仕事が人を磨く。
いつも、ずっと。
かならず。
どんなところでも、
どんな立場でも、
どんな役目でも。
仕事が人を磨く。
いつも、ずっと。
かならず。
いろいろな人に会って、
いろいろなことを話して、
いろいろな仕事を見る。
そして思う。
感じる、
考える。
仕事が人を磨く。
いつも、ずっと。
かならず。
「ほぼ日」の糸井重里。
巻頭の「今日のダーリン」を今日も。
糸井さん、数年前に、
ダブリンに行った。
アイルランドの首都。
そのダブリンの街の編みものの店。
女主人から何度か聞いた言葉。
「アプリシエイト」
“appreciate”には、聞き覚えがあった。
ビートルズの「ヘルプ!」
その歌詞のなかにある。
“And I do appreciate you bein’ round”
〈歌詞を、意味も考えず、
丸暗記していたのだ〉
この女主人の連発する”appreciate”
「敬して認める」というような意味だと、
糸井さんは理解した。
「ありがたく思う」とか、
「的確に認識する」とか。
〈とてもいいことばだなぁと、
そのときつくづく思った〉
同感。
〈それは、編み手さんたちの
仕事についての会話だった。
依頼主の彼女は、そのことばで、
編み手さんたちの仕事を、
表現したかったのだろう〉
そこで糸井重里は考える。
日本語に”appreciate”にあたることばは、
ないものだろうか。
〈これがなかなか見当たらないのだ〉
そしてビートルズにもどる。
“And I do appreciate you bein’ round”
その訳は、
「そばにいてくれるだけで助かるんだ」
糸井の案。
「そばにいてくれてありがたいよ」
〈それよりも、
もともとの英語のほうが
いい感じに思える〉
私も思う。
英語そのもののもつニュアンスは、
なかなか超えられない。
Help! I need somebody
Help! Not just anybody
Help! You know I need someone
Help!
Help! 誰かが必要なんだ
Help! 誰でもいいってわけじゃないんだ
Help! 誰が必要なのかはわかるだろう
Help!
When I was younger
So much younger than today
I never needed
anybody’s help in any way
僕が若かったころ、
今よりずっとずっと若かったころ、
どんなときにも誰からも
助けなんていらなかった
But now these days are gone
I’m not so self-assured
Now I find I’ve changed my mind
And opened up the doors
でも今ではそんな日々は去って、
もう僕には自分に自信がない
そこで僕は考え方を変えて、
ドアをあけることにしたんだ
Help me if you can; I’m feeling down
And I do appreciate you being ’round
Help me get my feet back on the ground
Won’t you please, please help me?
できるなら落ち込んでる僕を助けて
君がそばにいてくれたら助かるんだ
自分の足で立てるよう助けてほしい
どうか、どうか助けてほしい
サムの10ルールにも5番目に出てくる。
Appreciate everything your associates
do for the business.
「アソシエイツが成し遂げる、
仕事すべてに感謝せよ」
〈敬いの気持ちを含んだ感謝、
敬いつつの肯定、
そのあたりのことばが、
もっとあったらいいなぁと思う〉
仕事が人を磨く。
いつも、ずっと。
かならず。
どんなところでも、
どんな立場でも、
どんな役目でも。
仕事が人を磨く。
いつも、ずっと。
かならず。
〈結城義晴〉