ああ、神は、
最初の日に昼と夜をつくり、
次の日には、天をつくった。
三番目の日に海と地をつくり、
植物を茂らせた。
四番目の日には、
太陽と月と星をつくった。
五番目の日に、魚と鳥を、
六番目の日には、動物をつくった。
そしてこの日、自分に似せて、
男と女を創造した。
そして七番目の日に、
神は、休んだ。
それが日曜日。
畏れ多くも神は漫歩などしないだろうが、
人間の私はサンフランシスコを日曜漫歩。
それにしても北カリフォルニアの山火事。
連日の現地報道。
消火活動も展開されている。
しかしこれだけの地域が焼けた。
その影響が出た。
日航ホテル25階から市街を臨む。
北の山の上層部は、
茶色い空気に覆われている
ゴールデンゲートブリッジは快晴だが、
その背景の山の上には茶色の幕。
アルカトラズ島はくっきり。
そして平和堂研修団は元気。
しかし夕方になると、
アルカトラズの周りに霧が立ち込め、
その後ろにはやはり茶色の幕。
アルカトラズがぼんやり浮かび上がる。
木々が焼けた煙が、
ベイエリアを覆っていく。
しかし、そのために、
夕陽が大きく見える。
ベイブリッジに向かう。
車の列の上に大きな夕陽。
右手はるか遠くに金門橋、
その左にサンフランシスコ市街。
そして夕陽が沈み始めた。
トレジャーアイランドに降りて、
夕陽を鑑賞。
景観は左からベイブリッジと貨物船。
サンフランシスコの街。
そしてゴールデンゲートブリッジが、
浮かび上がる。
陽は沈み始めた。
金門橋と夕陽。
また貨物船が通る。
その貨物船がベイブリッジに抜ける。
その間に夕陽はずいぶん低くなった。
少しずつ、すこしずつ。
静かに降りていく。
そして夕陽は大きくなる。
山火事の煙の層があるからこそ、
こんなにくっきりと大きく見える。
まん丸の夕陽が沈む。
木々の陰に夕陽がかかる。
沈んでゆく。
静かだ。
サンフランシスコベイで、
壮大なドラマが展開される。
ああ、沈んでしまう。
カモメが羽を翻した。
陽は沈んでもしばらく、
サンフランシスコ湾は、
赤い空気に包まれていた。
〈結城義晴〉