月刊商人舎2月号。
おかげさまで好評です。
特集は、
優れた店長 愚かな店長
ポストモダンのストアマネジャー・リーダーシップ
どんな店長も尊い仕事をしています。
しかし、それでも、優劣はついてきます。
マネジメントとリーダーシップに、
一人ひとり、差があるからです。
それはどんなことなのか。
イオンリテールの井上良和店長。
サミットの君和田貴信店長。
わざわざ人選していただいて、
すごい店長が登場してくれました。
感謝します。
ピーター・ドラッカーは、
どんなアドバイスをしているか。
井坂康志さんが、
素晴らしい原稿を寄稿してくれました。
ドラッカー学会事務局長。
商人舎特任研究員の嶋内仁さんは、
学術論文を寄稿してくれて、
「ポストモダンの店長論」を展開します。
私は荒井伸也さんと、
渥美俊一・川崎進一両先生の店長論、
そしてマーカス・バッキンガムを引用。
バッキンガムのマネジメント理論は、
知っておく必要があるでしょう。
通常は年決め購読ですが、
店長特集ですので、
単品販売をします。
申込書はこちら。
月刊『商人舎』2018年2月号申込書
プリントアウトして、FAXください。
または、商人舎お問い合わせまで。
それからもう一つお知らせ。
この商人舎公式ホームページのトップに、
恒例の研修会二つのお知らせがあります。
①商人舎ミドルマネジメント研修会
②USA視察研修会Basicコース
①のミドルマネジメント研修は、
中堅幹部のための勉強会。
もう13回目になります。
6月19・20・21日の火水木曜日。
いつもご参加くださっている企業は、
早めの申し込みをお願いします。
席は申し込み順です。
つまり、前のほうの席は、
早い申込みで確保できるのです。
初めてご参加の企業は、
出来ればトップマネジメント、
社長、専務、取締役、
または人事教育担当の皆さんが参加して、
どんな内容の研修かを知ってください。
商人舎の人間力経営の考え方が、
よくわかっていただけると思います。
②のUSA研修Basicコースは、
2010年にスタートして、
もうすでに400名を超える参加者を輩出。
日程は5月15~21日。
ラスベガスに腰を据えて1週間、
アメリカ小売業を学びながら、
「見る・聞く・考える」を徹底します。
「虫の目・鳥の目・魚の目」で、
日米流通業を学びます。
どちらの研修も基本テーマは、
「自ら、変わる!」
参加してください。
派遣してください。
さて、平昌冬季オリンピック。
日本のメダルラッシュはうれしいけれど、
何とも政治色が強くて、
本来の精神が損なわれている。
日本経済「オピニオン」の「創論」。
「米中は共に栄えるか」
アメリカと中国の二人の学者が登場。
「ツキジデスのわな」
これをテーマにそれぞれ見解を披露する。
ツキジデスは古代ギリシャの歴史家。
ペロポネソス戦争を題材にした、
『戦史』の著者。
まずハーバード大学グレアム・アリソン教授。
クリントン政権で国防次官補を務めた。
「ツキジデスは、
新興国が覇権国の地位を脅かすときに
生じる危険な状態を論じた。
通常なら容易に
処理できる出来事であっても、
そうした状態では
どちらかが何か対応が必要と感じ、
相手も対応せねばと考え、
ついに望まなかった
戦争に至るような状況が
生まれることを教えている」
「私たちが過去500年間を調べたところ、
新興国が覇権国の地位に
脅威をもたらしたケースが16件あり、
うち12件は戦争になった」
「米中戦争が不可避とみるのは
正しくないが、
歴史を根拠に米中の状況は
きわめて危険だというのは正しい」
つまりアリソン教授は今、
米中関係は危険であるという認識。
それを回避するには。
「とてつもない想像力と適応力だ。
歴史を学び、戦争につながった
過去の政府による過ちや、
戦争を避けるのに役立った行動を
知ることだ」
つまり「魚の目」をもつこと。
私がアメリカに行く時にいつも強調する。
「虫の目・鳥の目・魚の目」
「虫の目」とは現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。
「鳥の目」は大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。
「魚の目」は流れを見る力。
時間の経過の中で、
現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。
「ツキジデスのわな」はもちろん、
魚の目のことだ。
「かつて覇権国だった英国は、
米国が台頭してきたとき、
重大な国益と単なる既得権を
区別して対応した」
かつてのイギリスは賢かった。
もう一人は中国人。
清華大学の閻学通国際関係研究院院長。
カリフォルニア大学バークレー校で、
博士号取得。
中国を代表する国際政治学者の一人。
「ツキジデスのわな」に関して。
「まず『わな』の意味を
はっきりさせる必要がある。
ツキジデスは既存の覇権国家スパルタと
新興のアテネが対立し、
最後は戦争に至った例を取り上げた。
もし『わな』が戦争を
避けられない状況を意味するなら、
私はアリソン氏の考えに同意できない。
いまの中米間に
戦争が起きる危険はないからだ」
閻院長は戦争は起きないと断定する。
理由は3つある。
「第1に両国は核兵器を持っている。
冷戦期に米国とソ連は
どんなに対立しても、
戦争にはならなかった。
核兵器が戦争の回避を保証していたのだ」
「第2にグローバル化の進展だ。
両国民の往来は飛躍的に拡大した。
冷戦期の米ソ間にはなかったことだ。
中国人と米国人の国際結婚が
これだけ増えている状況のもとで、
戦争は両国民の支持を得られない」
「そして第3に、中米両国とも
世界のリーダーになりたいと
思っていない。
重い責任を背負わされれば、
自国の経済発展に影響すると
心配しているからだ」
「冷戦期には米国が資本主義の、
ソ連が社会主義のそれぞれ
リーダーになろうとした」
「いまの中米はまったく違う。
むしろ責任を押しつけ合っている。
だから私は中米間で戦争どころか、
冷戦も起きないと考えている」
戦争は起きない。
だが競争は激化する。
「中米関係の本質は競争にある。
新しく勃興した大国と、
すでに存在する覇権国とのあいだに
競争が生まれるのは必然だ」
「貿易戦争という言葉はあっても、
人が死ぬわけではない。
それは競争の結果にすぎず、
たいして危険ではない」
私は思う。
「ツキジデスのわな」は知っておくべきだ。
そのうえで、戦争は避け、
競争は起こしてしかるべき。
冬季オリンピックでも、
米中、そして南北朝鮮も日本も、
どんどん競争すべきだ。
ただし競争には、
正当なルールがなければいけない。
そのルールがゆがんだりしないように、
コンセンサスが必要だ。
スポーツにはそれぞれに、
厳然たるルールがある。
国家間の経済の競争にも、この、
厳然たるルールはないものか。
日経ビジネスオンライン「今日の名言」
業務の中身を精緻に検証して
問題を見える化し、
きちんと対策を打つ。
良い品質は良いプロセスから
生まれます。
〈佐々木 眞一トヨタ自動車技監
日本科学技術連盟理事長〉
「問題は大きくなる前に
『見える化』すること」
「不正が起きたという
結果ばかりを見るのではなく、もっと
プロセス志向になる必要があります」
米中関係も、日米中関係も、
南北朝鮮関係も、
プロセス志向で、
「見える化」できるといいのだが。
もちろん私たち自身の仕事や業務も、
プロセスを大切にして、
「見える化」したいものだ。
自分の仕事をあるべき形にできれば、
トランプにも習近平にも、
キム・ジョンウンにもムン・ジェインにも、
そして安倍晋三にも、
一市民として堂々と向き合える気持ちに
なれるというものだ。
そのときに「虫の目・鳥の目・魚の目」は、
私たち自身の武器にもなる。
〈結城義晴〉