平昌冬季オリンピック開幕。
なんだかんだ言っても、
南北朝鮮が女子アイスホッケーなどで、
合同で参加する。
それはイデオロギーを超えて、
すなわち政治を超えていて、
オリンピック憲章の精神に則って、
世界平和に貢献する。
しかしそれはいかにも政治的である。
これがこの憲章自身の、
ポストモダンとしての問題点でもある。
古代オリンピックは、
ギリシャで行われたオリンピアの祭典。
近代オリンピックは、
1896年にクーベルタン男爵によって、
再現された世界スポーツ大会。
アマチュアリズムが原点にあった。
だとすると現代オリンピックもある。
それがポストモダン憲章の、
新しい考え方であろうが、
もしかしたらそこには、
逆に、地球規模の政治的な意図が、
働くことになるのかもしれない。
これもヘーゲルの弁証法で考えるとよい。
古代オリンピックがテーゼ、
近代オリンピックはアンチテーゼ、
現代オリンピックはジンテーゼ。
いずれにしても、
現代ではプロフェッショナルの、
アスリートたちの妙技を楽しもう。
さて、大事件。
イオンとソフトバンク&ヤフー。
インターネット通販事業で
同盟を結ぶ。
NHKと日経新聞。
どちらかがお昼ごろスクープして、
一挙に既成事実化した。
イオンも、ソフトバンクも、ヤフーも、
正式決定していないとコメントしている。
両者の報道では、
「イオンの店舗や物流網と
ソフトバンク・ヤフーのITのノウハウを
組み合わせ、新たなサイトを開設する」
私はイオンの店舗にいる、
人間産業の人間たちこそが、
大きな力を発揮すると考えている。
それはイオンに限らない。
店舗網や物流網はハードウェアだ。
そこにはソフトウェアがあって、
さらにヒューマンウェアがある。
それがなければ「店」ではない。
商業界刊『岡田卓也の十章』
私の(株)商業界への置き土産の本。
第一章は、
「建物」が多いだけで「店」は少ない。
名誉会長相談役の岡田卓也さんは、
ハードウェアはあっても、
ソフトウェアはまだまだだという。
ヒューマンウェアはもっと足りない。
「消費行動がネット型にシフトする中、
米アマゾン・ドット・コムや、
米ウォルマートと提携した楽天などとの
競争が激しくなりそうだ」
「ヤフーとイオンはそれぞれ
ネット通販を手掛けているが、
両社のノウハウを掛け合わせる。
食料品や衣料品、日用品などを、
幅広く扱う。
楽天のように他社の商品も扱う
『マーケットプレイス』型のサイトを
想定している」
これは月刊商人舎1月号。
「イオン社長 岡田元也の真意」
この中で「マーケットプレイス」に関して、
私は「プラットフォーム」であると見た。
さらに1月26日のこのブログでは、
楽天・ウォルマート戦略提携を取り上げた。
こちらは2つの合意。
第1は日本国内でのアライアンス。
楽天と西友が新会社を設立する。
「楽天西友ネットスーパー」を、
協働運営する。
西友のリアル店舗から商品を配送する。
第2は米国市場での提携。
北米の楽天のRakuten Kobo Inc.の商品を
米国ウォルマートが独占販売する。
こちらはまあ、付け足しの案件。
ウォルマートにとって大したことはない。
そして書いている。
「私はこの際に、
イオンと楽天とが提携するくらいの、
荒業が必須だと思っていたが、
楽天はウォルマートと組んでしまった」
そう、イオンは、
楽天とアライアンスを組むか、
あるいはヤフーとともに、
プラットフォームをつくらねば、
もう間に合わない。
そう思ったのは、
岡田元也さんの記者会見のときだった。
もちろんアマゾン・ジャパン対策である。
現在の日本のインターネットモールは、
⑴楽天市場
⑵Yahoo!ショッピング
⑶ポンパレモール(リクルート)
⑷Wowma!(ワウマ、KDDI/DeNA)
⑸Amazon
などなど。
しかし楽天はウォルマートと組んでしまった。
アマゾンはもちろん独自に展開している。
だとするとイオンは、
Yahoo!ショッピングと組むしかない。
いやもう、それは、
先行して進められていた。
楽天&ウォルマートが先に発表した。
もう、国際的にも、
プラットフォーム構築競争は、
大きな同盟の時代である。
昨年の商人舎3月号特集。
商品情報Platform
「商品Master/商品Contents」の共有と競争
そしてプラットフォーム戦略の5つの機能。
1 マッチング機能
2 コスト削減機能
3 検索コストの低減機能
4 外部ネットワーク効果機能
5 三角プリズム機能
これこそ「商業の現代化」が実現させる、
新しい時代の「流通」である。
オリンピックもショッピングモールも、
ポストモダンの時代である。
〈結城義晴〉