商人舎US研修会Basicコース。
(株)商人舎として第28回目。
商人舎も私も、
知識商人の養成を標榜しているが、
この濃密な海外研修だけで1000人以上。
うれしい限りだ。
そのBasicコースも最終日。
今日は、
調査研究発表会。
10チームのPFグラフ分析、
そしてそのプレゼンテーション。
52名が10チームに分かれて、
視察店の商品の陳列フェース数と価格を、
品種別に調査する。
それを表とグラフにまとめて、
各社の商品政策を分析する。
ラインストラクチャーグラフという。
その中の最も基本的な調査が、
このプライス・フェーシンググラフだ。
私も提出された資料を、
手元に置きながら、
プレゼンテーションを評価する。
発表が終わると、
他のチームから、
質問が投げかけられる。
それに発表チームが答える。
さらに私が追加補足しつつ、
解説する。
10チームがそれぞれ発表して、
質問を受け、私が問題点を指摘する。
みんな、良くまとめてきた。
そして各社の特長をよく分析している。
聞いている側も、
メモを取って真剣そのもの。
どんな商品だったのか、
種類はどれくらいあったのか、
その背景にどんな消費需要があるのか。
どんなポジショニングなのか。
細かい質問も飛ぶ。
1チームのプレゼンテーション時間が5分、
質疑応答時間が5分。
PFグラフはわかりやすいほうが良い。
調査した情報すべてを、
1つのグラフに入れようとすると、
全体の傾向が見えづらくなることもある。
各班がそれぞれに趣向を凝らして、
プレゼンテーションしていく。
その発表スタイルも評価対象になる。
朝8時過ぎから発表を始めて、
10チームが終わるころには、
2時間を超えた。
それぞれのチームの分析は、
視察調査し、講義を聴き、
ディスカッションした成果を、
いかんなく発揮していた。
この中から、1位から3位までを決める。
ある種のゲーム感覚のイベントだが、
調査や考察、議論、そして発表を、
互いに楽しむことが、
商人舎のBasicコースのモットーである。
事務局の間で、
各班の発表内容を精査して、
いよいよ、
表彰タイム。
初めに理解度テストの成績優秀者を表彰。
4日目の朝に30分のテストを行った。
みんなそれぞれに頑張ってくれたが、
なかでも、講義内容をよく理解して、
自分の言葉で回答してくれた人たちだ。
右から富田浩次さん、
㈱関西スーパーマーケット第1商品グループシニアスタッフ。
山谷祐司さん、㈱マツモト商品部バイヤー。
田口一矢さん、㈱マルイチ商品部日配バイヤー。
浅野春佳さん、㈱ロピア本部一般。
河合俊和さん、関西スーパー経営企画室シニアスタッフ。
麻生将人さん、三和酒類㈱営業部 一般。
小川辰雄さん、㈱ヨシヅヤ清洲店一般店長。
鈴木健之さん、㈱スズキヤ逗子駅前店副店長。
内田貴之さん、ロピア管理本部取締役、
以上の9名。
そしてPFグラフ分析発表の表彰。
第3位は、冷凍食品を調査したチーム。
冷凍枝豆と冷凍ポテトの2品目調査で、
各社の商品政策を明らかにした。
事務局からの商品は、
ウィンコフーズのワインオープナー。
麻生将人さん、三和酒類。
神例英里香さん、ロピア本部一般。
松田未佳さん、ヨシヅヤ一般事業本部本部長付。
高山幹夫さん、㈱大阪屋ショップ釈迦堂店店長。
小宮浩史さん、マツモト人事教育部マネジャー。
2カテゴリーの調査を短時間でするのは、
ハードワークだったが、
その成果が結果に出た。
第2位は青果部門のDチーム。
オーガニックのリンゴを調査した。
1個換算でPFグラフをつくった。
青果部門の主力商品に対する各社の政策が、
みごとに浮き彫りにされた。
右から中嶋一雅さん、㈱静鉄ストア店舗運営部入江店店長。
内田貴之さん、ロピア取締役。
近藤平悟さん、マツモト 店舗運営部店長。
平田真一さん、㈱アドバンス営業本部主任。
松田圭太さん、ヨシヅヤ鮮魚 主任。
吉田将幸さん、㈱ユニバース八戸ニュータウン店店長。
賞品はトレーダー・ジョーの新PB、
「ニューチャールズショー」。
もちろんオーガニックワイン。
そして栄えある第1位は、
加工食品のAチーム。
使用頻度の高いトマト缶を調査した。
通常品とオーガニック品を調査して、
それをグラフに表現した。
プレゼンテーションも元気がよかった。
際立つポジショニングが、
プレゼンテーションに表現された。
右から置田直矢さん、関西スーパー今福店店長。
大橋慎司さん、マツモト店舗運営部店長
富塚祥司さん、㈱なとり東海営業部名古屋営業所所長。
竹田吉孝さん、ヨシヅヤ人事総務部部長代行。
市川俊さん、日穀製粉㈱大阪営業所係員の5名。
賞品は月刊商人舎の年間購読。
1年間、さらに学んで、
それぞれに自分の現場で活躍してほしい。
最後は結城義晴の最終講義。
ストアコンパリゾンのポイント、
ラインストラクチャーグラフの活用法、
それからチェーンストア理論の肝の部分。
そしてEpilogueは、
ロイヤルカスタマーとサービスに関して。
ホッケースティックの法則は、
ぜひとも覚えていてほしい。
「もしあなたが、
顧客にサービスを提供する仕事に
就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人に
サービスを提供するよう行動しなさい」
5日間のご清聴に感謝。
午後からは、明日の出発まで自由研修。
ラスベガスの消費産業、
エンターテインメント産業を、
各自が大いに学んでほしい。
私は、日穀製粉のお二人と
ラーメンの刀屋で昼食と情報交換。
その後、ホテルの部屋に戻り、
夕方まで仕事。
フラミンゴホテルに接する、
モノレールに乗って出発。
世界最大の観覧車が見える。
「ハイローラー」。
高さ170 m、直径158.5 m。
モノレールに乗って、
MGMグランドホテルまで。
MGMグランドには、
MORIMOTOが入っている。
そして常設ショーが、
シルク・ドゥ・ソレイユの「Kà(カー)」。
事務局とこの「Kà」を堪能。
Cirque du Soleilは「太陽のサーカス」
現在、ラスベガスでは、
7つのショーが、
太陽のサーカスによって、
常設公演されている。
①Mystère(ミスティア)。
ホテルはトレジャー・アイランド。
②O(オー)、ベラージオ。
③Zumanity(ズーマニティ)、
ニューヨーク・ニューヨーク。
④Love(ラヴ)、ミラージュ。
⑤Criss Angel Believe、
ルクソール。
⑥Michael Jackson One、
マンダレイ・ベイ。
そして⑦Kà(カー)、MGMグランド。
Kàとは人間の心に宿る様々な魂の総称。
シルク・ドゥ・ソレイユの中で、
最もメカニカルな演目。
この輪が牢屋になっていて、
これを使ってパフォーマンスが行われる。
舞台装置は、
巨大な櫓(やぐら)のようになっている。
未来都市のようでもあり、
古代の中国のようでもある。
火がテーマでもあって、
ショーの各所で使われる。
物語性があって、
シルクのなかでは、
一番わかりやすい。
しかし、そのパフォーマンスの凄さ、
美しさは言葉にしようがない。
巨大なステージ自体が、
立体的に浮き上がって、
縦横斜めに回転する。
心から感動した。
Basicコースの分析発表にも感動したが、
今日は一日、感動の日だった。
(つづきます)
〈結城義晴〉