5月。
新年1月から数えて5番目の月。
わかりやすい。
皐月(さつき)。
日本全国、田植えの月だったから、
「早苗月(さなえつき)」と言い合っていた。
この「なえ」、文語では「なへ」が削除され、
「さつき」となった。
いま、田に水が張られ、
苗が植えられる。
実に美しい。
英語で“May”。
ローマ神話の女神Maia(マイア)の月。
マイアは「豊穣」を司る大地の女神だ。
それがラテン語の”Maius”で、
フランス語やドイツ語の”Mai“になり、
やがて英語のMayとなった。
だから大地の豊穣を祈る月。
日本の早苗月と似ていなくもない。
今日から5月で、
これまたとても陽気のいい1カ月だ。
ただし私はいつも、
アメリカやヨーロッパに行っている。
あちらもいい季節だけれど、
日本の5月はほんとうにいい。
満喫しつつ、仕事に励みたい。
5月にはなにか、
創造的な仕事ができる。
絶対にこれは確かだ。
新しいアイデアを想起するもいい。
論理的な考察をするもいい。
芸術的な売場や陳列作品をつくるもいい。
素敵なPOPを描くもいい。
5月には必ず、
創造的な仕事ができる。
それに打ち込むことだ。
私も5月はいつもに増して、
それをする決意だ。
大好評の商人舎流通SuperNews。
東急ストアnews|
GWに400名の子ども対象「レジでおしごと体験!」開催
ゴールデンウィーク特別企画として、
「東急ストアのレジでおしごと体験!」。
エプロンと三角巾を着用した子どもたち、
実際に売場のレジを体験する。
保護者が購入する商品を担当するから、
親子参加型イベントとなっている。
いいなあ。
店員さんが事前に紙芝居で、
レジ操作や接客について説明する。
これもいいなあ。
昨2017年の夏休みに、
35店舗で開催して、
300名以上が参加。
もちろん大好評。
そこで今年初めて、
ゴールデンウィークに実施する。
とてもいい。
こんな想像力を働かせたい。
しかし、しかし。
日経電子版「経営者ブログ」
(株)IIJ会長鈴木幸一さんは、
日本のインターネットの生みの親。
「それにしても、
さまざまな問題はあるにしろ、
本当に、いつまで休んでいるのだろう。
国会のことである」
同感。
朝鮮半島情勢は大きく変化している。
欧米では金融・財政の垂れ流しから、
“出口戦略”に向かい始めている。
「世界は大きな変化に向かって、
動き出している」。
「だが、日本の国会は、
ゴールデンウイークよりもはるかに
長い休暇に入ったままだ」
「日本は、世界情勢の変化を尻目に、
弛緩したままのようだ」
同感。
仕方がないから、
仕事に邁進しよう。
最後にふたたび、流通SuperNews。
セインズベリーnews|
ウォルマート傘下アズダと合併/年商510億ポンドへ
日経新聞では囲み扱いのニュースだが、
イギリス小売業にとっては大事件だ。
日本にたとえると、
セブン&アイとユニーファミマが、
アッと驚く統合をするようなものだ。
そしてその一方が、
ウォルマートに買収された完全子会社。
アズダは日本ではもっと規模のある西友。
イギリスはスーパーマーケットの国だ。
代表小売業が食品スーパーマーケット。
1位がテスコ。
2位がセインズベリー、
3位がアズダ。
このアズダがウォルマート傘下で、
セインズベリーと激しく、
2位争いを繰り返している。
その2位と3位のコンビネーション。
年商510億ポンドになる。
今日の為替で7兆6500億円。
店舗数2800店以上、従業員33万人。
そしてテスコを抜いてしまう。
しかもeコマースも多彩だ。
合併後の委員会議長は、
セインズベリー社チェアマンのデイヴィッド・タイラー。
合併会社の経営執行トップは、
セインズベリーCEOのマイク・クープ。
ウォルマートからは国際部門CEO、
ジュディス・マッケンナが、
非常勤取締役として統合委員会に参画。
アズダは現CEOロジャー・バーンリーが、
合併会社のグループ運営委員会に参加。
〈真ん中がマッケンナさん〉
このなかで、クープとバーンリーが、
実はセインズベリーとアズダの、
両社に属して、仕事した経験を持つ。
早期の融合も可能だろう。
セインズベリーは、やや、
アップグレードのスーパーマーケット。
アズダは廉価型スーパーマーケット。
ウォルマートのEDLPを踏襲している。
テスコはその両方を相手にする、
マーケットリーダーだ。
これまではそのテスコに、
両社ともにやられていた。
マーケットチャレンジャー、
マーケットフォロワー。
どちらもフォロワーだった。
しかしデュアルブランド戦略を前提に、
セインズベリーとアズダが統合すると、
今度はテスコをオセロのように、
サンドイッチすることも可能だ。
すごい競争が繰り広げられる。
しかも、この3社を追い詰めているのが、
ドイツからやってきたアルディとリドル。
小型ハードディスカウンター。
リミテッドアソートメントで、
ウォルマートよりも安い。
さらにさらにAmazonの脅威がある。
それはアメリカや日本だけではない。
大多数のローカルチェーンは、
真の専門スーパーマーケットでなければ、
簡単に蹴散らされてしまう。
つまり中小の地方企業は、
本物のマーケットニッチャーになること。
そんな激烈な競争のなかで、
セインズベリーとアズダが統合した。
これは日本においては、
「すでに起こった未来」となるに違いない。
その未来がいつやってくるのか。
そのタイミングがいつなのかだけが、
これからの関心の中心となるだろう。
真の目をもってモニタリングし続ければ、
それはおのずと判明するはずだ。
目が曇っていては、それができない。
これこそ5月の創造的な仕事である。
〈結城義晴〉