結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年12月24日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その55】トナカイ

猫の目で見る博物誌――。
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今日はクリスマスイブ。
サンタクロースのソリを引っ張るのが、
トナカイです。

トナカイはシカ科(Cervidae)、
トナカイ属(Rangifer)。
学名: Rangifer tarandus。

(CNNニュースより)
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日本名でトナカイ。
アイヌ語の「トゥナカイ」(tunakay)が由来。

「馴鹿」(じゅんろく)は中国語で、
「人に馴れた鹿」。
つまり「家畜的な鹿」の意味。

英語はReindeer。
同じく英語のCaribouは、
アラスカエスキモーの言葉。

トナカイの自然分布は北極圏周辺。
アメリカのアラスカ州、カナダ、
デンマークのグリーンランド、
ノルウェー、フィンランド、ロシア。

体長は1.2~2.2m。
肩高は90~150cm。
体重は60kgから、
大きなものは300kgになる。

シカ科で唯一、雌雄ともに角がある。
これが鹿とトナカイの大きな違い。

鹿は雄にしか角が生えない。

トナカイは雌雄に角があるが、
雄の角の方が雌よりも大きい。

雄は春に角が生えて、
秋から冬にかけて抜け落ちる。
雌は冬に角が生えて、
春から夏にかけて角が抜け落ちる。

だからクリスマスのトナカイは、
雄だと考えられる。

足は速い。
時速80キロで走る。

体毛は厚い。
毛の内部に空洞がある。
保温性に優れている。

寒冷気候から身を守るためだ。

蹄は大きくて、接地面が広い。
これによって体重が分散され、
雪の上でも沈むことなく歩ける。

鼻の色は黒を基調に、
白い毛が混じる場合もある。

だから歌のような、
「真っ赤なお鼻のトナカイさん」はいない。

ツンドラ地帯に生息するが、
群れをつくって、大規模な移動を行う。

基本は草食性だが、
草食性の強い雑食性である。

夏は草や葉を食べるが、
ときに虫などの小動物を食す。
冬は角や蹄で雪を掻き分けて、
雪の下の苔などを食べる。

4月から6月にかけて、
雌は1回に1匹の子どもを産む。
人間と同じ。

人間が最も古く家畜化した動物のひとつ。
だから中国語で「馴鹿」という。

乳用・食肉用・毛皮用として活用されるし、
ソリを引く使役や荷役にも利用される。

何よりも雪の上でも走れるので、
そりを引くのに適している。

だからサンタクロースのソリを引く役目ができて、
それがトナカイの代名詞のようになった。

そのサンタクロースのトナカイ。
1823年にアメリカの新聞に詩が発表された。
タイトルは『サンタクロースがきた』
この詩の中で8頭のトナカイとなって、
それぞれに名前が付けられた。

ダッシャー(Dasher)
ダンサー(Dancer)
プランサー(Prancer)
ヴィクセン(Vixen)
コメット(Comet)
キューピッド(Cupid)
ドナー(Donner)
ブリッツェン(Blitzen)

レイモンド・ブリッグズの絵本、
「さむがりやのサンタ」。DSCN8161.JPG7

「やれやれまたクリスマスか! 」
サンタクロースのおじいさんが、
面倒くさそうに目を覚ます。

そしてトナカイに餌をやる。DSCN8163.JPG7

支度して出かけるのは、
街の子どもたちのところ。DSCN8164.JPG7

雪をついて、
雨を縫って。
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煙突に文句をいいながら、
プレゼントを届ける。
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そして夜明けとともに、
うちに帰っていく。DSCN8168.JPG7
南の島に憧れながら、
クリスマスイブの1日の仕事を終えると、
風呂にはいり、ビールを一杯飲んで、
ごちそうを楽しむ。

人間味あふれるサンタクロースの1日。

その続編は、
「サンタのなつやすみ」
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いずれもトナカイ抜きには語れない。

サンタさんとトナカイ。
いい関係ですね。

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ボクとおとうさんは、
もう一緒にいることはできないけれど。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年12月23日(土曜日)

IDR望年ゴルフコンペと「今年のM&A」1位のセブン&アイ

天皇誕生日の祝日。

今上天皇は再来年2019年の、
4月末日にご退位の予定。

だから来年の12月23日までが、
平成の天皇誕生日の祝日である。

今日は29回目の今上天皇誕生日の祝日。

私は平成元の年1月に、
(株)商業界の食品商業編集長に就任した。
そしてそのころから、
世界も日本も変化し始めた。

1989年11月にベルリンの壁が破壊され、
1990年10月、東西ドイツが統一され、
1991年12月、ソビエト連邦が解体され、
この年、日本のバブルが崩壊した。

今上天皇も天皇として、
そんな時代を見てこられた。

私は編集長の立場で、
そんな世界を見ていた。

それはそれで私にとって、
ひどく刺激的で、極めて有益だった。

そんなことを思う。

今日は朝早く、東名高速道路を、
大井松田へ向かった。

中井PSと大井松田ITの間で、
トレーラーが炎上して、大渋滞。

しかし、何とか、
チェックメイトカントリークラブに到着。

富士山が美しかった。IMG_7032.JPG7

青い空には飛行機雲が描かれ、
江の島から房総半島まで見える。IMG_3956.JPG7

銀杏の木はすっかり葉を落とした。IMG_7039.JPG7
一般社団法人流通問題研究協会。
略称はIDR。
1966年(昭和41年)に設立された、
公益流通研究機関。

日本の流通のかたちは、
初期の「遅れた段階」を通過して、
「先進の段階」に到達しつつあると、
IDRは考える。

現在は、真の生活者起点流通を志向する。
そしてそのために生活者の顔が見える、
流通マーケティングを新たに構築する。

それがIDRである。
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現会長は玉生弘昌さん。
(株)プラネット代表取締役会長。
専務理事は橋本佳央さん。
顧問は前会長の三浦功先生。

(株)商人舎もこの協会の会員だ。

今年は8月9日に、
第34回「チャネル戦略研究交流会」で、
講演した。
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テーマは、
「US Retail最新動向と2025日本流通」

そのIDR望年ゴルフ。

秋の快晴の日のような陽気で、
最高のゴルフラウンドを楽しんだ。

ちなみに新ぺリア方式のコンペで、
優勝は齋藤充弘さん。
全日本食品(株)会長で、IDR副会長。

準優勝は玉生弘昌さん。
もちろんIDR会長。

流通問題研究協会は、
忖度なしに副会長と会長が金銀を獲得。
そんな協会なのです。

ちなみに私も第4位に滑り込んで、
一応、満足。

さて、日経新聞に、
「セブンがベストM&A」

2017年も企業の合併・買収は活況だった。
その日本企業の今年の「ベストM&A」を、
14人の専門家が選出した。

その結果、第1位は、
セブン&アイ・ホールディングス。

商人舎流通SuperNewsでも、
今年二度、このニュースを報道した。

4月6日セブン&アイnews
米Sunoco LP社からコンビニ&ガソリン小売事業取得
12月6日セブン&アイnews
米国7-ElevenのSunoco LP社店舗取得最終段階へ
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このセブン&アイの評価点数は、
2位に2倍近い差をつけた。

米国コンビニを33億ドルで買収。
「日本でのノウハウを生かせる」と、
「本業との相乗効果の高さ」が評価された。

「国内市場が主力のセブン&アイが、
成長を求めて海外展開を加速する姿勢」
これも評価された。

アメリカのコンビニは日本ほどに、
高いポジショニングを持ってはいない。
むしろ日本のコンビニの機能は、
ドラッグストアが担っている。

しかしそれでも、
今回のSunoco LP社は、
9月末段階で1346店舗を有する。
米国7-Eleven, Inc.は8716店舗。
だから単純計算でちょうど1万店に達する。

私もいい買収だったと思う。

柳井正さんも言う。
セブン&アイはセブン-イレブン専業になれ!
それならば世界で十二分に闘える。

その際には、思い切って、
イトーヨーカ堂やそごう・西武などを、
切り離してしまうこと。

つまり「集中と選択」を徹底する。

まあ、それはとても無理な話だろうが。

この日経の「今年のM&A」には、
日立関連が目立つし、評価される。

逆に、最も評価が低かったのは、
キリンホールディングス。

ハイネケングループのババリアに、
ブラジルキリンを売却した。

ブラジルキリンも2011年に、
キリンが買収して傘下に入れた会社だ。

今回はその時点の約4分の1の価格で売却。
そこに批判が集まった。

東芝メモリ売却も評価が低かった。

「債務超過を解消するためだったとはいえ、
稼ぎ頭の事業を手放した」と悪評。

国際的なM&Aは今後も増えていく。
セブン&アイやイオン、
ファーストリテイリングや、
ドン・キホーテなどが、
積極的に展開していくだろう。

そのときには、
どんな国でもどんな地域でも、
真の生活者起点流通が求められるだろう。

〈結城義晴〉

2017年12月22日(金曜日)

冬至の日の思索――三者三様と「内と外」の共存

冬至。
英語では“the winter solstice”。

“solstice”の意味は「至点(してん)」。
まさに「冬の至点」が冬至。

そして「至点」とは、
太陽の周りを回っている地球が、
太陽から一番離れているときの位置。
北と南の2点の至点がある。

だから冬になると、
北半球は、
1年で一番、太陽から離れ、
最も昼が短くなり、
最も夜が長くなる。

冬至には柚子湯。
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柚子の香りがたまらない。IMG_3954.JPG7

そして樹氷。
蔵王のアイスモンスターは、
温暖化で小型化し、減少する。
共同通信が配信し、
新聞各紙が取り上げた。

〈蔵王アストリアホテルホームページより〉juhyo_14

「冬の風物詩、巨大な樹氷が、
今世紀末で見納めになるかも――」
これは日経新聞の表現。

とはいっても、今世紀末まで、
まだ83年もあるけれど。

発信者は山形大学の柳沢文孝教授。
樹氷はアオモリトドマツに氷や雪が
付着して巨大な塊に成長したもの。

日本海側から50~60キロ、
離れた山あいで成長する。
樹氷は1910年代に初めて確認された。

1920年代は北海道から富山、
さらに岐阜まで、広い範囲で確認できた。

現在は蔵王山や青森の八甲田山、
岩手・秋田の八幡平など、
東北地方が中心だ。

しかし今世紀末にかけて、
今のような巨大な樹氷は、
見られなくなる恐れが高い。

柳沢教授の言葉が印象的だ。
「樹氷は観光資源になっているが、
地球環境を反映するセンサーだ」

ドナルド・トランプにも、
蔵王の樹氷を見せたいものだ。

今日は1日、横浜商人舎オフィス。IMG_3934.JPG7

裏の遊歩道には落ち葉がいっぱい。IMG_3939.JPG7

もう年の瀬だ。
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わが笠原第11ビル。
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見事な蘭が贈られてきた。
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マルトグループの安島浩さんから。
毎年毎年、ありがたい。

忙しすぎる私だが、
いつも心が癒されるし、
蘭は人の心をやる気にさせてくれる。

商人舎流通SuperNews。
11月百貨店統計|
冬物衣料・高額品好調で既存店2.2%増/大手企業好調

11月総合スーパー統計|
衣料堅調も食品・住関連マイナス響き既存店0.6%減

11月スーパーマーケット統計|
既存店横ばい/ボジョレー・ヌーボーは大苦戦

既存店前年比は、
百貨店が2.2%増、
総合スーパー0.6%減、
食品スーパーマーケット0%。

三者三様。

時代は変わる。

さて今日は「内と外」の話。

毎日新聞巻頭コラム「余録」。
中根千枝さんの著書
「タテ社会の人間関係」。

東大の教授会と漁村の寄り合い。
どちらも「上下の序列を重視し、
ウチとソトを差別する日本社会の特質」

これを「国技」大相撲をめぐる、
ウチとソトのあつれきに結び付けた。

「交錯するウチとソト、
変わらぬ序列意識と個の不安、
日本社会の現在を映す相撲界の大乱だ」

朝日新聞「折々のことば」第969回。
内と外との区別は、
自と他との区別が
入りこんでくるところでのみ
可能になる
(ガブリエル・マルセル『存在と所有』から)

「白い球面に○を書く。
円周のいずれの側を
内とし外とするかは、
それだけでは決定不能である。
円周のいずれの側に
自分を置くかによって
内/外は決まる」

オセロゲームも囲碁も、
内だと思っていたら、
ひっくり返されたり、
からめとられたり。

「排外主義は自分のいる、
この『内』からのみ発する視線であって、
こちらの『内』と向こうの『内』とが
共存できるのは、互いの『内』を
よく想像できる時だけだ」

良いマネジメントは、
互いの「内」をよく想像することで、
実現される。

良い組織は、
たとえば店舗と本部商品部とが、
自分の「内」と向こうの「内」を、
共存させている。

冬至も夏至も、
昼と夜とが、
それぞれの至点において、
互いの「内」を、
良く想像していたに違いない。

しかしそれが崩れかけているから、
樹氷も今世紀末に。
姿を消すのかもしれない。

〈結城義晴〉

2017年12月21日(木曜日)

Wal-Mart「Store No.8」と日経電子版基調講演録のITスピード

アメリカのネットサイト「Recode」
このRecodeの報道。

商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
子会社コード・エイトで「キャッシャーのいない店」実験

ウォルマートが、
「a store with no cashiers」実験を始めた。
つまりAmazon Goに似た試みだ。
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今年初めにウォルマートは、
「Store No.8」を立ち上げた。

これは「テクノロジー・インキュベーター」。
つまり新技術を開発する孵化器となる店。

その一つが「プロジェクト・ケプラー」

いわく「キャッシャーのいない店」。

AmazonGoのうたい文句は、
「チェックスタンドのない店」

しかしウォルマートは、
「キャッシャーのいない店」

コンピューター・ビジョンなど、
最新テクノロジーを駆使する。

このプロジェクトを率いるのは、
マイク・ハンラハン。
ジェット・コムの共同創業者で、
元最高技術責任者(CTO)。

ウォルマートはジェット・コムを、
30億ドルで傘下に収めた。

ジェットはAmazonの目の上のたん瘤。
急速成長したeコマースだが、
その創業者マーク・ロアは、
ウォルマートeコマースのトップとなった。

ハンラハンはロアの相棒。

このプロジェクトのオフィスは、
ニュージャージー州ホーボーケンにある。
ジェット・コムの本拠地。

ウォルマートはこの地に、
新子会社を立ち上げた。
名称は「コード・エイト(Code Eight)」

これからのウォルマートのeコマースは、
コード・エイトとウォルマートラボの、
両機能によって、
アマゾンを意識しつつ、
急速に転換していく。

2018年はいよいよ、
本格的な開発競争時代となる。

日経電子版ビジネスフォーラムに、
「流通業向けAI活用最前線」のタイトルで、
私の基調講演録が、
ダイジェストされている。
「リテール情報革命を実現するカギは
ITやAIによる現場の課題解決にあり」
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この講演でも私は冒頭で、
AmazonとWal-Martのことを語った。

それがまた、どんどん進んでいて、
私たちも立ち止まっていると、
すぐに置いていかれる。

さて今日は、朝から千葉県幕張。
イオンタワーアネックス。

イオンリテール副社長の西松正人さん。DSCN2122.JPG7
今年、アメリカにご一緒した。

それからアメリカ同窓会のようになった。
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本来の目的は、
石塚幸男さんのインタビュー。
専務執行役員人事・総務本部長。DSCN9377.JPG7
ありがとうございました。

イオンの考え方がよく分かった。

その後、横浜商人舎オフィスに、
とんぼ返り。

オール日本スーパーマーケット協会の面々。DSCN8160.JPG7
私の右が前田伸司常務理事。

それから席を暖める間もなく、
中目黒へ。

高野保男さんと熱談。
元サミット(株)取締役で、
現在、日本のLSPの最高権威。
レイバースケジューリングプログラム。

その後、目黒川沿い。
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春は桜の名所。
年末はイルミネーションの名所。IMG_3916.JPG7

桜の木がかわいそうなくらいに、
まるで満艦飾のようなイルミネーション。
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その後、渋谷ヒカリエ。
カイルア・ウィークエンドは、
ハワイ風のレストラン。

ここで大久保恒夫さんと、
望年会。
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(株)リテールサイエンス会長。
前セブン&アイ・ホールディングス取締役。

今年は共同セミナーを開催した。
「小売業の情報技術革新」2017-7-20--448x485

當仲寛哲さんと三人。DSCN9418-7

私も語った。
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大久保さんも講演した。
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そういったことが、
どんどん実現していく。

このスピード感こそ、
2018年の本質だと思う。

最後に「折々のことば」
もちろん朝日新聞。
鷲田清一さん編著。
人生は、
手遅れのくり返しです。
(ある僧侶)

鷲田さん。
「あの時はわからなかったけど
今だったらわかるということが、
人生にはよくある」

きっと2017年末もやがて、
「ああ、そうだった」と、
わかるときがくる。

鷲田さん。
「自分のしたことが、
他人に思いも寄らぬ仕方で
受けとめられ戸惑う」

あるある。

「他人の人生に、
意図せぬ屈折や傷を与えてしまい、
そのことも後になってようやっと知る。
気づいた時はもう取り返しがつかない」

「経験というのは、
たいていそんなふうに起こる」

だから人生は、
手遅れの繰り返し。

しかし何度も手遅れをくり返しつつ、
少しずつわかってくる。

考えてみると、
コンピュータとは、
その手遅れの繰り返しを、
想像を絶するスピードで、
片端から演算していく機械だ。

そのスピード感こそ、
今の時代である。

〈結城義晴〉

2017年12月20日(水曜日)

コンビニ顧客画像活用ルールと「寛容さん」に出会った運の良さ

今日の商人舎流通SuperNews。
セブン‐イレブンnews|
2018「恵方巻」ビュッフェスタイルの提案が新機軸

2月3日の恵方巻は、
今やコンビニだけでなく、
スーパーマーケットや総合スーパー、
百貨店やドラッグストアまで、
オール小売業態で展開される。

もう節分の風物詩となったが、
セブン-イレブンは1月4日から、
予約受付を始める。

早仕掛け。
しかし、際の勝負。

流通SuperNewsでは、
そのコンビニの恵方巻を最初に始めたのは
ファミリーマートとしている。

1983年に大阪府と兵庫県で発売した。

その後、1998年に、
セブン-イレブンが全国販売。
そこからブレークし始めるから、
まあ、セブンによって風物詩となった、
といってよいだろう。

誰が一番最初に始めたかよりも、
誰が一番顧客に喜ばれるかが大事だ。

そのセブン-イレブンは今回、
新機軸「ビュッフェスタイル」を打ち出す。
果たして成果はいかに。

昨日の日経新聞に、
「コンビニ客分析 画像活用ルール」

経済産業省がルールをつくる。
「コンビニなどに設置されたカメラで、
常連客の購買行動を継続的に観測する」
これを「リピート分析」と呼ぶらしいが、
そのカメラ画像の活用指針を改定する。

何よりもプライバシーを侵害しないこと。
だから撮影した画像を、
できるだけ早く廃棄する。
そのうえで画像から抽出したデータを、
個人情報ではない形に加工する。

そのルールを決定する。

アマゾン・コムなどeコマースが、
顧客購買履歴データを活用するが、
スーパーマーケットやドラッグストアでも
ID-POSデータから、
「リピート率」を導き出して、
分析し活用している。

それに対してコンビニでは、
顧客の画像データを活用する。

改定指針は、
「初来店時に撮影した顔画像から、
顔の特徴データを抽出して
店内での動線や購買履歴などと、
合わせて保存。
次の来店時に、
取得した特徴データと照合する」

しかし顔の特徴を抽出して、
それをデータ化した情報は、
現行の個人情報保護法では、
「個人情報」扱いになる。

当然のことだ。

そのため今回のルールでは、
「企業グループ内での活用」にとどめる。

しかし、これもきわどい話だ。

さらに本人の同意なしで、
ポイントカードなどと紐づけしない。

これもいかに同意をとるか。

カメラで撮影していることを、
店の入り口などに掲示して、
顧客にわかりやすく説明する。

この新たなルールをふまえて、
コンビニのトップチェーンが、
リピート分析を導入する。

店に入ると顔の映像を撮られる。
それが商売に利用される。

もうすでに顔の撮影は行われているから、
特別に変わったことをするわけではない。

しかし犯罪などの場合の利用ならば当然、
許されるだろうが、
ちょっと気持ちのいいものではない。

もちろんアメリカのAmazon Goなど、
これ以上の完璧な体制で撮影し、
録音するわけだから、
この程度のことを四の五の言うのも、
古い感覚なのかもしれないけれど。

さて、12月20日。
青い空に白い雲。
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あと2週間で2018年。
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横浜の浅間下から岡野町を望む。
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ランドマークタワーも美しい。
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今日は一日、商人舎オフィス。
月刊商人舎12月号の編集仕事。

さて、糸井重里の「ほぼ日」
巻頭言は「今日のダーリン」

今日は特に同感することばかり。

「毎日、いろんな人に会って、
いろんな話を聞いて、
いろんなものを見たり聴いたりしていて、
『いやだなぁ』とか『つまらない』と、
思うことがない」

同感。

「これは、若いときから
けっこう長い間、ずっとそうだ」

「ごく若い勤め人のときには、
たまには会わされたかな。
でも、フリーになってからは、
ほぼ、ない」

同感。

「ひょっとしたら、ぼくのほうが勝手に、
なにかいやなことがありそうだという人を
うまいこと避けているのかもしれない」

同感。

「怖いと言われている人だとか、
口うるさい人だとかは、
いやな人とはぜんぜんちがう。
怖くておもしろい人や、
うるさくておもしろい人も、
けっこういるものなので、
大事な人たちだ」

故渥美俊一先生など、
こんな人だった。

「いちばん苦手なのが、
いばりたがる人なのだが、
『いばる仲にも礼儀あり』
みたいなところもあって、
『そんなにいばらなくても』
とか言い返せる人なら、
ちっともいやな人にはならない」

これも同感。

「ぼくには嫌いな人もちゃんといるし、
そういう人に会ったこともなくはない。
ただただ、いやな人に会わずに
済んできたというだけだ。
それが運だというには、
運がよすぎるようにも思える」

これも、同感だ。

「やっぱり、ぼくなりの
判別法があるんじゃないか
‥‥と考えて、もしかしたら、
と思いついたのが、
なにより『寛容』に思える人にばかり
会ってきたこと」

「逆に言えば、
『不寛容』そうな人を
敬遠している」

ん~、鋭い。

「これは『ユーモア』の
あるなしにも近いのだけれど、
真面目一本の堅物でも、
『寛容』な人はいるんだよな」

「『不寛容さん』に会わなくても、
なんとかなってきた、
というのは、やっぱり
運もよかったのかな」

同感。

「あと、ぼくを嫌いな人は、
ぼくに会いたがらないですしね」

これも、同感。

これまでお会いしてきたみなさん、
ほんとうにありがとう。

しかしコンビニ画像利用は、
どうみても人に「寛容」ではなさそうだ。

〈結城義晴〉

2017年12月19日(火曜日)

第一屋製パン役員会と商人舎Web会議の韓非子「訓令・命令・号令」

日経新聞電子版の「経営者ブログ」
鈴木幸一さん。
日本のインターネットの草分け。

上海を訪れて、
スターバックス宮殿へ。
世界最大のスターバックス。
300人くらいの行列。
一度に1000人がコーヒーを飲める。
そんな2フロアの広い空間。

そこで鈴木さんの述懐。
「いずれ、世界中が、
デジタル決済の方向に
進むことだけは
間違いない」

貴重な発言だ。

「ブレトンウッズ体制の崩壊、
オイルショックといった
70年代の苦境に際し、
あれだけの構造改革を実現した日本が、
仮想通貨から決済に至るまでの
デジタル化の流れに対応した
構造改革の施策を
実現できないはずはないと思う」

しかし、
「こと、IT(情報技術)化を前提とした
仕組みごとの構造改革に対しては、
いつまでも世界の対応に比べ、
後れをとり続けていることは、
深刻な事態だと危惧している」

「それは国の施策ばかりでなく、
IT化を前提とした対応について、
企業経営者の危機感が薄いことに、
驚くのである」

世界中が、
デジタル決済の方向に
進む。

これだけは間違いない。

さて中国の法家・韓非の著書「韓非子」
「かんぴし」と読むが、
内容は春秋戦国時代の思想の集大成。

蜀漢の丞相の、あの諸葛亮が、
幼帝劉禅の教材として、
韓非子を献上した。

その韓非子によると、
「指示」には3種類ある。

⑴訓令
⑵命令
⑶号令

前にこのブログで書いたはずなのだが、
検索しても出てこないから、
勘違いなのだろう。

第一の訓令は、
指示を出す者の考え方は分かるが、
具体的な任務が示されない。

第二の命令は、
指示を出す者の意図や狙い・目的が明確で
なおかつ任務や手順も明示される。

そして第三の号令は、
具体的な任務や行動・手順は示されるが、
意図や狙いや目的は明示されない。

短くすると、
訓令は考え方を述べる。
号令は動き方を示す。
命令は考え方と動き方を伝える。

あなたはどのタイプだろう。

もちろん時と場合によって、
あるいは相手によって、
三つの支持の仕方は使い分けられる。

時間があるときには命令。
緊急の時には号令。
自分で考察させるときには訓令。

これが逆になったり、
TPOを外したりすると、
マネジメントにならない。

訓令すべき人に号令すると、
興味を失って辞めていくしまう。

号令の必要な者に訓令すると、
指示がないと不平・不満を抱く。

できれば考え方と動き方を、
丁寧に納得させるのがいいのだが、
訓令でいい場合も、
号令のほうがいい時もある。

ケン・ブランチャードの、
4つのスタイルにも関係してくる。
スタイル1は指示型、
スタイル2はコーチ型、
スタイル3は援助型、
スタイル4は委任型。

訓令、命令、号令。
韓非子の言葉遣いだが、
その本質を知ってほしい。

さて今日は朝から東京・小平。
午前中は第一屋製パン(株)の取締役会。

それが終わってからランチ忘年会。
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草門去来荘。
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和食と鰻の専門店。

経営は際コーポレーション(株)。
そう、あの中島武さんの会社。
2016年10月決算で年商317億円、
KIWAグループ店舗は、
国内375店、海外8店舗で、
総計は383店舗となった。

そのたった1店のフォーマットが、
この草門去来荘。

大きな暖簾をかき分けて門を入ると、
見事な竹林が現れる。
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その中に古民家風の店がある。
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古い建物が気分を安らかにしてくれる。
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イタリアンレストランが併設されている。IMG_3877.JPG7

シンプルな懐石のフルコースで、
メインはとろとろ鰻丼。IMG_3873.JPG7
美味を堪能。

新小平から横浜に戻ると、
商人舎オフィスでは、
商人舎Web magazine会議中。

それに途中から加わって、
今年の総括と来年の改革方針を語り合う。

大胆なイノベーションを図ります。

ご期待ください。

そのあと、今日二度目の忘年会。

最後は一本締め。IMG_3889.JPG7
場所はもう商人舎御用達の「魚盛」。

今日は河豚鍋。
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野菜もたっぷり。
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河豚を堪能して、
最後は当然ながら雑炊。
IMG_3885.JPG7
今夜は酒は控えめに。
しかし、確かな望年会となった。

モノを考える会議では、
私は訓令することが多い。

今日は訓令が多かった。

しかし食べ過ぎの欲求には、
自分に向けた号令しかない。
本当に。

〈結城義晴〉

2017年12月18日(月曜日)

スマートワーク経営の「能力・使命・利益」とブルーチップ忘年会

Everybody! Good Monday!
[2017vol51]

2017年も第51週。
そして12月の第4週。

あと2週で今年も終わり。

1年間、ありがとうございました。
まだ2週間あるけれど。

訃報です。
今年10月に、
竹内憲太郎さんが亡くなった。
(株)リブネット取締役。
コーネル大学RMPジャパン伝説の1期生。

父上の竹内憲治さんからの、
喪中葉書で知った。

私が最後に会ったのは、今年2月、
スーパーマーケットトレードショー。
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39歳。

率直で誠実で真摯で、
これからの人だった。
ほんとうに残念だ。

心からご冥福を祈りたい。

来た道を真つ直ぐに見る冬の空    
〈朝日俳壇より 鴻巣市・佐久間 正城〉

さて日経新聞の月曜日の一面トップ。
「働きやすさ」収益に直結

わが意を得たりの記事だ。

上場企業・有力企業602社に対する、
「スマートワーク経営」調査をまとめた。

「スマートワーク経営」の定義。

⑴多様で柔軟な働き方の実現
⑵新規事業などを生み出す体制
⑶市場を開拓する力
この3要素によって、
組織のパフォーマンスを、
最大化させる取組み。

ちょっとわかりにくいが。

「この調査では、
コーポレートガバナンスなどの、
経営基盤も加えて、
各社の総得点を算出し、格付けした」

この総得点の偏差値で65以上の40社。
アサヒグループホールディングス、
イオン、花王、資生堂、ソニー、
それにNTTドコモなどが名を連ねる。

記事では、その40社のうちの、
「26社が今期の純利益で増益を見込む。
17社は過去最高を更新する見通し」

つまり40社のスマートワーク経営企業が、
純利益もよいという結び付け。

「人手不足が深刻になるなか、
社員の生産性を高める働き方改革が
急務となっている。
上位企業はいずれも
長時間労働の是正や多様な働き方で
社員の能力を高めて、
収益向上につなげている」

偏差値65以上にイオンが入り、
60以上にセブン&アイ・ホールディングス
ファーストリテイリングが入る。

なんだ、日本小売業ランキングの、
ベスト3が順に入っているんだ。

そんな感じもするが。

このスマートワーク経営調査に、
批判の声もある。

その根拠は、この調査の3要素が、
「同じ階層(レイヤー)に並んでいる」点だ。

同じレイヤーではないとすると、
「多様で柔軟な働き方の実現」
⇒「市場を開拓する力」
⇒「新規事業を生み出す」
⇒「最高利益」

この方向に進んでいると理解できるか。

しかしこの逆も考えることができる。

「新規事業の創出」
⇒「利益」
⇒「多様で柔軟な働き方」

同様に、
「市場開拓力」
⇒「最高利益」
⇒「多様で柔軟な働き方」

あるコンサルタントは、こう考える。
「好業績になる」⇒「働き方を変えられる」

「働き方を変える」⇒「好業績につながる」
のではないという。

さて、どっちだろう。

私の考え方は、
「能力開発⇒社会的使命
⇒利益⇒能力開発」

つまり社会的使命と、
利益、能力開発。
三者は循環する。

これは細谷泰雄先生の理論であり、
荒井伸也先生の考え方。
そして私の思想。

先のコンサルタントは、
レイヤーと言ったが、
循環とは考えていない。

日経の「スマートワーク経営」調査は、
スマートワークという能力開発が、
最高利益に結び付いたとするが、
これにも社会的使命の概念がない。

社会的使命を果たす。
だから利益が生まれる。
その利益を能力開発に振り向ける。
だから社会的使命を果たすことができる。
だから利益が増大する。

わが意を得たり、といったのは、
循環ではないが、
スマートワークが利益に結び付くことを、
日経が月曜日の一面トップで、
わざわざ取り上げたからだ。

品格を問うて無言や冬の月
〈同 いわき市・星野 みつ子〉
(大串章選評)貴乃花親方の顔が思い浮かぶ。

さて、今日は、
夕方から忘年会。

品川茶寮。
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ブルーチップ(株)主催で、
ご覧の面々が参集。
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左から金田正勝さん、土橋和人さん、
宮本洋一さん、中野茂さん、
そして松井康彦さん。

右は奥から白石純一郎さん、
鈴木國朗さん、新谷千里さん。

宮本さんが代表取締役社長。
中野さんと土橋さんは常務取締役。
中野さんは営業本部長兼東日本支社長
兼とくし丸営業部役員管掌。
土橋さんはマーケティング本部長
兼新ビジネス事業部長。
金田さんはビーコミュニケーションズグループ㈱取締役財務部長。

メインディッシュはすき焼き。25395713_839717612873924_1076894807920620109_n

うまい酒とうまい料理に、
話は弾んだ。
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左がアイダスグループ鈴木國朗社長、
右がサミットリテイリングセンター新谷千里社長。

最新動向などを情報交換し、
議論して、あっという間に終わった。

全員で「ようこそ2018年」
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宮本洋一社長とグー。
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新谷さんには商人舎magazineで、
毎月、Monthly連載
「お客と社員に支持される生産性向上策」
を執筆中。IMG_4399

(株)白石社長の白石純一郎さんも、
熊本から上京して参加してくれた。IMG_4406

しかし、竹内憲太郎さん、
本当に惜しかった。

能力が使命を果たし、
利益を生み出す。
そして循環する。

その肝心の使命を担う人が、
早世してしまった。
再び、合掌。

しかし、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


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