[特集]
「中計病」の処方箋
「目標による管理」と「計画・仮説・検証」のすゝめ
[Message of October]
リスクを負って計画せよ!
ヤオコー会長・川野幸夫が語る
「経常利益率4%の持続的経営力」
「戦略計画」のすゝめ
トランスフォーメーションを目指せ!!
結城義晴
[資料集]
トップ小売業の「中期計画書」
ウォルマート/イオン/
セブン&アイ・ホールディングス/
ライフコーポレーション/ヤオコー/
ニトリ/良品計画
ドラッカーが説く「目標と戦略計画」
「5つの質問」から「8つの目標」まで
第1部 知識労働企業の「目標と計画」
第2部「ドラッカーの樹」と戦略計画
[対談]
大久保恒夫×結城義晴
経営計画の三つの隘路と「仮説検証」
[特別企画]
2017年末商戦「戦略計画」
[まえがき]結城義晴
あと3カ月の「おためし」のおすゝめ
今からでも遅くない!!
2017年末「火事場の馬鹿力」活用作戦
「しっかり儲かる仕組み」をつくれ!
「年末販売計画」の「早出し・際の勝負」
購買トレンド変化分析と「お節販売」新趣向
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今月号は特集と特別企画。
二本立て。
「中計病」の処方箋は、
ぜひ熟読してみてください。
さてNew York。
イオンリテール(株)の研修会最終日。
まず、なんといっても、
ホールフーズ。
ホテルの近隣にいい店がある。
アマゾンの傘下に入っても、
彼らのスタンダードは衰えない。
Whole Foods+amazon。
オーガニックバナナは、
1ポンド99セントだったが、
それを69セントにディスカウントした。
3割引き。
ミート部門の対面コーナーでは、
いつも顧客に声をかける。
牛乳もディスカウント。
そしてセールのプレゼンテーション。
この店は全店、全部門で、
関連陳列を強化していて、
それがとてもいい。
当初、ホールフーズに、
ちょっとした戸惑いがあったが、
それも薄れてきて、
これからの飛躍を期す。
そしてウェグマンズ。
ニュージャージーの最新店。
星条旗が掲げられている。
入り口を入ると圧巻の青果売場。
何時も市場の雰囲気を崩さない。
コーンのつかみ取り。
オーガニックバナナは、
いつも1ポンド59セント。
エブリデーロープライス。
青果部門の後ろに花売場。
その右横にチーズコーナー。
右に折れてミート部門につながる。
ファミリーパックの大展開。
ステーキはいずれも厳選されたアイテム。
それからシーフードの対面販売。
生鮮からフードサービスへ。
充実しきっている。
一方、店舗左翼はグロサリー。
一番奥にノンフードのファミリーパック。
このあたり完璧なディスカウンターだ。
ウェグマンズは意外にも、
コモディティ・ディスカウントを、
大きな旗印にしている。
その象徴がコンシステントロープライス。
天井はスケルトン。
バルク売場もウェグマンズの工夫がある。
中央にTrail Mix Bar。
ファーマシーはちょっと移動した。
青果売場の真裏から、
グロサリーの中央部に。
これで、セルフサービスのグロサリーに、
対面の要素がちょっとだけ加味された。
そしてフードサービスのさらに右翼。
The Burger Bar。
ハーフポンドバーガーは、
スープ付き、サラダ付きで10ドル。
完全にシェイクシャックを模倣したが、
いい線、行っている。
フードコートは中2階を止めて、
ワンフロアにした。
建築コストが下がった。
最後にフードコートのチェックスタンド。
広い。
ウェグマンズはちょっとたるんでいた。
しかしコリーン・ウェグマンCEO誕生で、
またイノベーションに向かった。
私はそう見る。
ニュージャージーで、いい勉強をした。
ホールフーズとウェグマンズ。
もう、これでいい、というくらい。
それではダメです。
もっともっと学びます。
イーストリバープラザにやってきた。
マンハッタンの中のパワーセンター。
いつも大賑わい。
その中心にいるのは、
コストコ。
当然ながらクリスマス商材。
「早仕掛け・際の勝負・早仕舞い」
この鉄則をつくったのは、
ウォルマート&コストコである。
両者の創業者のサム・ウォルトンだし、
ソル・プライスなのだ。
ちなみに月刊商人舎10月号、
「2017年末商戦対策」の基本は、
「早仕掛け・際の勝負・早仕舞い」
ターゲット。
こちらは直近のハロウィン一色。
生鮮も少し充実させて、
都会型店舗のニーズをとっている。
入口の対角のコーナーは、
シーゾナルの非定番売場。
当然、ここにハロウィングッズ満載。
アパレルはさすがに、
ちょっとしたセンス。
赤がコーポレートカラーのターゲット。
レジのサービスは水準以上だ。
その隣にアルディ。
マンハッタンでも、
一番のハードディスカウント。
オーガニックも充実。
しかし牛乳は、1ガロン3.29ドル。
1ドル100円換算で87円。
これでも安いが、
テキサス州のフォートワースでは、
なんと1.15ドルだった。
こちらは30円。
つまり、チェーンストアといっても、
価格は一様ではないということだ
ギャップのディスカウントフォーマット。
オールドネイビー。
2009年のオープン以来、
このパワーセンターで商売を続ける。
それだけで力があると判断できる。
なにしろ家電トップのベストバイは、
早々に撤退してしまったのだから。
その代わりに入ってきたのが、
バーリントン。
TJマックス、ロスに続く、
オフプライスストア第3位。
一番成長率が高い理由は、
この整然と整理された売場づくり。
4階にはTJマックスのバナー、
マーシャルズ。
こちらは商品力をアピールする。
といってもオフプライスストアは、
自分でマーチャンダイジングをしない。
売れ残り品を集めて売場づくりする。
もちろんそこにもノウハウはある。
イーストリバープラザを後に、
予定に入れていなかった店を訪れる。
ブロードウェイのゼイバーズ。
ロシア人ゼイバー兄弟が経営する専門店。
チーズ、スモークフィッシュ、コーヒー。
がっちりと固定客をもって、
老舗の経営を貫徹する。
フェアウェイマーケット。
圧巻のボリューム陳列が特長。
このオリーブ売場。
2階にオーガニックだけの青果売場、
乳製品、加工食品、HBC、ホームウェア。
つまりは1階がアルディ、
2階がトレーダー・ジョー。
フェアウェイマーケットの本店は強い。
隣にシタレラ。
こちらもニューヨーク・デリの店。
しかし青果、鮮魚、精肉から、
乳製品、グロサリーまでを揃えて、
スーパーマーケット仕様になっている。
そして最後に、
トレーダー・ジョー。
地下1階と地下2階の2フロア。
しかし地下1階のレジには、
もう長い長い行列ができている。
地下1階が生鮮とグロサリー、
地下2階は冷凍食品、乳製品とグロサリー。
それでも顧客は全売場を、
くまなく歩いて買物する。
商品が素晴らしいと、
レイアウトのハンディも、
乗り越えることができる。
ハロウィン・デコレーション。
さて、ひと呼吸。
この後、五番街を歩いた。
イオンリテール(株)石塚幸男さんと一緒。
石塚さんは今回の団長で、
専務執行役員人事・総務本部長。
まずはセントラルパーク。
そして金色の騎士像。
五番街を散策しつつ、研修。
まずはトランプタワー。
それからギャップ。
驚くほどの精彩のなさ。
ギャップから派手さが消えた。
一方のユニクロ。
赤いバルーンで派手そのもの。
店に入ったとたん、
ユニクロの勝利を感じる。
そしてこれでもかという商品力。
カジュアル衣料では世界最高峰。
レジもこのラインナップ。
そしてユニクロ最大の強敵、
スペインのZARA。
一段とおしゃれ。
それが安い。
色使いもシック。
それでいて華やかさがある。
ギャップにもユニクロにもないものが、
ZARAにある。
つまり模倣困難性。
それがZARAのポジショニングだ。
そしてポジショニングと言えば、
ヴィクトリアズシークレット。
婦人下着の専門店。
ザ・リミテッドが停滞しきった中で、
傘下のヴィクトリアズシークレットが、
超専門性をもって、最大の存在感を示す。
マーケットニッチャーの生き方を、
このフォーマットが示している。
最後にスウェーデンのH&M。
店づくりは最新のハイテクタッチ。
商品もそこそこに安い。
ただしZARAに比べると、
ポジショニングの面で希薄なものがある。
今回も、良い比較ができた。
最後にセントパトリック大聖堂。
5時半のミサをやっていて、
パイプオルガンの音が響き渡っていた。
ロックフェラーセンター。
スケートリンクが、もうオープン。
ここに来て、アイスリンクを見ると、
年末までの時間の速さを、
嫌でも実感させられる。
最後の最後の到達点は、
タイムズスクエア。
巨大なカラービジョンが美しい。
世界一、人が多い広場。
こんなお土産物屋台も出ている。
今日は歩きに歩いた。
スマホの万歩計は、
2万0159歩を示していた。
お別れパーティは、
いつものハートランド。
マンハッタンの形そのものの、
ニューヨークカットステーキ。
スピーチは、
イオンリテール(株)の団長・副団長。
石塚幸男専務。
そして岡崎龍馬さんは、
取締役ディベロッパー事業本部長。
私の最後のスピーチは、
「イオンの役目とイオンの誇り」
そして「自ら、変われ!」
帰国してからが大事だ。
国民の生活の安全と向上に、
貢献してほしい。
(つづきます)
〈結城義晴〉