結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年03月04日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その62】鰆(サワラ)

猫の目で見る博物誌――。
IMG_6903-4-10
春の魚は、サワラ。
「魚」に「春」と書いて、「鰆」です。

サワラは、
スズキ目・サバ科に属する海水魚。
学名はScomberomorus niphonius。
sawara

サバの仲間だが、上品な味だ。

そして「出世魚」。

稚魚から成魚までの成長の段階で、
異なる名称を持つ魚。

サワラは大型の、細長くて平たい体形。
「狭い腹」だから「狭腹」と書いて、
「サワラ」と読む。

幼魚は「サゴシ」。
40~50㎝で、
「狭い腰」から「狭腰」ともかく。
50~60㎝を「ナギ」、
そして60㎝以上の成魚を、
「サワラ」と呼ぶ。

春の魚の代表のように見られているし、
俳句の季語でも春。

しかし、サワラは春に産卵し、
その産卵のために沿岸に近づく。
だから春に人間の目に留まりやすい。

そこで「春を告げる魚」として、
「鰆」となった。

その春から夏、秋にかけては、
海岸線に近い沿岸の、
海面に近い表層を群れで遊泳する。
この時期に成長する。

冬になると深場に潜る。
成長しない。

動物に多いが、
メスの方がオスよりも大型。
寿命もメスが8年ほど、
オスは6年くらい。

産卵期は春から初夏。

生後1年ほどで40~50cmほどに成長し、
以後は2歳で68cm、3歳で78cm、
4歳で84cmといった成長を見せる。

色は背側が青色、腹側が銀白色。
体側には黒っぽい斑点が列になって並ぶ。

口は大きくて、
鋭い歯をもつ。

食性は肉食で、
小魚を捕食する。

体内にはウキブクロがない。
エラも少ない。

身には水分が多いし、やわらかい。
魚は大抵、頭に近いほうがうまい。
しかしサワラは尾の側が美味。
上品な味わいで、
青魚と白身魚の長所を兼備している。
pixta_10762191_S
高タンパクなうえ、
DHA・EPA・ビタミン・カリウムも含む。

分布は東アジアの亜熱帯から温帯の海域。
北海道南部沿海から東シナ海あたりまで。

日本では焼き魚にして食べる。
西京味噌を使った西京焼きもうまい。
もちろん唐揚げもいい。

身が軟らかくて、
煮ると崩れやすい。
だから煮物には向かない。

春が旬の魚とイメージされているが、
本当に味がよいのは秋・冬である。

冬は深海に潜るから漁獲量が減るが、
脂が乗って、「寒鰆」として美味。

旬といふ声に惹かれて鰆買ふ
〈佐藤良二 『末黒野』より〉

旬というのは春から夏にかけてだろう。

鰆とは知らずに食べてをりにけり
〈『ホトトギス』より 稲畑汀子〉

この句の季節はわからない。

生きる事まだ飽きもせず鰆食う
〈貝田遊山『集』より〉

出世魚だからだろう、
こう言った諦念の句もある。

春を告げてくれる魚。
DSCN8963-2016-4-10-66666
でも出世魚。
大きくなるにしたがって、
名前が変わります。

猫は、子猫から猫になるだけ。
それでも全然、問題はありません。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.