ホテルの部屋の窓から、
ちょっとだけサンフランシスコベイが、
少し霞んで見える。
今朝は、タクシーを飛ばして、
サンフランシスコ国際空港へ。
今日から4日間、
万代知識商人大学二期生の修了研修。
全員無事に到着。
クリスマスまでのカウントダウン。
あと42日。
ウォルマートは毎年、
これを、全店で行う。
これも季節の風物詩となる。
どこよりも盛大に、
クリスマス・プレゼンテーション。
ウォルマートの早仕掛け。
そして、この店は入口のところに、
スキャン&ゴーがお目見え。
Scan & Go。
充電済みのハンディターミナル。
「Ready」となっているのを使う。
すると、ターミナル端末に、
商品の個数と値段がカウントとされる。
買いたい商品をカートに入れるたびに、
これを繰り返す。
そしてチェックスタンドへ。
スキャン&ゴーのセルフレジレーン。
このレジは、カード決済のみ。
ハンディターミナルで、
QRコードを読み取ると、
ターミナル上のデータが、
レジ側で読み取られる。
わずか10数秒。
早くて簡単。
ホリデーシーズンに向けて、
大々的に宣伝し、普及に努める。
カウンターの奥には、
ピッキングされた注文商品が並ぶ棚。
アマゾンと対抗するために、
ネットとリアルのシームレス化を図り、
さらにチェックアウトの利便性を高める。
ウォルマートの、
このホリデーシーズンに対する、
意気込みが伝わって来る。
店舗入口はテーブルフラワー。
いつも美しい花でお客を迎える。
しかし昨年のレイオフの影響もあって、
チーズの対面コーナーに人影が見えない。
アマゾンのサイト上で、
ホールフーズ商品を、
買うことができるようになって、
お客も減っている。
「ホールフーズ+アマゾン」のPOPが、
売場の主要品目に着けられている。
しかし昼食時でもあって、
イートインスペースに、
顧客が集っている。
万代大学二期生も、
元気にオーガニックを試食。
ホールフーズの現状打開策は、
現場の人員の回復である。
価格政策を採ることではない。
私はそう考えている。
そんなホールフーズを後に、
シリコンバレーの真ん中にある、
アップルの新社屋へ。
「Apple Park」
クパチーノ市に来週、
お披露目される。
もちろん周囲の道路から、
ちょっと見るだけ。
その対面に設けられたビジターセンター。
アップルの社員たちが集まって、
アップルパークを眺めている。
林の間から垣間見える新社屋は、
故スティーブ・ジョブズの、
最後の作品と言われる。
総工費50億ドル、26万㎡。
湾曲した世界最大のガラスを使って、
円形につくられた建物。
別名「宇宙船」。
「100兆円のリンゴ」アップルは、
iPhoneX(テン)を発売して、
前年比12%増で伸び続ける。
近隣からはひんしゅくも買う新社屋。
しかし、ジョブズの夢は、
必ず実現されねばならない。
企業組織はビジョンによって、
成り立っているからだ。
このあとはバスを走らせて、
シリコンバレーにある、
スタンフォード大学のキャンパスへ。
万代知識商人大学の二期生に、
東のハーバード大学と並ぶ、
西のスタンフォード大学の空気を、
吸わせたかった。
クリスマス向けのチョコレート。
これは珍しくネスレの商品だ。
時にはナショナルブランドも売る。
トレーダー・ジョーは、
そんなに頭の固い会社ではない。
売れるものは、売る。
それがトレーダーだ。
エンドでは新アイテムを、
大量ボリューム陳列でしっかり訴求する。
フィアレスフライヤー掲載のアイテムだ。
レジはこんな行列状態。
老若男女がトレーダー・ジョーのファン。
大阪から11時間のフライトで、
午前11時に到着し、その後、
夕方までの視察。
二期生もすっかり疲れた様子。
サンフランシスコ市街地に入るまで、
夕方の大渋滞に巻き込まれ、
2時間近くもかかった。
車中は熟睡タイム。
そしてピア39へ。
フィッシャーマンズワーフ。
歓迎の夕食はダンジネスクラブ。
春から学んできたマネジメント理論を、
この実質3日間で反芻しながら、
視察研修してほしい。
そしてビールで乾杯。
加藤健さんと松岡俊行さん。
二人は万代のエリアマネジャーにして、
知識商人大学二期生を統率。
今回の修了ツアーでは、
6班に分かれて、
それぞれの課題を研究する。
その6班を加藤さんと松岡さんが、
それぞれ3班ずつ統率する。
そして帰国後の12月、
万代幹部の皆さんの前で、
課題報告と取り組みについて発表し合う。
まさに加藤組と松岡組の対決。
この3日間はだから、
1分たりとも無駄にはできない。
日経ビジネス電子版「今日の名言」
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難しい市場で
勝負しなければならない
〈清水 正セントラル硝子社長執行役員〉
「当社は2014年に、
米国の自動車用ガラスメーカーを買収し、
北米での事業を拡大しました。
しかしその直後に“事件”が起きた。
中国の自動車用ガラスメーカーの
福耀玻璃工業集団(フーヤオ)が、
それを大きく上回る生産能力を持つ工場を
米国で立ち上げたんです」
米国市場の厳しさ。
そして中国資本の露骨さ。
難しいから面白い。
その難しさに挑戦しなければ、
イノベーションは生まれない。
ウォルマートのスキャン&ゴーも、
ホールフーズ、トレーダー・ジョーも、
アップルもセントラル硝子も。
そして万代も、
すべての日本の流通小売業も。
(つづきます)
〈結城義晴〉