第48回衆議院議員選挙。
公示されたらもう、
メディアが予測報道をしている。
朝日新聞、日経新聞の世論調査。
朝日新聞は、
「自民党は単独過半数を大きく上回りそう」
衆議院定数が465議席だから233議席。
「希望の党は伸びておらず、
小池百合子都知事のおひざ元でも苦戦」
「立憲民主党は公示前勢力の倍増も窺う」
公示前が15議席だから30議席を超える。
日経新聞は、
「自民、公明両党で300議席に迫る勢い。
自民だけでも安定多数244議席を上回る」
こちらは自民党を朝日より評価している。
「希望の党は選挙区で苦戦し、
比例代表と合わせても、
70議席程度にとどまる」
こんな段階での世論調査は、
情勢に影響を与えるのではないかと思う。
これでは、政治家や政党を、
「ポピュリズム」と非難できない。
秋風に自業自得と思ふとき
〈朝日俳壇より 横浜市・込宮 正一〉
政治家も新聞社も、時には、
自業自得を反省すべきだろう。
人のせいにしてはいけない。
私たちは、
政策や政治家の資質を冷静に見て、
選挙権を行使したい。
選挙に行こう!
投票しよう!!
さて私はテキサス州ダラス。
平和堂のアメリカ視察研修会。
第14団。
早朝からホテルの会議室で、
セミナー。
さはやかに目覚めて軽き手足かな
〈同 八代市・ 山下しげ人〉
アメリカにやって来て9日目だが、
爽やかに目覚めて、
2時間の講義に臨む。
まず団長の佐々木裕さんがスピーチ。
滋賀大型店事業部部長。
的確な指導をしてくれた。
私の講義は、
まずウォルマートの最新情勢。
約200億ドルの自社株買いをする。
それはROEの向上に必ず貢献する。
なぜなら自社株買いをした金額分が、
マイナス項目として、
自己資本の中に記載されるからだ。
つまり自己資本純利益率の分母が減って、
純利益は変わらなくてもROEは上がる。
それから第2日目の視察企業の解説。
そして商品問題をわかりやすく説明する。
今回は41名の参加だが、
若手が入って来ていて、
平均年齢も低い。
その分、丁寧な講義となった。
講義の後は早速、今日の視察。
全米を代表するスーパーマーケット。
ダラスはそれを総まくりできるところだ。
つまり勉強にもってこいの地である。
バスの中でも私は、
ずっと講義する。
伝えねばならないことは、
この時間を使っても足りないくらいある。
団員は休む間もないが、
こんな貴重な時間はない。
全米ナンバー1の、
スーパーマーケット、
クローガー。
「フレッシュフェア」は、
都市型フォーマットで、
生鮮食品を強化している。
2階のイートインスペースで、
店長インタビュー。
真剣にメモを取る若手のメンバー。
集中して店長の解説に聞き入る。
ジェシー・フロアーズ店長は、
アルバートソン、ウィンデキシーを経て、
クローガーに入社。
この店に150人ほどの従業員がいるが、
「もちろん全員の名前を憶えている!」
この店はリニューアルされて、
店舗デザインも刷新された。
プライベートブランドの拡販の方法を、
チラシを手に取って解説してくれた。
腰には羽箒。
これで店舗のクレンリネスを、
率先垂範する。
店長と副店長を囲んで、
記念写真。
その2階から望む青果部門と惣菜部門。
右翼がデリ。
中央導入部は青果部門。
腰高什器に、果物を、
宝石のように陳列する。
オーガニック売場。
ホールフーズを超え、全米1の販売量。
寿司コーナーは、
アイテムも品揃え量も充実。
インストアベーカリーは、ショップ形式。
リニューアルして、
部門のロゴがスマートになった。
ミートとシーフードの部門も、
新しいロゴだ。
店舗左翼のコーナーも、
現代的なデザインとなった。
冷凍食品売場は、
両サイドがリーチインケース。
前菜やメイン、デザートなど
カテゴリー別に品揃えされている。
売場の各所で、
ハロウィンのプロモーション。
こちらはレジ前のスペースで、
ハロウィンプロモーション。
ナチュラリーのコーナーは、
年間に3割の伸びを示す。
無添加のフリーフロムも、
どんどん拡大している。
PB商品「Simple Truth」の品揃えも、
ますます充実。
クローガー・フレッシュフェアは、
日本のスーパーマーケットにとって、
大いに参考になる店だ。
もうひとつクローガー、
マーケットプレイス。
ウォルマート対策の非食品強化型。
高い天井の店舗で、
ひときわ目立つのが、
ロープライスのサインボード。
オーガニックの美しいプレゼン。
そのオーガニック青果部門の裏側に、
グロサリーのナチュラリー売場。
オーガニックPB「Simple Truth」が並ぶ。
これもオーガニック・ミルク売場。
丸い緑のマークは「Simple Truth」
10個10ドルのお買い得商品コーナー。
主通路でも天井から、
Simple Truthのパネル。
手の届く範囲でシンプルに。
「キッチンプレース」と名付けられた
調理器具の売場。
アパレルの売場。
以前は家具を扱っていたが、
食品との親和性が高いと見て、
ファッション売場に変えられた。
ドラッグストア部門は、
左翼の入口に設けて、
顧客の利便性を図る。
店舗右翼入口の、
ハロウィンデコレーション。
これでもかと楽しいディスプレー。
クローガーのマルチフォーマット戦略。
それを代表する2フォーマットを学んだ。
ライフスタイルセンターの核店舗は、
ホールフーズ。
店頭に掲げられた横断幕。
Amazonと経営統合して、
よりよく成長する。
入口脇の葉物パックから、
カット野菜、カットフルーツまで。
素晴らしい。
そしてカラフルな野菜コーナー。
青果部門を見るだけで、
ホールフーズの現場のモラールが、
極めて高いことが分かる。
最高レベルのチーズコーナー。
そしてオリーブ・ピクルスのセルフ売場。
これも素晴らしい。
オーガニックのアーモンドミルクは、
Amazonと組んでディスカウント。
ベーカリーとデリの売場。
午前10時過ぎだからだろうが、
客数が少ないのが気になる。
バルク売場は充実して、
コーヒーのバルク売場は、
アレグロコーヒーを中心に、
圧倒的に豊富な品揃えだ。
そしてGrocerant。
クリンリネスが行き届いていて、
すっきりと小洒落たスペース。
ホールフーズの売場管理レベルは、
依然として極めて高い。
そしてホールフーズの天敵、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
こちらは最新店。
店舗設計の思想は変わらない。
しかしサインやロゴが一新された。
以前はカントリーウェスタン調だったが、
モダーンの要素を取り入れて、
スマートなポップ調になった。
それによって、なおさら、
ホールフーズを侵食することになる。
この店舗はWeekly商人舎で、
必ず詳細に紹介する。
オーガニック御三家の最後は、
トレーダー・ジョー。
こちらもコンセプトは全然変化なし。
しかし店ごとの個性は違う。
この店は重厚なデザイン。
デモンストレーションコーナーも、
熱心に試食を薦めてくれる。
このデザインも凝っている。
細長い板に文字を書いて、
その板を並べて立ててある。
フィアレスフライヤーに掲載された商品のエンド陳列。
この売場上段のプライスカード。
芸術的で印象的なプレゼンテーションだ。
レジ前の大型エンド。
トップパネル、中央のアクセント陳列、
全体の立体陳列。
文句なしのエンドプレゼンテーションだ。
そしてレジ前のハロウィンディスプレー。
レジはずらりと揃って、
ホスピタリティにあふれている。
そしてアップスケール型の、
HEBのセントラルマーケット。
各地に高級スーパーマーケットがあるが、
HEBのようなリージョナルチェーンが、
全身全霊を込めて試みたフォーマットは、
ほかに例がない。
究極のワンウェイコントロール売場。
「氷の壁」が売り物の店だが、
氷の山も登場した。
「店内で育つ」葉物の売場。
このブドウのエンドは感動的だ。
手前がハーブ、
奥はトマト。
こちらも感動的。
バナナは、7つの熟度が示されている。
1週間分のバナナが用意されている。
そしてシーフードとミートが、
向かい合わせになった売場。
これも感動的だ。
サーモンの陳列。
皮側と腹側が交互に並べられている。
アイスクリームのトップパネルは、
内容に違いを説明している。
そしてグリーンティーのデコレーション。
最後のイートインスペースは、
街の洋食屋のイメージ。
アウトスタンディングな店は、
アップスケール型ばかりとは限らない。
ディスカウント型でも、
アップスケールはある。
その代表がアルディ。
95%がプライベートブランド。
しかし安かろう悪かろうではない。
安くて良い、安くてきれい。
それがアルディだ。
卵は12個入って59セント。
感動的な安さだ。
レジはヨーロッパ式に、
チェッカーが座って対応するが、
それでもスピードがあって、
フレンドリー。
最後はウィンコフーズ。
ディスカウントスーパーマーケット。
スーパーウェアハウスと呼ぶ。
その安さの種類が説明されている。
バリュー・オブ・ウォール。
価値ある壁。
エンド陳列をずらりと並べた売場。
価格比較のPOP。
Wal-Mart、クローガー、アルバートソン。
そしてウィンコのプライスが示され、
一番安いことをアピールする。
ウォールを抜けると青果部門。
ハロウィンの陳列。
グロサリーのゴンドラでも、
この長い陳列線で、
ハロウィングッズの大展開。
バルク売場のトップには、
バラ菓子のバルク。
これなら日本でもできる。
ミートの平冷蔵ケースでも、
価格比較POP。
そしてなんとなんと、
牛乳は1.15ドル。
1リットルで30円。
ただし2本目からは1.98ドルの掲示。
床はピカピカ。
アメリカのアップスケール型ディスカウントスーパーマーケット。
安くて、良い。
安くて、きれい。
安くて、フレンドリー。
日本はまだまだ。
ディスカウンター以外の企業は、
だから今のところ、助かっている。
長いバスの旅。
途中で全員がスピーチ。
これもとてもよかった。
平和堂第14団の研修。
絶好調です。
(つづきます)
〈結城義晴〉