田中さんは分析する。
「ロハコは累計利用者が300万人超と、
セブン&アイに劣るが、
月間のページビューでは、
2000万を超えている。
しかも、まとめ買いも多い。
生活提案型の商品紹介は、
価格訴求で単品買いのアマゾンとは
大きく異なる」

そして田中さんの読み。
「おそらくセブン&アイは、
ロハコの提案型手法に
魅力を感じたに違いない」

納得。

アスクルの岩田彰一郎社長の発言。
「アマゾンはすばらしいテクノロジー企業で
尊敬すべき会社だと思う。
ただ世の中がアマゾンしかない状況は
生活者にとってコンフォタブルではない」

「きちんとして選択肢を提供していく。
それをセブンさんと力を合わせて実現させたい」

そのうえで田中さんは結論を語る。

「セブンとアマゾンは
組むことはあるのか」

その回答。

「今のところはないだろうが、
このようなことは考えられる」

「それはアマゾンによるアスクルの買収だ」

アマゾンのホールフーズ買収額約1.5兆円。
アスクルの時価総額は約2000億円。
「だから可能性はゼロとは言えないだろう」

「アマゾン+アスクルそしてセブン」

「実現すれば最強のトライアングル連合が、
誕生するかもしれない」

しかし残念ながら、それは、
岩田さん自身が言っていること以上に、
「生活者にとって、
コンフォタブルではない」

さて、今日は朝から、
東京・清水橋。
(株)伊藤園本社。
IMG_2114.JPG7

恒例の大陳コンテスト最終審査会。DSCN9519.JPG7

司会は今回から伊藤泰山さん。
マーケティング本部販売促進部第五課長。DSCN9522.JPG7

6つのコースごとに、審査員がそれぞれ、
付箋を貼って優秀作品を選び、
その中から大賞と優秀賞を選考する。DSCN9524.JPG7

各コースの大賞に関しては、
良く分析し、議論を重ねて、
慎重に選ぶ。
DSCN9525.JPG6

この大陳コンテストは、
陳列技術の水準も高く、
参加企業、参加店舗数も群を抜く。

今回は4000店弱、参加店舗が増加した。DSCN9534.JPG7

だからこそ最終審査も難しい。DSCN9538.JPG7
それでも決定しました。
6つのコースの大賞と企業賞。

おめでとうございます。

最後に審査委員の記念写真。DSCN9539.JPG7

それからこれも恒例となったが、
事務局全員の記念写真。DSCN9543.JPG7

決まりました。
ご苦労様でした。
DSCN9544.JPG7

その後、江島祥仁副会長の部屋で、
抹茶をいただきつつ、熱談。 DSCN9548.JPG7
真ん中が本庄大介社長、
左が江島副会長、
後列右が本庄周介副社長、
左は松井康彦さん、
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

伊藤園大陳コンテストも、
アマゾンのプライムデーのような、
イノベーションを起こしたいものだ。

さて最後に、
日経電子版の経営者ブログ。
丹羽宇一郎さん。
伊藤忠前会長。

最近は大胆な発言が目立つ。
だから面白い。

2日の東京都議選。
「小池百合子都知事を支持する勢力が圧勝、
自民党が歴史的な大敗を喫しました」

「おごれる自民は久しからず」

しかし丹羽さんは述懐する。
「そこはかとない不安も感じています」

「民意は確かに大切です。一方で、
非常に移ろいやすいものでもあります。
その上にあぐらをかいて、
おごり高ぶっていれば
瞬く間に足をすくわれます。
都議選における自民党の敗北は好例」

「人気を得たからこそ、
謙虚になれるかどうか。
これはリーダーに求められる、
大きな資質です」

「自分の周囲には
見習うべき人がいない。
誰を信じればいいのか」――。

丹羽さんの解答。
「答えはシンプルです。
自分の周囲の人すべてが
教師のはずです」

なるほど。

「懇切丁寧に、
『ああすべきだ、こうすべきだ』と
指導してくれる人にはもはや
出会えないでしょう。
年齢を重ねる、あるいは、
社会的な立場が上がるとなおさらです。
では人々から学ぶべきことは、
何もないのか。
それは思い上がりでしょう」

「まず、人間誰しも何かしら学ぶべき点を
いつももっていると考えるべきでしょう」

「自分の周りの人は全て教師だ」

「子どもから大人まで
何か気づいたり、感じたり、
時により、状況により、
学ぶべき点は必ずあるはずです」

それすら見つからない場合。
「この人を反面教師にして
学ぼうと考えるべきです」

そうです。

丹羽さんの実感。
「不思議なもので、人は、
『この人はおかしい』
という対象を見つけると、
『自分は違う。正しいのは自分だ』
と納得し、そこで思考を止めてしまうものです」

しかしより大事なのは、
「ではこの人を反面教師として、
何を学ぶかという姿勢であり、
それこそが謙虚さではないでしょうか」

企業組織でもよく見られる現象。
「若いうちは、
あの先輩、上司はおかしい。
管理職になると、
あの役員の言うことはおかしい、
自分はそうはならないと誰しも考えます」

「しかし、そこから学ばないばかりか、
その場を穏便にやり過ごそうと
上司の意に添うような仕事を
繰り返します。
いつの間にかおかしいと思っていた上司と
同じタイプの人間に
自分もなっていくのです。
会社は不変、改革もなく、
社員もそのまま出世すれば、
傲慢経営者ができあがっていきます」

本当に丹羽さん、実感があるようだ。

「傲慢が招くのは人災です」

そして問う。
「自己過信に気づかずに
権勢を振るおうものなら、
それこそ忖度が横行し、
いずれ悲劇が訪れるでしょう」

自分の周りの人は全て教師だ。
「この人はおかしい」で思考停止せず、
反面教師として何かを学ぼう。

それこそ謙虚さであり、
真摯さだ。

最後の最後に、
今日の流通SuperNews。
商人舎編集部が全力を挙げて書いてます。

ユニクロnews|
第3四半期売上高3%増1.48兆円/営業利益24%増
イオンnews|
EPA関税撤廃で欧州産直輸入ワイン期間限定割引価格
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缶つまJAPANシリーズ第二弾「鹿島灘はまぐり酒蒸し」

今日もよりどりで、どうぞ。

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