結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年01月31日(水曜日)

セブン-イレブン20000店達成後の「どこへ行くのか」

本日、達成!!
20,000店。
おめでとう!!
セブン-イレブン。

正確には2018年1月31日で、
日本国内店舗数2万0033店。

商人舎流通SuperNews。
セブン‐イレブンnews|
国内店舗数1/31付けで小売業初の2万店を超えた!!

1973年の11月に、
ダラスに本社を置くサウスランド社と、
エリアフランチャイズ契約を結んで、
(株)ヨークセブンとしてスタート。

氷屋からスタートしたサウスランドは、
世界最大のコンビニチェーンだった。

翌1974年5月15日、
東京都江東区に第1号店開業。
セブン-イレブン豊洲店。
オーナーは山本憲司さん。

最高のフランチャイズシステムをつくる。
だから1号店から加盟店を募る。

それが創業者・鈴木敏文の意思だった。

そしてそれが成長の原動力となった。

2年後の1976年5月、100店舗達成。
1977年3月、200店舗、
9月、300店舗となった。

私が(株)商業界に入社したのが、
この年の4月1日だった。

販売革新編集部に配属されて、
故緒方知行編集長のもと、
9月の300店達成のときには、
レギュラー号で記念特集をつくった。

まだ、社名は「ヨークセブン」で、
店名は、7ELEVEn
que-1050105205
セブンは7。
イレブンはELEVEn

最後の「n」は小文字。
その前の「ELEVE」は大文字。

これは「ELEVEN」にすると、
一般用語なので、
商標登録許可が下りないから、
と言われている。

その後、1980年11月に1000店。
私は月刊食品商業編集部に異動して、
1985年から別冊号に携わった。
「コンビニエンスストアのすべて」。
亡くなった佐藤文孝が担当編集者。

セブン-イレブンは1993年2月に5000店。
ここまで19年しか経過していなかった。

この時には私は、
食品商業編集長となっていて、
1998年8月に、
食品商業臨時増刊号の季刊誌として、
季刊コンビニを創刊。

それを隔月刊コンビニにし、
2002年8月、専務取締役編集担当として
月刊コンビニを創刊。
編集長は鈴木由紀夫だった。

セブン-イレブンは、
2003年8月に1万店を達成した。

ちょうどこの2003年8月に、
私は(株)商業界代表取締役社長に就任した。

月刊コンビニは、その後も、
唯一の業態専門雑誌として、
産業に貢献してくれた。

私は2007年8月をもって、
(株)商業界を去り、
2008年2月に(株)商人舎を創設した。

セブン-イレブンは、
1号店開店から39年後の2013年2月、
1万5000店を達成した。

一方の、月刊コンビニは2015年、
㈱アール・アイ・シーに売却され、
この会社の社長の毛利英昭さんが、
現在のオーナー兼編集長。

実質的な編集業務は、
元商業界取締役編集担当の梅澤聡が、
編集委員として担当している。

そしてセブン-イレブンは2016年5月、
鈴木敏文さんが電撃退任。
IMG_4106.JPG7

月刊コンビニとセブン-イレブン、
どこか重なっていると思うのは、
私の我田引水か。

しかし、44年が経過しようという今日、
2018年1月31日、7ELEVEnは、
20,000店超えを果たした。

おめでとう。

現在の出店エリアは46都道府県。
沖縄県だけが残った未出店の地域。
それも2019年度に出店する予定。

1977年からジャーナリストとして、
セブン-イレブンを見てきて、
すごい会社になったもんだと、
つくづく思う。

しかしここまでくると、
どう考えても「飽和」が見えてくる。

そしてそのあと、
セブン-イレブンの世界化が始まる。

現在の海外出店は、アメリカをはじめ、
韓国、タイ、台湾、中国、
それにメキシコ、マレーシア、フィリピン、
オーストラリア、シンガポール、カナダ、
デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、
アラブ首長国連邦、ベトナムの16カ国。

2017年12月末時点で6万4319店舗。

世界最大のチェーンストアとなる可能性を持つ。
そこまで本気で構想しているか。

それが問われる。

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1008回。

生きているそのあいだ、
なるたけ多くの
「終わり」に触れておく。
そのことが、
人間の生を、
いっそう引きしめ、
切実に整える……
〈いしいしんじ『且坐(しゃざ)喫茶』から〉

「人は自分という存在の
始点も終点も知らないし、
知りえもしない」

「自分がどこから来て
どこへ行くのか。
いずれも霧の中だ」

ポール・ゴーギャンは、
大作を描いている。
1200px-Paul_Gauguin_-_D'ou_venons-nous
絵のタイトルが長い。
「我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこへ行くのか」
D’où venons-nous?
Que sommes-nous?
Où allons-nous?

いしいしんじも同じモチーフだ。

「でも、人の生が『終わり』を
孕(はら)んでいるのは確か。
だとすれば、旅にせよ、茶事にせよ、
小さな『終わり』をくり返し
『からだの芯へ収める』ことで、
中途としての人生にも光が射す」

セブン-イレブンも、
法人という人格をもつから、
永遠の生を与えられたものではない。

だとすれば小さな終わりを繰り返しつつ、
「何者か」「どこへ行くのか」を、
自問し続けなければならないだろう。

それは私たち個人も同じである。

〈結城義晴〉

2018年01月30日(火曜日)

時代に対する「説明・見立て」とドラッカーの「モニタリングせよ」

月末には様々な月刊誌が送られてくる。
そのうちの1誌「AJSネットワーク」。IMG_4135.JPG8
私の連載「応援団長の辛口時評」
なかなか、辛口にはならない。

第122回のタイトルは、
「人間の人間による人間のための産業」
私、このフレーズ、
とても気に入っている。

今日は朝から、東京・小平へ。
第一屋製パン(株)の取締役会。

こちらはちょっと辛口発言。
それも必要です。

「リーダーとは、
地位ではなく、
責任である」
ピーター・ドラッカー。

東横線、南武線、武蔵野線を乗り継いで、
新小平の駅に着いたら、
「がんばれ 中学受験性」
IMG_4132.JPG8
受験シーズンの真っ最中。

がんばれ。

しかし、君たちには、
うらやましいくらいの未来がある。

日経新聞電子版「経営者ブログ」
インターネットの草分け、
IIJ会長の鈴木幸一さん。
suzuki_s
私は火曜日の朝、必ず、
鈴木さんのごつごつした文章を読む。

今日のタイトルは、
「老人の読む本がない」

だから鈴木さんは分厚い歴史書を読む。
文学は夏目漱石か森鴎外の全集。

「若い作家のつまらない意匠に出合うと、
作者の薄っぺらな意図が
透けて見えたりして、
面倒になるのである」

タイトルとは関係なく、
世評を斬る。

「国会が始まった。
冒頭、首相の演説があって、
まず『働き方改革』といった言葉を聞くと、
世界の緊張感とは
別世界で暮らしている気になって、
落ち着かない」

「『働き方改革』の
良否は分からないのだが、
『ゆとり教育』に次ぐ失敗を
繰り返すのではないかと、
余計な心配をしたりする」

まったく同感だ。

世評と言えば、
昨2017年の完全失業率は、
2.8%。
1994年以来、23年ぶりに3%割れ。

今月の月刊商人舎にも書いたが、
「完全失業率」には、
3%ほどの「ミスマッチ失業率」が、
含まれている。
求人があっても条件が折り合わず、
あえて失業を選ぶ比率。

だから昨年の2.8%の完全失業率は、
もう完全雇用状態を意味する。
しかしだからこそ、
小売業、サービス業、
そして鈴木さんのIT産業なども、
人手不足になる。

だから目指すは、
人間の、
人間による、
人間のための、
真の人間産業。

面白い話題は、
「ギョーザ日本一」

2017年の1世帯あたり購入額。
これも総務省の家計調査。

宇都宮市が4258円、
浜松市は3582円。

全国第一位の座は、
宇都宮が4年ぶりに獲得。

家計調査だから、
スーパーマーケットなど、
内食小売業の売上げ。

日経新聞によると、
宇都宮市は2010年まで、
15年間日本一だった。

2011年に浜松市が逆転。
その後、抜きつ抜かれつ。

2013年には宇都宮市が奪還、
翌2014年に浜松。

そして昨2017年に宇都宮。

たいらや、かましん、オータニ、
それにヨークベニマル、ベルク、
とりせん、ベイシアなどなど。

宇都宮のスーパーマーケットも、
激しく競争しつつ貢献した。

おめでとう。

さてほぼ日の糸井重里さん。
すごいことを書いてくれた。

「たくさん書籍やら雑誌やら
ネット上のメディアやら、
講演会やら勉強会やら
知り合い同士の雑談やらで、
大量に語られていることがある」

「いまの社会は、
どういうふうになっているのか?」

時代に対する「説明と見立て」

「それぞれに、確信を持って
語っている風なのだけれど、
かなりの、大多数の、
いやほとんどすべてが、
『説明は
できているのだけれど、

ハズレている』はずだ」

「そういうことは、
時間が経つとかならずわかる。
ってゆーか、バレる」

怖ろしい。

「しかし、もっともらしい
説明と意見を語ることは、
尊敬を集めたり、
仕事として成立したりするものだから、
たいていの説明者は
それをすることをやめようとしない。
世の中には、確固とした表情の
まつがった説明が、
なにかのガスのように
振り撒かれたままになる」

「いまの社会というものについての説明よりも
人びとがもっと知りたがるのは、
『この先の社会がどうなるのか?』
ということだ」

それを読んで、聞いて、知って、
「損しない対策」を練る。
「得する準備」をしておく。

つまり「損と得」

「ここに、予想者、予報者、
予想研究者などが現れるが、
いちばん求められるのは予言者である」

ん~、予言者。

「かつては、こういう
予想予言などについての考えも、
外国から輸入をすることによって
成り立っていた」

流通業界もそうでした。

「しかし、いまは、
輸入と伝達のしくみが変わったので、
『ただの受け売り』は
すぐにバレてしまう。
予言者の立ち位置にいるのは、
かなり困難だ」

流通業界にはまだ、
その気(け)が残っている。

「予報も、予想も、予測も、
予言だってそうなのだけれど、
『その先(未来)』が
変わって行くというのなら、
『予言者自身がお払い箱になる』ことが、
未来を語ることばのなかに
含まれているはずだと思う」

だからドラッカー先生は、
言い残している。

予想はするな。
モニタリングせよ。

「たいていの予想や予言は、
『社会はこう変わる』ので
『じぶんはうまく行く』
という内容なのが残念である」

糸井さん、今日は辛口だ。
大風呂敷の予想屋の言を、
見たのか、聞かされたのか。

観察し、観測する。
そして考察する。

すでに起こった未来が、
おぼろげながらに
見えてくる。

虫の目、鳥の目、魚の目で、
真摯に見続ける。

だから本当に時代を観る者は、
あくまで謙虚である。

以って、自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2018年01月29日(月曜日)

三浦雄一郎「老いてこそ挑め」と草笛光子「元気が一番 楽するな」

Everybody! Good Monday!
[2018vol5]

2018年第5週。
今週木曜から2月。

年の初めは、時の行くのが、
早く感じられる。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。

毎年毎年、同じように書いているが、
その「往ぬる」スピードは速まるように感じられる。

これでは「LIFE SHIFT」の言うように、
100年時代が来ても、
終わりの20年、30年は、
矢のように過ぎていく。

現実にはその分、
体が動かなくなって行動力が減り、
思考し、考察する時間が増える。

動かないけれど、考えつつ、
時間は早まる。

だから人間としてのバランスは、
維持されるのかもしれない。

私は「85歳まで現役」を標榜しているが、
その現役年齢も少し延ばさねばならない。

そのためにここのところ、
アンクルウェイト訓練をやっている。
IMG_4127.JPG7

足首に巻くオモリ。IMG_4129.JPG7

今のところ1キログラムのウェイトだが、
1日中これを巻いて動く。IMG_4131.JPG8
イオンスタイル豊田も、
サミットストア王子桜通り店も、
これを巻いて歩いた。

足に着けて歩くと、
そんなに負担は感じないが、
手に持つと1キロ×2は結構重い。

慣れてきたら少しずつ重量を増やす。

冒険家の三浦雄一郎さん。
photo3361-1

5キロのウェイトを巻いて訓練する。
13
現在85歳。
「老いてこそ挑め」

日経新聞「私の履歴書」は今月、
女優の草笛光子さん。
1587cbd581da437

女優と言っても、
ミュージカルを主体にしてきた。
それはこれまであまり知らなかった。

その草笛さん。
「自宅での私の一日は朝
自室のカーテンを開けるところから始まる
以前はそのとき
『どうぞ今日一日
良く生きさせてください』と
心のなかで唱えていた
最近ではそれが
『どうぞ今日一日
体を元気でいさせてください』
というふうに変わってきた」

そして自分に言い聞かせる。
「元気が一番、楽するな」

同感だ。
「楽するな」が大切。

草笛さんも84歳。
私もまだまだ。

あと3日で、2月。
その2月のイベントは、
Weekly商人舎に掲載。
2週間販促企画。

2月1日(木)札幌雪まつりが始まる。

2月3日(土)は節分。
2月4日(日)は当然、立春。
2月7日(水)は初午(はつうま)。
京都・伏見稲荷大社をはじめとして、
全国の稲荷神社が初午詣でで賑わう。

そして2月9日(金)から、
第23回オリンピック冬季競技大会。
韓国・平昌オリンピック。
2月25日(日)までの17日間。

2月11日(日)は建国記念の日。
翌12日(月)が振り替え休日。

三連休。

2月14日(水)は聖レンタインデー。
2月16日(金)から、
2017年分所得税の確定申告期間。
3月15日まで。

2月19日(月)は二十四節気の雨水(うすい)。
2月25日(日)は東京マラソン。

もちろん2月は受験シーズン。
大学・高校・中学受験や国家試験など。
人事異動の季節でもあって、
転勤・転居も多い。

「ニッパチ」などと呼ばれて、
商業は閑散期に当たると言われた。
だから商業界の倉本長治主幹は、
2月に本ゼミナールを開催した。

しかし今の2月はそんなことはない。

2月決算の企業はまとめの月。
3月決算の企業は追い込みの月。
イベントも多い。

そんな時には、
人間産業の強みを発揮させたい。

今月の[Message of January]を再び。
人の強みを発揮させよ。

人間の、
人間による、
人間のための産業。
それが小売流通サービス業だ。

平成の年号が変わろうと、
東京オリンピックが開かれようと、
それが人間産業であることは、
永遠に変わるものではない。

AIが仕事を変えようと、
IoTが広がろうと、
ビッグデータが活用されようと、
ロボットが現場に導入されようと。

人間の、
人間による、
人間のための産業。
それは変わらない。

しかし、好況が続けば続くほど、
失業率が低下すればするほど、
その人間産業に人間が集まらない。
ハイテク産業やIT産業に取られてしまう。

だから主婦を戦力化する。
高齢者の雇用を延長する。
外国人研修生を雇い入れる。
派遣労働者を確保する。

もちろんそれには深い意義がある。
ダイバーシティ経営へのシフトは、
21世紀人間産業の必然の軌道であるし、
未来を切り開く可能性を意味している。

そしてこのとき、
一人ひとりの人の強みが発揮される、
風土と文化と仕組みが、
用意されねばならない。

人間の、
人間による、
人間のための産業の、
人間一人ひとりの強み。

Human Industry SHIFTこそ、
好況のときに人間が集まる、
真の人間産業の、
望ましい未来図である。〈結城義晴〉

では、みなさん、今週も、
元気が一番、楽するな。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2018年01月28日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その58】フキノトウ

猫の目で見る博物誌――。
IMG_6903-4-10
「大寒」を過ぎて、一番寒いときです。
そんなころを「款冬華」といいます。
フキノトウが出始めたかな?

「二十四節気」は1年を24に分ける。
だから二十四節気は15日が基準。
さらに「七十二候」は、
二十四節気を5日ずつ3つに分ける。
すると、1年は72に分けられる。
これが「しちじゅうにこう」である。

古代の中国で考え出され、
それぞれの七十二候に名称がある。
それは、気象や動植物の変化をとらえて、
短い漢文になっている。

二十四節気の「大寒」は、
今年は1月20日、
または1月20日から2月3日まで。

その大寒は冷気が極まって、
一年で最も寒さが厳しい時季。

二十四節気の「大寒」も3つに分けられる。
第1が「款冬華」、
第2が「水沢腹堅」、
第3が「雞始乳」。

それぞれに「はるのはなさく」、
「さわみずこおりつめる」、
「にわとりはじめてとやにつく」と読む。

第1の「款冬華」は今年は1月20日〜24日。
フキノトウが雪の中から、
顔を出しはじめるころ。

第2の「水沢腹堅」は1月25日〜29日。
川の水に厚くて堅い氷が張るころ。

第3の「雞始乳」は1月30日〜2月3日。
春の気配を感じたニワトリが、
そろそろ卵を産み始めるころ。

おもしろい。

その「フキノトウ」は、
キク科フキ属の多年草。
「蕗の薹」と書く。
d44m_2906

日本原産の山菜。

フキノトウはフキの蕾(つぼみ)の部分。
フキの花が咲くと、
そのあとに地下茎から茎が出て、
葉が伸びる。
この茎を「フキ」と呼んで食する。
これも春の山菜。

もちろんフキもキク科フキ属。

フキノトウは春先、
いっせいに芽を吹き出す。

自生している天然物は、
雪が解け始める頃に出てくる。
まさに「款冬華」。

フキノトウは、蕾が硬く閉じていて、
締まりがあるものがおいしい。
大きくなり過ぎると、
苦味が強すぎる。

フキノトウはカリウムを一番多く含む。
カリウムはナトリウム、つまり塩分を、
排泄させる機能を持つ。

フキノトウの苦み成分は、
アルカノイドとケンフェール。

アルカノイドは、
肝機能を強化する働きがある。
食べると新陳代謝が促進される。

ケンフェールは、
「発ガン物質を抑制する働きがある」
などとされることがある。
だがそれをそのまま、
POPなどに書いてはいけない。
「発がん物質を抑制する働き」が、
「期待されている」と、
もって回った言い方をする。

それよりもこのちょっとした苦みが、
蕗の薹のおいしさである。

てんぷらなどとてもおいしい。
〈土佐料理 朝比奈〉
s_fuki_tenpura

そつとしておきたき固さ蕗の薹
〈「青胡桃」より小宮山勇〉

フキノトウは春を予感させます。
だから春が待ち遠しいときは、
フキノトウを味わってください。

DSCN8963-2016-4-10-66666
てんぷらなど、いいですね。
もうすぐ節分です。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2018年01月27日(土曜日)

サミットストア王子桜田通り店を訪問して君和田貴信店長に会う

野中廣務さんが死んだ。
1925年(大正14年)生まれの92歳。

イオン(株)の岡田卓也さんと同年。

京都府の園部町町長から京都府副知事、
そして57歳で中央政界に進出、
衆議院議員を7期務めた。
自治大臣、内閣官房長官、
さらに自民党幹事長など歴任。

村山富市、橋本龍太郎、小渕恵三、
そして森喜朗内閣を裏側で支え、
「影の総理」と呼ばれた。

しかし、自身は一度も、
政治資金パーティーを開かなかった。

老獪な政治家という印象が強いが、
弱者への限りなく優しいスタンスは、
他の政治家とは違っていた。
そして差別と闘った。

魚住昭著『野中広務 差別と権力』
510SPRM1SQL._SX356_BO1,204,203,200_

引退の際の言葉。
「今の政治状況は危ない。
みんなが立ちすくんで
一つの方向にざーっと流れていく
怖さがある」

ご冥福を祈りたいし、
野中廣務のような政治家、
どんな時代にも必ず必要だと思う。

今日は、東京都内の北区へ。
サミットストア王子桜田通り店。DSCN9565.JPG8

昨年3月29日にオープン。
ワンフロア442坪のスーパーマーケット。
DSCN9996.JPG8

店長の君和田貴信さんに会った。
いつもの中村聖さんが同席してくれた。
中村さんは広報室マネジャー。
DSCN9918.JPG8

それから店内を案内してもらった。
DSCN9960.JPG8

恵方巻と握りずしの売場。
このところ見た店の中で一番だった。
DSCN9963.JPG8

土曜日の夕方でもあって、
たいへんな繁盛ぶりだ。
DSCN9968.JPG8

「おためし下さい」のコーナーは、
相変わらずいい。
DSCN9969.JPG8

君和田さんは、
部門を超えた食シーンを大切にしている。
DSCN9980.JPG8

サミット随一の店長・君和田さん。
固い握手。
DSCN9955.JPG8

中村さんにも入ってもらって写真。DSCN9957.JPG8
いい店長、いい店。

1日が楽しくなる。
ありがとう。

さて、日経ビジネスの「今日の名言」
失敗を嫌う上司に
提案をする気に
なりますか?
(濱口 道雄ヤマサ醤油会長)
323790
その通りだなあ。

「挑戦と失敗の意義を知り、それを日々、
楽しんでいる人間のところにこそ、
人材もアイデアも集まる」

政治家は絶対に、
ドロドロしたものを
持っていなければならないと思う。

安倍さんには、それがない。

実務家には、
ドロドロしたものは必要ない。
しかし挑戦と失敗の大切さを知ること、
そしてそれを楽しむこと。
これは必須だ。

サミットストアの君和田店長も、
失敗のことを語った。
仕事が楽しくて仕方がないようだった。

だからこそ今がある。

〈結城義晴〉

2018年01月26日(金曜日)

「楽天西友ネットスーパー」提携とWal-Mart州別ベストセラー

インフルエンザ大流行。
この1週間の極寒とは関係ない。

厚生労働省の調査発表。
1月15日~21日の患者数は、
全国の推計で約283万人。
前週から2倍近くの112万人の増加。

1医療機関あたり患者数は51.93人。

これも前の週から2倍近くに急増。

2018年第3週 (1月15日~2018年1月21日)
japan_s

厚生労働省は、
「警報・注意報発生システム」をもつ。

「感染症サーベランス事業」という。
インフルエンザ定点医療機関がある。
全国に約5000。

この医療機関において、
受診したインフルエンザ患者数が、
週ごとに把握される。

この患者数に基準値を設けて、
保健所ごとにその基準値を超えると、
「警報」や「注意報」が発生する。

「警報」レベルは、
大きな流行の発生・継続が疑われる段階。

「注意報」レベルには、
2つの場合がある。
⑴流行の発生前であれば、
今後4週間以内に大流行が発生する可能性。
⑵流行発生後であれば、
その流行がまだ終わっていない可能性。

その「警報レベル」とは、
1医療機関当たり患者数30人だが、
今週はその1.73倍。
強い警報レベルとなる。
なんと1999年以降最多である。

都道府県別に見ると、
44都府県で警報レベルを超えた。

1医療機関あたりの患者数は、
鹿児島が最も多くて86.53人。
第2が宮崎84.97人、第3が福岡83.99人、
第4が大分82.40人、第5が佐賀69.64人。

医療機関の数も影響しているだろうが、
九州にインフルエンザ蔓延の印象。

だから特に九州の店舗、小売企業は、
頑張ってほしいところだ。

ウイルスはA型のH1N1とB型が、
合わせて全体の8割超。

前者は2009~2010年に、
新型として流行したウイルスだ。

例年2、3月に出てくるB型も、
例年より早めに流行している。

複数の型のウイルスが同時に流行し、
患者数を押し上げている。

インフルエンザの予防注射も、
不特定多数の顧客を相手にする商売には、
必須の対策となる。

マスク、手洗い、うがいなど、
店舗や会社、そして家庭でも、
励行したいし、朝礼などで徹底したい。

さて、商人舎流通SuperNews。
楽天news|
ウォルマートと戦略提携/楽天西友ネットスーパー運営

楽天(株)の三木谷浩史会長兼社長と、
ウォルマートのダグ・マクミロンCEO。
握手して戦略的提携を発表した。

2つの合意。
第1は日本国内での提携。
楽天と西友が新会社を設立する。
「楽天西友ネットスーパー」を、
協働運営する。

今年の第3四半期中に事業を開始。
つまり7月から9月の間。

西友のリアル店舗から商品を配送する。
今年中にネット専用配送センターを開設。

第2は米国市場での提携。
北米の楽天のRakuten Kobo Inc.の商品を
米国ウォルマートが独占販売する。

電子書籍やオーディオブック、
そして電子書籍リーダーなど。

イオンの新中期計画で発表されたのは、
マーケットプレースを展開する戦略だ。

私はこの際に、
イオンと楽天とが提携するくらいの、
荒業が必須だと思っていたが、
楽天はウォルマートと組んでしまった。

もちろんアマゾン・ジャパン対策。

そのイオンのマーケットプレース、
そしてセブン&アイのオムニ7。
そこに楽天×ウォルマート西友が割り込む。

いや、イオンとセブンが、
ちょっと置いて行かれるという印象だ。

これでまたネットスーパーの競争が、
スピードアップしてくる。

そのウォルマートが米国で発表している。
20160910_yuuki_01
昨2017年の各州別の、
ベストセラーアイテム。
もちろんウォルマートの店頭、
ウォルマート・コムでの販売実績だ。
walmart.com-Top-Sellers-of-2017
ニューヨーク州は冷蔵庫。
意外に生活感丸出しの東海岸。

南部のテキサス州は、
大型の家が多いからだろうが、
大型スクリーン壁掛け用マウント。

カリフォルニア州は、
プロティン・パウダー。

ワシントン州は、
バニラ・フロスティング。
これは生クリームの一種だ。

西海岸は食べもので、
カリフォルニアが健康志向、
シアトル周辺は甘いもの。

コロラド州は、
ピーナッツ・チョコレート・キャンディ。
こちらもM&Mの甘いキャンディ。

ミネソタ州は、逆に辛いスナック菓子、
フレーミング・ホット・チートス。

シカゴのイリノイ州はなぜか消しゴム。

ラスベガスのネバダ州は、
犬のトリート(オヤツ)。
ニュー・メキシコ州はキャット・フード。

アラスカ州はRVと船などの不凍液。
ハワイ州はバービー・ファーマー人形。

面白い企画だ。

日本でもイオンやセブン-イレブン、
ローソン、ファミリーマートなど、
ナショナルチェーンは、県別に、
ベストセラー商品発表企画が展開できる。

それにしてもウォルマート×楽天。
こういったアライアンスは、
どんどん進む。

強いポジショニングを持つならば、
同盟関係や提携関係の中でも、
十分にアイデンティティを堅持できる。

それができなければ、
提携相手のポジショニングに、
のみ込まれてしまう。

ドン・キホーテとユニーは、
その典型的なパターンとなるだろう。
20180111_uny_02
ひどく寂しいけれど。

〈結城義晴〉

2018年01月25日(木曜日)

愛知県のプライムツリー赤池とイオンスタイル豊田を訪問

京大iPS細胞研究所の論文不正問題。
ノーベル賞受賞の山中伸弥教授が所長。

36歳の助教授が論文の図など17カ所で、
捏造や改ざんをした。

「見栄えをよくしたかった」
それが当該研究者の釈明。

iPS研究所も不正防止に努めてきたが、
「気がつくと形骸化していた」

毎日新聞「余録」は言う。
「真理を突き詰めもすれば、
ねじ曲げもする人間の性という
科学研究の難所である」

真理を突き詰める。
真理を捻じ曲げる。
どちらも同じ人間がやること。
それを人間の性(さが)という。

山中教授は所長としての責任を取って、
給与を全額寄付するという。

一方、日本カヌー連盟の事件。
ライバル選手の飲み物に、
禁止薬物を混入させて、
ドーピング検査で陽性とさせた。

朝日新聞の「視点」は、
「結びつかぬ人物像、悪質行為なぜ」と、
一方的な糾弾だけではない見解を示した。

「会う機会があればわかるが、
まじめで礼儀正しいしっかりした人だ」

ということはこれも、
人間の性と考えているのかもしれない。

「罪を憎んで人を憎まず」
孔子の「孔叢子」刑論の言葉。
罪人の心情は憎むが、
人そのものは憎まない。

新約聖書の「ヨハネ福音書」にも、
「罪を憎んでも人を憎まず」がある。

しかしそうはいっても、
「見栄えをよくする」だとか、
「気がつくと形骸化していた」とか、
「まじめで礼儀正しい」とか。

真理を捻じ曲げた言い訳を聞くほどに、
罪を憎まずにはいられない。
だがそれでも私たちは、
人を憎まずの心構えを、
どんなときにも忘れてはならないと思う。

ただし、事件を起こした当該者は、
断じて甘えてはならない。

そして自ら罪を憎みつつ、
真理を捻じ曲げてはならない。
どんな小さなことであろうとも、
二度と真理を冒とくしてはならない。

真理に対しては、
ひたすらストイックでありたい。

今日は今季最強寒波が日本列島を襲った。
東京都心の最低気温は氷点下4度。
1970年以来48年ぶり。

記録的な寒さの中、
新幹線で名古屋へ。

小田原あたりからの富士。
空気が澄んでいて美しい。 DSCN9784-1

富士市の手前から
富士の頂が再び現れる。DSCN9796-1

ひと月前に見た時よりも、
すそ野の雪が広がっている。DSCN9798-1

新幹線はこの雄大な山を回り込んで、
そのすそ野の優美な全景を見せてくれる。DSCN9803-1

頂上から筋状に伸びた雪。
冬の富士山。
DSCN9811-1
今日も感動した。

人間の性も小さく感じた。

名古屋に到着すると、
地下鉄東山線で日進市の赤池へ。
「プライムツリー赤池」
DSCN9837-1

昨年11月24日にグランドオープン。
DSCN9839-1

ディベロッパーは、
㈱セブン&アイ・クリエイトリンク。
核店舗は(株)イトーヨーカ堂。
今回はスーパーマーケットでの出店。
DSCN0040.JPG8

セブン&アイとしては、
東海地方で初となるショッピングモール。
DSCN0046.JPG8

敷地面積は約4万4700㎡、
店舗面積は約4万3600㎡。
建物構造は1階から4階まで。
テナントは約180店舗。

1階はイトーヨーカドーを中心に、
無印良品とユニクロ。
DSCN0052.JPG8

2階はビック×コジマとGUやライトオン、
ABCマートなどアパレルと服飾。
DSCN0054.JPG8
3階は赤ちゃんホンポと紀伊国屋書店。
そして4階にはシネマコンプレックスで、
約1800席ある。

「プライムツリー赤池」は、
その名のとおり「プライム=極上」。
したがって郊外のモールとしては、
百貨店のような内外装のデザインで、
価格帯、商品構成もアップスケール型。

1階から3階まで「フードホール」を設けて、
さらに話題を集めたショップが、
期間限定で出店する。
つまり、ポップアップストアである。

目玉はサービスカウンター。
ここにAI接客ロボットが、
1人というか1台というか。
話しかけると、
にこやかに答えてくれる。DSCN9850-1
新しい試み満載の商業集積だが、
果たして成果は上がるのだろうか。

日進市赤池からさらに豊田市へ。
イオンスタイル豊田。

こちらは1975年開業の箱型総合スーパー。
それを全面建て替えして、
昨年9月7日にオープン。

今日は井上良和店長の取材。DSCN9867-1

2時間ほど話を聞いた後、
店内を案内してもらった。DSCN0084.JPG7

井上店長が1年半ほど先乗りして、
マーケットリサーチをして、
店舗コンセプトやフロアレイアウトなど、
自ら考案した店だ。DSCN0090.JPG8
私はイオンスタイルの「総合」は、
この店によって、
新しい局面を迎えると感じた。

詳細は月刊商人舎2月号へ。

最後に井上店長を囲んで、
イオンリテール㈱広報部のお二人と写真。
DSCN0082.JPG7
吉田和弘さんは、
経営企画本部広報部マネージャー。
川瀬智子さんは、
東海・長野カンパニーの広報担当。

ありがとうございました。

セブン&アイのモールと、
イオンの箱型総合スーパー。愛知県ではこれに、
ドン・キホーテと連携したユニーが、
三つ巴の総合競争を展開する。

いずれの店も真摯に、
自分の真理を追究してもらいたいものだ。
真理を捻じ曲げてはならない。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.