昨日のニューヨーク・マンハッタン。
そのJFケネディ空港から、
東京成田国際空港へ。
そして3週間ぶりの横浜へ。
今日は、東京・小平。
第一屋製パン(株)本社。
本部長会議に参加。
現場を預かる全本部長が参集し、
忌憚なく意見を交換し、意思決定する。
その一つひとつの意見やその交流が、
マーケティングマインドに、
満ちあふれていなければならない。
夕方、今度は新横浜から、
東海道新幹線。
新大阪に着くと、
ディーン&デルーカ。
ニューヨークのソーホーに本店がある。
本店は面積も2万平方フィートで、
フルラインの大盛況。
ニューヨークデリも存分に楽しめる。
まあ、新大阪駅構内だから仕方ないが、
売り物はトートバッグだけのようだ。
イータリーもディーン&デルーカも、
原型のコンセプトを崩してはいけない。
原型の中の売れ筋ブランドだけを、
考えて持ってきても、
それほどの成果を上げはしない。
今日は急遽、マリオット都ホテル。
同じビルのあべのハルカス展望台へ。
60階、地上300mのハルカス300。
目がくらみそうな高さ。
あべのハルカス美術館では、
写楽を特集している。
3週間のアメリカでのホテル暮らしが、
まだ続いているような不思議な感覚。
日本の超一流ホテルも悪くはない。
マリオットの系列にはなっているけれど。
さて、日経新聞巻頭の「春秋」
米国政治経済学者アンソニー・ダウンズ、
その半世紀以上前の理論「ダウンズ均衡」
1957年の著『民主主義の経済理論』
「政党間のイデオロギーの差が大きいほど
有権者の投票参加が促される」
近年、ダウンズ説が妥当との研究がある。
日本の今回の総選挙にも当てはまると、
コラムニストが皮膚感覚でとらえる。
「経済分野では主要政党が
有権者に受けのいい政策を掲げるため、
目指すべき国の将来像の違いが
どうもはっきりしない」
だから、「小選挙区の投票率は、
戦後2番目に低い水準」
昨日の日経新聞社説。
タイトルは、
「安倍政権を全面承認したのではない」
帰国して、ほとんど同感の社説を読んで、
納得した。
いきなり、語る。
「この1カ月の大騒ぎは何だったのだろうか」
同感だ。
「降って湧いたような突然の衆院選は、
これまでとさほど違わない
与野党の議席配分で幕を閉じた」
そして原因を解析する。
「いちばんの責任は
民進党の前原誠司代表にある」
有権者からはすぐに、
『選挙目当て』と見透かされた。
「7月の都議選に続くブームを当て込んで
希望の党になだれ込んだ候補者は
いずれも苦戦を余儀なくされた」
小池百合子希望の党代表に対しても、
「都知事選と都議選の連勝によって、
自身の影響力を
過大評価していたのではないか」
立憲民主党に向けては、
「一過性の人気に終わるかもしれない」
そしてこの選挙をひとことで総括する。
「野党の自滅である」
最後に自民党と与党。
「野党よりはややましという
消極的な支持にすぎない」
「取って代われる受け皿さえあれば、
簡単に見限る程度の支持である」
主な世論調査を見ると、
「安倍内閣の支持率は、
選挙戦に入って再び低下した」
「不支持が支持を上回っており、
不支持の理由も引き続き
『首相の人柄が信用できない』が多い」
森友・加計学園問題なども、
「みそぎは済んだなどと
浮かれないことである」
そして忠告。
「政権返り咲きからでも間もなく5年だが、
アベノミクスひとつとっても
道半ば、7合目というばかり」
「生活がよくなった実感が
あまりないという国民が大半だろう」
日経新聞の社説。
私も同感だが、これは、
政党政治のコモディティ化を示している。
だから政党間のイデオロギー格差が、
なくなって同質化している。
共産党まで同質化。
対して欧米の新勢力は、
常識を外れたほどの格差を持つ。
市場のコモディティ化現象は、
寡占化を生み出す。
そしてそれは複占となる。
しかし政治では「安倍一強」現象となる。
ダウンズの説を小売業に当てはめると、
「価格の上限と下限の格差が大きいほど、
顧客の購買が促される」
これはコストコの価格体系に通じる。
ダイヤモンドとトイレットペーパーの、
たとえがそれをよく示す。
両極の商品を一つ屋根の下で売る。
CommodityとNon-commodityを、
見事にバランスさせた品揃えの考え方。
これを「Trading Up」という。
トレーディング・アップは、
意図的に行うことができるし、
現代の革新的な商売は、
それを実行しなければならない。
だからホールフーズも、
この方向に進むに違いない。
目がくらみそうな両極の格差。
そして日本の政治にも、
トレーディング・アップが必要だ。
〈結城義晴〉