アメリカにやってきて10日。
ニューヨークの5日目に、
サンフランシスコへ移動した。
今回は2都市に滞在して、
ホテルも2カ所。
ワトソン・ホテルと、
ホリデーインゴールデンゲートウェイ。
10月は21日間の滞在ながら、
ダラス⇒ニューヨーク⇒ダラス
⇒サンフランシスコ⇒シカゴ
⇒ニューヨーク。
6つのホテルを移り住んだ。
今回はずいぶん楽なはずだが、
風邪を引いた。
だれも相手に
してくれなくなったら
僕のところに
くればいいさ
いつだって
君の相手を
してあげるよ
風邪は友達
風邪は友達♪
〈山崎眞幹作詞・作曲〉
いつの間にか、口ずさんでいる。
喉が痛くなる。
寒気がする。
熱が出る。
咳が出る。
鼻水が出る。
くしゃみが出る。
必ずこの順番で風邪は進行して、
そうして治る。
私の対処法は、
喉が痛くなって、
寒気がした段階で、
水を大量に飲んで、
薬を飲んで、
毛布や布団にくるまって、
ひたすら寝ること。
今回は旅行中で、
それができなかった。
喉痛と悪寒の中で、
薬、水を飲んで、
それから原稿とブログを書いた。
書き終わって、
毛布にくるまってしばらく寝た。
そして朝。
熱はだいぶ下がったが、
咳が出ていた。
その咳を凌ぎつつ、
朝から講義。
それでも朝食は、
しっかり食べることができる。
元気は食欲から。
その後、風邪は進行して、
喉痛、悪寒、発熱、咳嗽、
ここで進行は止まって、
咳が止まらない。
しかも一日中、
バスの中で講義。
咳をしつつ、講義。
聞き苦しくて、
本当に申し訳ない。
それでも講義の内容は、
変わらない。
レベルは落ちない。
それが私の矜持。
さて万代知識商人大学の、
サンフランシスコ修了研修。
昨日、到着して、
疲れた体を休めたメンバー。
ゆっくり眠れたのか、
朝から気合十分。
ウォルマートの本質、
ホールフーズの強みと弱み、
トレーダー・ジョーのPositioning。
それらと万代の親和性を分析する。
万代カレッジ二期生は、
商品部バイヤーや店長、
部門チーフが多い。
風邪の進行過程ではあったが、
講義は渾身の2時間。
初日に視察した店舗の観察から、
課題テーマの是非も検討する。
班ごとの議論を切り上げて、
2日目の視察は盛りだくさん。
ベイブリッジを渡って、
サンフランシスコシティから
オークランドシティへ。
アルカトラズ島も美しい。
ゴールデンゲートブリッジは、
なおさら美しい。
たった2店舗ながら、
圧倒的な青果の強さで、
大繁盛している。
トマトの赤とズッキーニ、アボカドの緑。
交互に並べてカラーコントロール。
全米一の青果物が揃う。
パイナップルは合計15SKU。
選別値入れによって、
多SKU化を図る。
池田壽太郎先生ゆずりの理論。
葉物野菜も珍しい品種が並ぶ。
農産バイヤーさえも、
見たこともない商品がある。
オーガニック売場には、
青いマジックペンを持って、
作業するスタッフ。
バークレーボウルでは、
レジスタッフが、
バーコードのないアイテムの価格を、
すべて覚えている。
そのチェッカーが見分けるために、
オーガニック商品にだけ、
青いペンで印を付けている。
陳列作業スタッフは、
1品1品商品をチェックしながら、
青い印をつけているのだ。
アメリカでは、
薩摩ミカンが大人気。
それが売場の前面に出ている。
チーズの対面売場。
スペシャルティ部門になって、
チーズ・ワイン・チョコレートが、
一体化した。
ブルーのパネルサインが目立つ、
鮮魚の対面売場。
その向こうは茶色のタイルの精肉売場。
レジはステンドグラス風の壁で仕切った、
青果売場の裏側。
つまりワンウェイの主動線のどん詰まり。
店の左翼はアレグロコーヒーショップ。
イートインスペースも、
もちろん併設されている。
35人がそれぞれ注文しても、
慌てることなく、
淡々と調理作業を進める。
私がオーダーしたのは、
プロテインバーガー。
バンズの代わりに
レタスで包んだ裏メニュー。
これがヘルシーでうまい。
グルテンフリー&炭水化物ダイエット食。
それからアラメダショッピングセンター。
セーフウェイとトレーダー・ジョーが、
並び立ってすみ分ける。
セーフウェイのニューライフスタイルストア。
ヨーロピアンスタイルのシックな店内は、
腰高什器とスポット照明で
青果物を浮かび上がらせる仕掛け。
アラメダ店はセーフウェイ全店中でも、
10指に入るだろう。
よく管理されたいい店だ。
エコバッグ3袋入りの、
ミステリーパック。
どんなデザインかは、
開けてみなければわからない。
だからミステリー。
店はいつものように大盛況。
申し訳ないけれど、
トレーダー・ジョーの前の駐車場で、
集合写真。
ウォルマートのライバルの、
ディスカウントストア。
食品売場はわずかの品揃え。
しかしターゲットはこのほうがいい。
それでもカットフルーツや、
葉物野菜まで必需商品を揃えて、
利便性を訴求している。
ワンダーショップと名付けられた、
クリスマスギフトの販促コーナー。
買い物かごに似せた販促什器。
売場のいたるところに置いて、
おすすめ商品をプレゼンする。
青果を核部門にして、
両サイドにミートや惣菜などを配した、
いわば大型の八百屋。
今日のオーガニックアイテム数を表示。
205アイテム。
かつてはホールフーズがやっていたが、
今はそのお株をスプラウツに奪われた。
入口レジと奥の青果部門をつなぐ、
バルクフード。
ホールフーズの不振の半面、
スプラウツは絶好調だ。
隣のベッドバス&ビヨンド。
ホームファッションの店。
スプラウツとの相性はいい。
すっかり日が暮れた。
導入部のクリスマスギフトのコーナー。
チョコレートやクッキー、人形などの、
ギフト商材を豊富に揃える。
店舗中央は、
ポップアップセールの売場だ。
売り切れ御免の超お買い得商品を、
山積みして販売する。
レジに来てみると、
万代メンバーとレジスタッフが、
お札を出してやりとりしている。
土産物のチョコレートの代金を、
現金で支払っている。
カード社会のアメリカでは珍しいらしく、
レジ待ちのお客たちも笑っている。
出てきた6人は、
ちょっと、どや顔。
アメリカ人から見れば
アジアのインバウンドの爆買いだ。
かくて万代大学米国研修2日目は終了。
研修生と一緒にいると、
風邪も吹っ飛んだ。
だから風邪は友達にはできない。
(つづきます)
〈結城義晴〉