ロイター配信のニュース。
シアーズ&アマゾン提携。
アメリカのシアーズホールディングスが、
アマゾン・コムと提携して、
「ケンモア」ブランドをアマゾンで販売。
1990年ごろまで、
シアーズは世界に君臨する王者だった。
しかしその後、Kマートと経営統合して、
今や青息吐息。
倒産寸前。
今年に入ってからも、
200店舗ほどの閉店を発表。
苦肉の策として、看板ブランドを、
アマゾンのネットで販売することにした。
これまでケンモアの家電製品は、
シアーズ、Kマート、
そしてシアーズ・ホームタウンでしか、
販売されなかった。
プライベートブランドだから、
それが当たり前。
またこの提携を機に、
ケンモアブランドのコネクテド・スマート・ガジェットを、
アマゾンのアレクサ・デジタル・アシスタントに統合。
このアマゾンとの提携発表後、
シアーズホールディングスの株価は、
1割以上も上昇して、
過去4カ月で最高値を記録。
ただし、アマゾン・マーケットプレースで、
販売すると売価競争が高まって、
販売量は増加するが、粗利益は低下する。
果たしてシアーズのアマゾンとの提携は、
その理念を貫くことになるのか。
今日は朝から、
千葉の海浜幕張駅。
右手を臨むとイオンタワー。
乗車賃100円のバスに乗って、
イオンモール幕張新都心へ。
コストコを取り囲むように、
4つのモールが集積されている。
開店の10時とともに、
グランドモールから入る。
まったくの偶然だが、
岡崎双一さんと遭遇。
イオンリテール社長。
2013年12月、
この巨大モールがオープン。
そのとき岡崎さんは、
イオンモール社長だった。
そして当時の出来栄えを、
「30点」と厳しく自己採点していた。
果たして後の70点を、
現在、埋めているのか。
エスカレーターを登って、3階へ。
今日は、
学習院マネジメントスクール。
略称GMS。
フィールドワーク講座。
故田島義博学習院院長が、
このマネジメントスクールを創設。
伝統ある学習院マネジメントスクール。
イオンとイオンモールの協力を得て、
1年に1度、モールを訪問し、
レクチャーを受けて学習する。
事務局長の林純子さんが、
最初の挨拶と講師紹介。
講師は為川恭明さん。
イオンモール㈱幕張新都心事業部の
営業マネージャー。
初めに10分ほどビデオで、
モールの全体像を紹介してくれた。
それからこの4年の間に、
変化したことを丁寧に説明してくれた。
続いて、結城義晴の短い講義。
私は学習院マネジメントスクール顧問。
ショッピングセンターの意味と定義、
その条件や分類。
最新のショッピングセンターの動向、
そしてイオンモール、イオンタウンと、
三井ららぽーとなどの概説。
その後、クリニック。
このモールの核店舗イオンスタイルは、
私が先導して店内ツアー。
フロアごと、売場ごとに、
イオンリテールの取り組みを解説する。
最後に1階の惣菜売り場を説明して、
一度、解散。
グループごとに、4つのモールを、
くまなく視察する。
イオンスタイルの隣に、
マクドナルドがオープンする。
これも大きな変化だ。
マーケットリーダーは、
全方位作戦をとらねばならない。
だとするとマクドナルドは必須だ。
モールにはゆかたのマネキン。
イオンが今年、強力に推進しているのが、
「浴衣星人」キャンペーン。
ペッパー君も顧客を迎える。
グランドモールは大人のモール。
イオンスタイル幕張新都心を核店として、
最後はイオンシネマと吉本劇場。
それから隣のペットモール。
さらにファミリーモール。
この1階にフードストアがオープン。
昨年12月に、サテライト店として、
このファミリーモールに入った。
月刊商人舎7月号で特集した。
「フード・ライフスタイル・ヒュージSC」
イオンモール幕張新都心も、
その方向にある。
隣はユニクロ。
この連携がいい。
そして上階はキッズ・リパブリック。
屋上では噴水で子供たちがはしゃぐ。
ファミリーモールの面目躍如。
そして最後の南の端に、
アクティブモール。
1階にイオンバイク。
スポーツオーソリティが核店。
ボルダリングスタジオは、
着実に人気を拡大している。
このアクティブモールの変更点は、
ダイソーの大型店を1階に入れたこと。
この店が素晴らしい。
ショッピングセンターは店揃えを、
変更し続けねばならない。
品揃えのマッサージと全く同じだ。
さらにSCは必ず、
増床・拡張計画を持たねばならない。
イオンモール幕張新都心を、
くまなく歩いて、くたくた。
遅いランチをとってから、
イオンホールで質疑応答の講義。
今度はイオンリテールから、
須郷剛さんが参加してくれて、
質問に丁寧に答えてくれた。
須郷さんは経営企画本部広報部シニアマネジャー。
ヘルス&ウェルネスに関する質問があって、
それらの細かなクエッションに対して、
イオンのビジョンやアクションを、
詳しく説明してくれた。
続いて再び為川さん。
学習院マネジメントスクールは、
今年、修了のために、
グループワークをする。
そのワークに関連した質問が、
次々に、ほぼ全員から投げかけられた。
為川さんもそれに、
丁寧に答えてくれた。
感謝したい。
最後は私のまとめの講義。
フィリップ・コトラーの企業が提供する、
4つのプロダクトを解説して、
グループワークにヒントを与えた。
それから世界のSCの潮流を概説。
岡田卓也名誉会長相談役の言葉、
「理念は変わらないが、
商売は変わる」
イオンモール幕張新都心も、
この言葉の通りだ。
最後に為川さん、須郷さんに拍手。
そして全員写真。
ありがとうございました。
ビジネススクールの面々は、
最高の研究成果をもって、
感謝の念を表明してもらいたい。
月刊商人舎2014年1月号。
特集・イオンモール幕張新都心
3年半後の月刊商人舎2017年7月号特集は、
「内食・外食」主役のHuge SC Age
丁寧に読み比べると、
岡田卓也さんの言葉が、心にしみる。
「理念は変わらないが、
商売は変わらねばならない」
それができない企業や店は、
衰えていくし、滅びていく。
果たしてシアーズ「ケンモア」の、
アマゾン・ネットでの販売は、
「理念は不変」を体現しているのか。
〈結城義晴〉