結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年10月29日(日曜日)

[日曜漫歩]シカゴ・ブルースのBuddy Guy’s Legends

月曜日に神は、昼と夜をつくり、
火曜日には、天をつくった。

水曜日に海と地をつくり、
植物を茂らせた。
木曜日には、
太陽と月と星をつくった。

金曜日に魚と鳥を、
土曜日にの日に、
動物をつくった。
そしてこの週末に、
自分に似せて、
男と女を創造した。
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日曜日、神は、休んだ。
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旅をしていると、
曜日の感覚がなくなる。

日曜日ではないけれど、
Sundayの気分。

だから夜は、シカゴ・ブルース。
Buddy Guy’s Legends。IMG_3034.JPG7

バディ・ガイは、
シカゴ・ブルースの第一人者。
もう81歳。

そのバディ・ガイの店が、
なんとわれわれのホテルから歩いて、
10分ほどのところにある。
毎晩、ブルースのライブをやっている。IMG_3011.JPG7

受付で10ドル払う。IMG_3013.JPG7

手首にハンコを押してくれる。
これで出たり入ったりできる。IMG_3012.JPG7

すぐにカウンターバー。
IMG_3014.JPG7

壁にギターが飾ってある。

左がB・B・キングのギブソン。
右はジョン・リー・フッカーのエピフォン。
セミアコースティック・ギターはシブい。IMG_3016.JPG7

左上の黒いギターが、
キース・リチャードのギルド。
勿論ローリングストーンズのギタリスト。

真ん中はトム・ペティのフェンダー。
今年10月に死んだばかり。

右は黒人ブルースのロバート・クレイ。
いずれもフェンダー・ストラトキャスター。IMG_3015.JPG7

店の奥には、
ずらりと名プレーヤーの名器が並ぶ。
みんな、バディ・ガイを崇拝し、
この店にやって来て演奏して、
そのギターにサインして、置いていった。IMG_3017.JPG7

左から、カルロス・サンタナ、
ジェフ・ベック、
スティーヴィ―・レイ・ヴォーン。
そしてエリック・クラプトン。
すごい顔ぶれのすごいギター。
IMG_3018.JPG7
サンタナはギブソンのレスポール。
これは有名。

ジェフ・ベックはイギリスのギタリストで、
世界三大ギタリストといわれる。
あとの二人はエリック・クラプトンと、
ジミー・ペイジ。

スティーヴィ―・レイ・ヴォーンは、
ダラス生まれのアメリカ人。

そして言わずと知れたクラプトン。

3人はいずれも、
フェンダーのストラトキャスター。

壁にかかったギターを見ているだけで、
時間はゆっくりと過ぎていく。

前座の演奏の間、ギターを観たり、
酒や料理を注文したり。

そして本日はジミー・ジョンソン。
シカゴ・ブルース屈指のギタリスト。
もう、ギターが体の一部のようだ。IMG_3022.JPG7

ブルースは19世紀後半に、
ディープサウス・エリアで生まれた。
直訳すると「深南部」だが、USAの南東部。
ルイジアナ州、ミシシッピ州、
アラバマ州、ジョージア州、
そしてサウスカロライナ州。

アメリカに奴隷として連れてこられた、
黒人たちの音楽。

黒人霊歌やフィールドハラー、
そして、労働歌(ワーク・ソング)が、
混合して発展した。

Field-hollerは、
農場や作業現場のFieldで、
叫んだり、大声でわめいたりするholler。
hollerには不平不満の意味が含まれる。

1965年の南北戦争後に、
奴隷解放宣言が行われた。
そかしその後も、黒人たちの境遇は、
すぐには変わらない。
その嘆きや不満を歌にして、
ブルーノートの独特の旋律とリズムで、
歌い上げる。

Bluenoteは、
基本的には3度と7度を、
4分の1音、もしくは半音、
微妙に下げた音階。

ハ長調でいえば3度はドレミのミ、
7度はドレミファソラシのシ。
CDEFGAHのEとH。

Bluenoteでは、
DとAはほとんど使われない。

Gを4分の1ほど下げる場合もある。

ちなみに日本の「ヨナ抜き音階」は、
「四七抜き音階」と書いて、
四つ目のFと七つ目のHを抜いた音階。
ドレミソラ、CDEGAのこと。

ブルースはEとHを抜き、
日本の民謡や動揺はFとHを抜く。
スコットランド民謡にも、
FとHの抜けた御音階の歌が多い。

Blueanoteのブルースは、
その旋律や歌詞が共感を呼んで、
アメリカの北部にも広がっていった。

当初はアコースティックギターを弾き、
切々と歌った。

ミシシッピ川のデルタから生まれたので、
デルタブルースといわれる。

それがカントリー&ウェスタンと同期して、
カントリーブルースとなった。

さらにアコースティックギターが、
エレキギターに変わり、
セミアコースティックギターや、
ソリッドギターを使い始めると、
ドラムやベース、キーボードが入って、
バンド形式となる。

それがシカゴを中心に発展した、
シカゴブルースだ。
IMG_3025.JPG7
200㎡ほどの店の中央にステージ。
そのステージを囲んで、
簡素なテーブルと椅子の客席。
100席ほど。

バーカウンターが店の入口と奥にある。
ステージ脇にはビリヤード台が3台。

私たちはステージ袖の席を確保して、
迫力のあるブルースを堪能した。
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そして最後に、御大、登場。
バディ・ガイ。
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白いシャツ、グレーのズボン、
黒っぽい帽子をかぶって、コンビの靴。

今夜はもうギターを弾かず、
ジミー・ジョンソンに伴奏させて、
語りながら、歌った。IMG_3029.JPG7

日曜漫歩にふさわしい歌と演奏。
シカゴ・ブルースの神ともいうべき、
バディ・ガイ。
語って歌って、
私たちを楽しませてくれた。

つまり神はこの晩、
歌って、働いた。

この日は水曜日だった。

〈結城義晴〉

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