明日2月9日から、
平昌冬季オリンピック開催。
そのあとパラリンピック。
北朝鮮は世界中の批判のなか、
軍事パレードをするが、
これも幼児的示威行為でしかない。
「オリンピック憲章」
〈61.宣伝と広告〉
「オリンピック・エリアにおいては、
いかなる種類のデモンストレーションも、
いかなる種類の政治的、宗教的もしくは、
人種的な宣伝活動も認められない」
「オリンピック・エリアでの」との定義だが、
「オリンピック期間」に改めるべきだろう。
その「平昌」は日本のメダルラッシュ。
1998年長野五輪を超えると期待される。
すなわち金メダル5、
銀メダル1、銅メダル4。
ならば、これは冬季五輪最多。
第1にスピードスケート女子短距離。
小平奈緒は500mで世界戦24連勝中。
1000mでも世界記録で連勝。
高木美帆もそれに準じる。
得意の1500mでは、
今季のワールドカップ4戦全勝。
3000mも今季のW杯で初勝利。
高木が主力となる女子団体追い抜きも、
日本が圧倒的に強くて金メダル確実。
チームパシュート、2400m。
第2は、ノルディック複合の渡部暁斗。
2014年ソチ五輪で、
個人ノーマルヒル銀メダル。
世界選手権は2009年に団体優勝。
Wカップは2015~2016年に、
個人総合2位が3回。
第3は、スノーボード男子ハーフパイプ。
平野歩夢は4年前のソチ大会銀メダリスト。
平岡卓もソチで銅メダル。
第4はフィギュアスケートの、
羽生結弦と宇野昌磨。
第5は、女子スキージャンプ高梨沙羅。
ソチではまさかの4位だったが、
昨シーズンWカップは、
17戦中14勝で総合優勝。
このあたりはほぼメダル確実か。
開会式前日の今日から、
すでに競技が始まっていて、
大いに楽しめる。
健闘を祈りたいものだ。
今日は横浜商人舎オフィスに、
㈱万代のお二人が来訪。
人事部マネジャーの津田睦さんと、
東尾里江さん。
今年の3月からスタートするのが、
万代知識商人大学第3期。
お二人はその事務局。
全カリキュラムの打ち合わせ。
改善策を検討して持ってきてくれた。
来年1月までの10講座。
30人の受講生も決まって、
さらに充実した内容になる。
そして2019年1月には修了式。
第1期30名、第2期32名。
第3期で92名となる。
スーパーマーケット業界で、
一番初めにできた企業内大学。
さて、日経電子版「経営者ブログ」
高原豪久 ユニ・チャーム社長。
今回のテーマは、
「ひとりの豊かさ」を大切にする
高原さんが強調するのは、
「ひとりで過ごし、物事を深く考え、
感受性や思考を研ぎ澄ますこと」
それが良い仕事をする上で、
「欠かせないもの」。
高原さんにしては珍しく、
文学的な表現のブログとなった。
我が国で自ら命を絶つ人は、
1年に2万人を超える。
この問題の根本的な解決のためにも、
高原さんが訴えるのは、
一人ひとりの「自立」。
同感だ。
このような社会問題について、
議論がなされると必ず出てくるのが、
「だれも『独りぼっち』にしない社会へ」
「皆が幸せになれる社会を」など。
「もちろん否定はしませんが、
これを実現するには
『自立した強い個』へ、
一人ひとりがいかにして成長するかを
合わせて議論する必要があります」
そのとおり。
私はこれを、
「脱グライダー商人」と、
表現する。
高原さんは問題提起する。
「日本人は本当に、
『個』が弱いのでしょうか」
「日本人=個性に乏しく周囲に流されやすい」
「欧米人=個性が強く、協調が苦手」
ステレオタイプ的なイメージがある。
「それは誤りなのではないでしょうか。
むしろ、日本人は昔から
『個』の重要性を強く認識しており、
『ひとり』を大切にしてきたと思います」
そして万葉集の柿本人麻呂の歌。
あしびきの
山鳥の尾の
しだり尾の
ながながし夜を
ひとりかも寝む
「これは自然と向き合って、
孤独を噛みしめ、
これを味わった一首です」
さらに明治から大正の時代、
尾崎放哉の俳句。
「咳をしても一人」
これは自由律俳句。
「事業に失敗し、家族とも別れ、
結核の苦しみの中で詠んだこの句には、
全宇宙と自分との関係が
表現し尽くされていると言われています」
「このように日本人は『ひとり』を
単純に『寂しい』ものとして
受け止めるのではなく、
むしろ本質的には
豊かな時間や空間であると
考えていたのではないでしょうか」
そして高原さんは実感する。
「ひとりの豊かさを大切にするDNAが、
自分の中に受け継がれている」
だから「ひとり、孤独の中で、
自分自身を見つめなおすこと」
ここから始めなければ、
「強い個」や「個の自立」などは、
絵に描いた餅で終わる。
「協働」や「助け合い」などの
「耳障りの良い言葉」ばかりを交わし、
「実際には『どうせ誰かがやってくれる』
といった依存体質に陥っている」
このような状態に陥らないためには、
第1に「人と交わる前に、
ひとりで悩み抜き、考え抜いて、
個を磨くといった、
しっかりとした事前準備が大切」
第2に、「集団の交わりの中で
『自らの個を磨くこと』を
強く意識して参画しなくてはならない」
強い個をつくる。
その自立した個の集団が
強い組織となる。
オリンピックに参加できるのも、
メダルを獲得できるのも、
「ひとり、孤独の中で、
自分自身を見つめなおす」者だ。
「強い集団・組織を作るためには、
まず一人ひとりが、
『ひとりの豊かさ』を重視し、
感受性を磨き、
自分の人生や仕事について
深く考えるといった
孤独の時間や空間をもっと
大切にしなければなりません」
これはリーダーの在り方でもあると思う。
「マネジャーとリーダーは、
100%異なる」
月刊商人舎2月号で、
そのことを掘り下げる。
「磨かれた個性を集団・組織の中で
十二分に発揮することこそ、
我が社が目指す『共振の経営』の実現に
つながると考えています」
ユニ・チャームの「共振の経営」、
「強い個」によって構成された「強い組織」。
高原さんはそれを言いたかったのだろう。
私は「ひとりの豊かさ」とともに、
絶対に「競争」が必要だと考えている。
拙著『Message』より。
「天の邪鬼」
競争は、闘争とは違う。
その混同は、成長と膨張を
錯覚することに似ている。
競争を拒否する者は、
理念的平和主義者なのか。
それとも怠け者のキリギリスなのか。
一見、温厚なヒューマニストに映るが、
それは怠惰な
天の邪鬼にほかならない。
天の邪鬼が
競争から逃避しつつ
闘争を煽る。
政治の世界にも、行政にも、
業界や会社にも、
天の邪鬼の群れが潜んでいる。
それは、
私自身の心のなかにも、
あなたの心のなかにも。
この天の邪鬼を退治するには、
勇気をもつこと、
競争環境を整えること。
疲弊を癒す活力は、
良質の競争の中にしか
ない。
〈結城義晴〉