月刊商人舎11月号、
本日発刊。
[特集]
免税商売に覆われていく日本
2020年!! 1億6000万人のMarketing
トリガーは2003年度に弾かれた。小泉純一郎首相の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」である。小泉は「観光立国懇談会」を発足させて、当時、年間約500万人だった訪日外国人を1000万人に倍増させるキャンペーンをスタートさせた。その後、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災により、一時停滞は見せたが、外国人ビザに対する発給要件の緩和や免税対象品目の拡大、免税金額枠の増加などの施策で、「爆買い」現象が起こった。さらに2020年の東京オリンピック開催の決定によって、「インバウンド消費」はモノからコトへとスライドしつつ、急速に成熟化を見せる。今や、訪日外国人旅行者は年間に2400万人を超え、日本人166万人分の需要が生まれている。そして2020年には日本人を含めて1億6000万人分の消費が、日本列島を覆いつくすことになる。免税商売のInbound Businessが日本を栄えさせるのか、はたまたそれは一時のバブルに終わるのか。ここには文化性と経済合理性の両立と「花仕事・米仕事」の成就のためのマーケティングが必須である。
[Message of November]
花仕事と米仕事を両立させよ!
免税商売の進化&深化プロセス論
Inbound Retail Businessの傾向と対策
――結城義晴
[インターネット調査]
アジア6カ国の訪日客2101人に聞きました!!
変貌するインバウンド市場の意外な実態
[BIG DATAから読み解く]
インバウンド消費の変容
2015年「爆買い」騒動から2年、
訪日外国人購買の3つの特徴
AEON Inbound Retail戦略の全貌
「アジアシフト」と「旅前・旅中・旅後」マーケティング
[CaseStudy]
グループ最大免税販売「イオン成田店」
売上構成比3割を大幅に超える
ダントツ一番店のインバウンド対策
圧倒的知名度誇るマツモトキヨシ
免税対応389店舗・売上高シェア11%の
トップランナー戦略
[Photo Report]
外国人観光客特化型「有楽町イトシアプラザ店」
2017話題独占「GINZA SIX」の免税対応
「世界のGINZA」の起爆剤となって
Global顧客を呼び込む
1日3万人! 大阪ミナミ
「黒門市場」顛末記
アジア外国人観光客にも「会話は英語でいい!!」
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今回は以前から考えていた、
インバウンド・ビジネス特集です。
それは商売の問題以上に、
日本の人口問題でもあります。
日本の将来のためには、
「良質の移民」政策が重要だ。
私はそう考えていました。
しかしそれだけではまったく足りません。
だとしたら「観光客」を大量に受け入れ、
観光立国から観光大国になる。
そういった観光客を、
短期移民ととらえる。
デービッド・アトキンソンさんの著作。
「新・観光立国論」は素晴らしい。
小売流通業、サービス業も、
この「短期移民」対策に貢献できます。
2016年実績は2400万人、
2020年に4000万人、
2030年に6000万人。
このくらいは実現できるでしょう。
だとすると、ほとんどすべての、
小売りサービス業が、
短期移民受け入れ策を真剣に、
検討しなければならなくなると思います。
そのための特集です。
ご愛読、お願いします。
さてニューヨーク3日目。
今日はマンハッタン島の、
飛び切り目立って、とんがりを見せる店。
まずはゼイバーズ。
たった1店舗ながら、
マインドシェアが高くて、
とても有名。
インターネット販売が25%を占める。
左の入口を入ると、
チーズ満載。
もともとはユダヤ人のための、
サーモンとコーヒーの店だった。
だから今もコーヒー売場は最高。
アメリカンなコーヒーばかりの米国で、
よく炒った旨いコーヒーを提供する。
スマイルしてくれた。
フェアウェイマーケット。
マンハッタンの伝統的な店。
青果が安くて新鮮。
品揃えも豊富。
ボリューム陳列がこの店の特徴。
カットフルーツもカラフル。
こちらのコーヒー売場も独特。
オリーブ売場は、
背景の写真が活きている。
2階に上がると、
オーガニックだけの青果部門。
圧巻。
グロサリーや乳製品、冷凍食品も、
オーガニックオンパレード。
そのわきにバルクFoodの売場。
1階がアルディ、
2階がトレーダー・ジョー。
それがフェアウェイマーケット本店。
隣にシタレラ。
惣菜の専門店。
しかし魚売り場もあるし、
肉売場も青果もグロサリーも、
きちんと品揃えしている。
だから専門店と見ると
便利なフルラインの店となり、
スーパーマーケットと視ると、
ユニークで強力な惣菜をもった店となる。
つまりポジショニングを持つ店。
そして真打登場。
イータリー。
青果、鮮魚、精肉、グロサリー、
チーズ、菓子、雑貨。
何でも揃うスーパーマーケットで、
同時にレストランでもある。
市場であり、食堂であり、学校。
二班に分かれて説明を受けながら視察。
私たちには、エミリーさんが、
ストアコンセプトを説明してくれた。
そして店内ツアー。
パン売場では、
製造に不可欠の酵母の話をしてくれた。
クリスチャンさん。
そして自慢のパンを試食。
チーズ売場は常時、300品目品揃えする。
商品の種類は1年間に1000品目。
誇らしげに説明してくれたエリックさん。
説明と質疑応答の後は、
自慢のチーズを試食させてくれた。
無料の料理教室がある。
ジェラートの店IL GELATO。
ジェラートも説明を受けて試食。
アイスクリームより濃厚で、旨い。
生パスタは製造して販売する。
対面のシーフードは魚種も豊富。
ピザ焼き窯は2つあって、
60~90秒で焼きあがる。
1日600枚から900枚のピザを焼く。
最後に質疑応答。
説明が終わってから、
ツーショット。ありがとう。
班ごとにランチ。
イタリアのスパークリングワインを注文。
7班と一緒に食事した。
その後、徒歩で移動。
旧貿易センター跡地の911メモリアル。
慰霊碑のノースプールとサウスプール。
亡くなった人たちの名前が刻まれている。
厳粛な気持ちになる。
ワン・ワールドトレードセンター。
ワールドトレードセンター新駅舎、
「オキュラス」。
真っ白な骨のような内観。
広場にイータリーのプロモーション。
ル・ディストリクト。
フランス版イータリーの店で、
物販と外食が融合している。
鮮魚の対面売場。
青果もかご盛でフランスの市場風。
大きなリボンが掲げられた売場には、
エコバッグがぶら下がっている。
売場の各所に、
腰高のスツールとテーブル。
トリュフチョコレートの量り売り販売。
全員で記念写真。
その後、ワグナーパークから
横向きの自由の女神を臨む。
そしてチェルシーマーケット。
隣はもりもと。
チェルーシーマーケットに来たら、
ぜひ立ち寄りたいのが、
ロブスター・プレイス。
オイスターバー。
買うこともできるし、
この場で食べることもできる。
ロブスターバー。
茹で上げた熱々のロブスターを、
買って帰ることもできれば、
ここで食べることもできる。
そして最後にレジで精算する。
だから小売業でもある。
ナビスコの工場跡を活用した、
新しいショッピングセンターだ。
「テーマフェスティバルセンター」
店が品揃えを変えるように、
ショッピングセンターは、
店揃えを変える。
そして変えるたびに、
食品小売業・食品外食業が増えていく。
それが現代のトレンドである。
スパイスとティーのショップ。
必要な量を量り売りで購入できる。
ワイン専門店は、
大リニューアルを図った。
木目の美しい店内。
ワインが映える。
ワインセラーには高級ワインがずらり。
この美しいプレゼンテーション。
横から見るとこんな感じの、
独特の陳列。
日本でインバウンド消費が増えれば、
テーマ・フェスティバルセンターも、
どんどん増えていく。
だからチェルシーマーケットは、
そのお手本となる。
最後の最後は、
コロンバスサークル。
ホールフーズの超繁盛店。
もちろん花と果物で、
お客を出迎える。
店舗左翼は、生鮮とグロサリー。
バナナの吊り下げ陳列が、
青果の真ん中にある。
アマゾンとの連携で、
バナナをディスカウント。
鮮魚と精肉の対面売場。
おすすめ商品の試食デモ。
右翼は惣菜とインストアベーカリー。
そしてホールボディと称する非食品。
店内加工の惣菜を対面で販売する。
奥まった一角にビアバー。
このホールフーズは、
何度訪れても感動させられる。
しかしこれで全行程が終わった。
マンハッタンの店店は、
それぞれにポジショニングが、
構築されている。
ニューヨークでは、
それがない店には価値がない。
だからまたどんどん淘汰される。
淘汰されると、イノベーションが起こる。
このニューヨークこそ、
日本の小売サービス業の、
「既に起こった未来」である。
(つづきます)
〈結城義晴〉