ゴールデンウィークの連休中は、
真夏日や夏日が続いたが、
それが明けると急に気温が下がった。
今日は曇り空の12度ほど。
日経新聞電子版の経営者ブログ。
毎週火曜日の朝は、
鈴木幸一さん。
(株)IIJ会長で、
日本のインターネットの草分け。
鈴木さんは半月ほど前に、
米国からカナダに出張。
連休中は、ニューヨーク。
その間、わずかな隙間を縫って、
出張が続く。
私と似ている。
「旅から旅といえば、
いささかの風情を感じるのだが、
芭蕉や西行と違い、
“見る処花にあらずといふ事なし。
思ふ所月にあらずといふ事なし。
像(かたち)花にあらざる時は
夷狄(いてき)にひとし」
「夷」は未開の人、「狄」は野蛮人の意味。
「夷狄」は未開の野蛮人、あるいは外国人。
「そんな心の琴線に触れながら
旅に生きた大詩人とは異なり、
飛行機を乗り継ぎ、空港、ホテル、
オフィスの行き来に終始しているだけで、
その行動は東京で働く日々と変わらない」
私の場合、これに店という現場が加わる。
「芭蕉の言葉に従えば、私の日々は、
狄に等しい旅がらすである」
同感。
鈴木さんは照れながら、
芭蕉の言葉を持ち出す。
「終(つい)に無能無芸にして、
只(ただ)此(こ)の一筋に繋がる」
鈴木さんの述懐。
この「生き方をする人間が、
どんどん少なくなってきている気がする。
若い頃は、工場に行くと、
金型一筋とか、旋盤一筋といった
職人に教えられることばかりだった」
芭蕉は俳句の道一筋。
鈴木さんはインターネット一筋。
私は流通一筋。
さてアメリカの労働統計局。
4月の米国失業率を発表。
なんと3.9%。
3月は4.1%だったから、
さらに下がった。
2010年には9.6%、
1982年には9.7%だった。
アメリカの4月の失業者総数は、
3月から減少して630万人。
一方、雇用数の前月からの増減。
製造業プラス2万4000人、
卸売業マイナス9800人、
小売業プラス1800人、
公益事業プラス1000人、
情報産業プラス7000人、
専門職5万4000人、
教育保健業界プラス3万1000人、
レジャー産業プラス1万8000人、
その他サービスプラス1万4000人、
公務員数マイナス4000。
日経の記事はこう分析する。
「過去6カ月4.1%だった失業率が0.2%下がり
活発な雇用を示している。
結果、求人難となり、
賃金への影響が出始めている」
アメリカも日本と同じ。
日本の直近の失業率は、
昨日の商人舎流通SuperNews。
3月労働力調査統計|
就業者187万人増加/失業者15万人減少・節調整値2.5%
日本の3月の失業率は季節調整値で2.5%。
統計の取り方もちょっと違うが、
日本のほうがずっと低い。
それでも少子高齢化が進む上に、
小売流通業では人手不足。
これは産業自体に魅力がないから、
そしてその産業の中に、
魅力のある企業が少ないから。
一生をかけるに値すると、
人々に思われる職場が少ないから。
いや、仕事を始めると、
一生をかけて、
「只此の一筋」の道なのに、
それを人々に理解してもらうことが、
出来ていないから。
一方、『フォーブス』誌が選ぶランキング。
これも商人舎流通SuperNews。
フォーブスnews|
最良の雇用企業調査でトレーダー・ジョー2位/コストコ5位
米国最良の雇用企業ランキングで、
トレーダー・ジョーが第2位。
コストコが第5位、
ウェグマンズが第8位。
ベスト10に小売業3社が入った。
誇らしい。
そのほかに26位にREI。
アウトドア用品のチェーンストア。
38位にパブリックス、
米国4位のスーパーマーケット。
53位にH-E-B、
テキサス州のローカルチェーン。
100位までに11社。
〈詳細は商人舎流通SuperNewsに〉
Fortuneの働きがいのある企業では、
ウェグマンズが今年も第2位。
こちらは企業が協力して調査をする。
参加しない会社は順位に入らない。
だからトレーダー・ジョーやコストコは、
いつもランキングに入らない。
しかしForbesはそれをせず、
まあ、一定以上の企業1000社を全部、
俎上に載せる。
だからトレーダー・ジョーやコストコが、
アメリカで第2位、第5位に入る、
良い雇用主企業となる。
今日はそのアメリカに向けて出発の日。
午後、横浜シティエアターミナルから、
リムジンバスで成田空港第2ターミナルへ。
チェックインを済ませて、
会議室へ。
平和堂アメリカ視察研修第15団の結団式。
第15団団長の田中仁史さんが、
決意を表明しつつ挨拶。
平和堂取締役食品統括。
そして私の短いスピーチ。
アメリカの失業率と、
Forbesの調査の話をした。
そして大きな成果を祈念した。
締めの挨拶は第15団副団長、
平和洋史さん。
SM営業部SM第2エリアマネジャー。
最後にエイエイオーで活を入れて出発。
第2ターミナル出発ゲートで、
決意のこもった全員写真。
いつもいつも、
気持ちを新たにして、
アメリカに向かいます。
離陸まで1時間ほどあるので、
私は桜ラウンジへ。
そして生ビール。
いつものメニュー。
ご飯少なめのJALカレーとビール。
そうしながらこのブログと、
商人舎流通SuperNews執筆。
そしてAA060便に乗り込む。
窓の外は雨。
夕闇に覆われた成田国際空港。
では、行ってきます。
日本の小売業にも、
トレーダー・ジョーやコストコ、
ウェグマンズのような会社が育ってほしい。
平和堂にもそうなってほしい。
私は、終に無能無芸にして、
只此の流通一筋に繋がるものだ。
〈結城義晴〉