テキサス州ダラス。
あっという間に時間は過ぎていく。
考えてみると、昨年11月以来。
半年くらいになるか。
こんなに長くアメリカに来ないことは、
この10年ではなかった。
しかしやってきてみると、
その変化のスピードに眼が眩むほど。
昨夜は平和堂米国研修第15団の調理大会。
班ごとにメニューを決めて、
買物・調理・盛り付けなどする。
そして優勝・準優勝・3位を一応、決める。
その模様は先のブログに譲って、
今日はフォートワース地区の視察研修。
その前にダラスのダウンタウンへ。
JFケネディ大統領が、
1963年11月にこのダラスで暗殺された。
そのポイントを厳粛な気持ちで視察。
この×印の地点で、
銃撃された。
合掌。
気を取り直して、南に向かう。
HEBプラス。
HEBはテキサス州のローカルチェーン。
年商は2兆5000億円にもなって、
米国スーパーマーケット産業の、
第5位に入ってくる。
入り口のところに、
「Order Online, Pick Up Curbside」。
オンラインで注文された商品を、
店舗で引き渡す。
入り口を入ると、母の日のために、
ピンク色のテントが張られて、
準備が整えられている。
左手の花売場にも、
バルーンがたくさん浮かんでいて、
母の日を祝う。
そして母の日プレゼント売場。
右手にはいつも圧巻の青果部門。
新鮮で安価で、美しい。
しかも労働生産性が高まる陳列。
左手には巨大なインストアベーカリー。
そして正面にSUSHIYA。
その奥にCOOKINGコネクション。
青果部門と精肉部門は、
ウォルマートもクローガーもかなわない。
圧倒的であることが、
HEBの特長だ。
しかもプライム、コーベビーフなど、
高級商材が並ぶ。
勝負のときはこれらをディスカウント。
その一方、プライベートブランドひき肉。
ヒルカントリーフェアというファイターブランド。
超特価でウォルマートを凌ぐ。
Tボーンステーキもいい商品づくり。
「わが社以上にテキサス牛を売るところはない」
そして最近の目玉はこの売場。
MEAL SIMPLE。
簡便料理キットの商品開発。
アイランド形式の多段ケースに、
ズラリと並ぶ。
ウェグマンズの得意の商品づくり。
HEBとウェグマンズは提携して、
共同技術開発をする。
金色のトレーに盛り付けた、
うまそうなキット商品だ。
その次にワイン売場。
テキサスでナンバー1のワイン販売。
ワイン売場の奥に、充実のバルク売場。
店舗奥壁面は多段ケースの加工肉、乳製品など。
グルテンフリー商品を集めた売場。
リーチインケースの牛乳。
1ガロン(3.8リットル)1ドル65セント。
一番安い。
冷凍食品もこれでもかという品揃え。
そして店舗左サイドにドラッグストア。
フード&ドラッグ+ノンフードが、
HEBプラスだ。
アパレルは店舗中央にコーナー化。
洗練されてきて、クローガーの上を行く。
左サイドの主通路には、
ウォルマート並みのEDLP島陳列。
レジには若い高校生を配して、
きびきびとサービスする。
そのレジ横にテキサスのプロチームグッズ売場。
そして壁面で優秀社員表彰。
圧巻のHEBプラス。
ローカルチェーンでも、
ウォルマートに勝てる。
クローガーに負けない。
それがHEBプラスだ。
続いて、HEBのアップスケールフォーマット。
セントラルマーケット。
アップスケールとは、
指標・標準を上げたモデルという意味。
高級というだけではない。
だから什器はむしろシンプルだ。
青果部門にはオーガニックが171品目。
入り口にはキッズテーブル。
子どもの買物体験を促す。
野菜の「氷の壁」。
アイス・オブ・ウォール。
トマト畑のようなすごい売場。
そしてリンゴ売場も圧巻。
最低、20種類以上のリンゴが、
常時品揃えされている。
バナナもオーガニックと普通のバナナ。
食べごろを三つに分けて説明している。
コーン売場は箱詰めで陳列されている。
青果から鮮魚売場に続く。
シーフードを独立部門にできるのは、
ホールフーズとこの店だけだ。
鮮魚から精肉へと対面売場が連続する。
精肉の対面コーナー。
自家製ソーセージは見事な陳列。
味ももちろんとびきり。
精肉からリカー売場に続く。
それからグロサリー。
ロゼワインのエンド。
スポットライトが、
実に効果的に使われている。
そのスポットライト。
地ビールコーナーはショップ化されている。
チーズも世界の産地から取り寄せて、
圧倒的な品揃え。
ベーカリーではベーグル売場が特徴的だ。
インストアベーカリーは、
23時間態勢で製造する。
そしてほとんどすべてのアイテムを、
試食させる。
ワンウェイコントロールの最後に、
デリカテッセンのコーナー。
セルフデリの売場。
オリーブバーやスープバーがある。
「ディナー・フォー・ツー」
二人前のディナーを袋詰めで提供。
最後の最後はジェラート。
そしてレジ前に花売場。
開放的で明るいチェックスタンド。
いつ来てもセントラルマーケットはいい。
HEBのクォリティ向上の役割を果たす。
トムサム。
アルバートソンの傘下にある。
テキサスのローカルチェーンだったが、
セーフウェイに買収され、
その後、セーフウェイが、
アルバートソンに買収されたので、
いま、アルバートソン傘下。
昨年オープンした新店。
入り口左側にスターバックスと、
イートインコーナーがある。
しかしこれはグロサラントではない。
流行りのワインバーもある。
そして惣菜とファストフード。
ホールフーズのようなセルフデリ。
そして注文を受けて、
つくってくれる惣菜やサンドイッチのカウンター。
入り口右手には花売場。
セーフウェイは花に力を入れている。
左サイドに惣菜コーナーを設けたために、
青果部門はちょっと狭くなった。
しかしコンパクトな売場を、
美しく仕上げている。
カットフルーツの対面売場。
その奥にベーカリー。
右手に迂回して精肉対面売場。
セルフの売場には、
バイ1・ゲット2フリーのコーナー。
1個買ったら2個ついてくる。
日本の見切りの代わりの売り方だ。
この売場があるということは、
売れていないということ。
グロサリーは生鮮に比べて広い。
トムサムの新店は、
最新トレンドを導入しているが、
肝心の生鮮の復活にはなっていない。
最後にコンビニの、
クィックトリップ。
黄金分割の長方形の店舗。
中央に楕円形のレジがあって、
入り口から入る顧客全員に、
アイコンタクトできるようになっている。
店舗右サイドは、
ソフトドリンクとアルコール。
店舗左サイドはドリンクバー。
そして入り口の左には、
99セントのホットドックグリル。
バンズはグリルの下の引き出しにある。
そのバンズに自分の好きなソーセージを挟んで、
最後にオニオンやピクルス、
ケチャップやマスタードをつける。
岩田学さんも満足そうだ。
春日井庄名店精肉主任。
クィックトリップは、
アメリカのセブン-イレブンが、
ベンチマークする企業だ。
8000店を超える大チェーンが、
750店のローカルチェーンから学ぶ。
それは素晴らしい姿勢だし、
クィックトリップの価値が、
ここに示されている。
ダラス・フォートワースの研修を終えて、
国際空港から飛び立つ。
約4時間のflight。
サンフランシスコに向かう。
平和堂第15団の旅は、
半分の旅程が終わって、
後半に入る。
(つづきます)
〈結城義晴〉