イオンリテール(株)の米国研修団。
無事、帰国しました。
イオンリテールとして、
私のコーディネートで9回目。
私だけ残って、シアトルへ。
ニューアークからシアトルまで、
6時間もかかる。
ブログは昨日の最後の研修。
まず、ブルックリンへ。
ホールフーズマーケット365。
小型ディスカウントフォーマット。
ロサンゼルスに1号店が登場したのが、
2016年5月25日。
クローガー傘下のラルフの居抜き店舗。
店舗面積は2万8000平方フィート、
2545㎡の770坪だった。
ブルックリンは新店。
これが思いのほかいい店で、
ロサンゼルス1号店から大胆に変わった。
素晴らしい。
素晴らしすぎるので詳細は後日。
そればかりになってしまいそうだ。
しかし、思った。
現場に行ってみなければわからない。
現場百回。
これです。
ブルックリンではもう1カ所。
シティポイント。
箱型の地下1階・地上4階の商業集積。
地下1階にトレーダー・ジョー。
店の前の広場に、母子が集まって、
ミニコンサートを聴いている。
カントリーミュージックで、
子どもの歌など歌い、教える。
このトレーダー・ジョーが、
素晴らしい。
壁面にはブルックリンのイラスト。
商品構成やサービスは、
標準化が行き届いている。
各店が自由に仕事しているのに、
ポリシーが明確で、
ウェアハウスから100%商品供給され、
作業システムやプレゼンテーションなど、
仕組みが統一されていると、
個店経営でありながら標準化が進む。
この店はそのうえ、
天井がスケルトン。
白地に赤いアクセントが効いている。
青果部門もほかの店より、
くっきりとしている。
ジュースの売場の上の壁面は、
ブルックリンのジャズのイラスト。
アボカドのエンドも美しい。
店舗面積は1万5000平方フィートほどで、
標準タイプの1.5倍。
だから通路が広くて、天井が抜けていて、
地下1階の店にしては快適で買いやすい。
エンド陳列も縦2色陳列。
テイスティングポイントも、
シャープなイメージだ。
水の売場は単品量販。
この店は実によく売れる。
チェックスタンドは銀行方式で、
並んでもストレスが少ない。
地下1階にはフードコートがあって、
面白いテナントがズラリ。
2階はターゲット。
現在のテーマは「LOVE, SUMMER」
食品はいつものコンビニエンスな品揃え。
Back to School商品売場へと、
スタッフ大集合で変更中。
ターゲットのマークは、
可愛くて目立つ。
全面赤の店内のカラーは、
巨人ウォルマートの青に対する、
ポジショニングの構築方法として、
最も適している。
3階と4階が、
センチュリー21。
ニューヨークで発祥した人気小売業。
デパートメントストアを自称するが、
ややハイセンスなオフプライスストア。
つまりシーズンが終わった処分品を、
大量に集荷してきて販売する。
したがって自分では、
一切のマーチャンダイジングをしない。
それでも顧客が集まる。
ブルックリンからマンハッタンに入る。
その前にちょっとだけ観光気分。
マンハッタンを背景に、
ブルックリンブリッジの下で写真。
みんな満足そうだ。
そしてマンハッタンに入ると、
ブロードウェイへ。
ゼイバーズ。
左の入り口を入ると、
チーズ売場がすごい。
「全部、売れるから置いている」
私はいつもそう答える。
オリーブ売場もご覧の充実。
ニューヨークデリも、
ゼイバーズの味だ。
もともとゼイバーズ創業時から、
スモークフィッシュを売り物にしていた。
だから今もスモークフィッシュが看板。
トレンドなど関係ない。
コーヒーも創業の商品。
どんなことがあっても、
コーヒーはゼイバーズ。
そんな顧客がこのたった1店の店を、
長いこと支えてくれている。
インディペンデントのポジショニングは、
「変化に慎重になること」
アル・ライズとジャック・トラウトの言葉。
隣にゼイバーズ・カフェ。
そうしてみるとゼイバーズは、
ずっとずっとグロサラントを続けてきた。
これこそゼイバーズのポジショニングだ。
すぐそばにいきなりステーキが登場。
昼前でもあって、
そんなに顧客が入っているわけではない。
そしてシタレラ。
ニューヨークデリショップ。
この店のデリはおいしい。
隣のフェアウェイマーケットが、
生鮮素材中心の店なので、
棲み分けしている。
デリショップだが、
青果も鮮魚もあるし、
ミートも充実している。
そして、フェアウェイマーケット。
もともと八百屋だから、
店前にこのボリューム陳列。
入り口を入っても、
野菜がボリューム陳列。
鮮度が良くて安い。
これに勝るものはない。
果物も圧巻のボリューム。
そしてカットフルーツ&カット野菜。
ポジショニング戦略は、
他を圧する部門を有すること。
ヤオコー川野幸夫会長の言葉。
「何屋になるか」
しかし強力な八百屋だが、
その青果と同じくらい鮮度と安さを持つ、
シーフード売場。
もちろんミートも、
八百屋に負けない鮮度と安さ。
トレンドももちろん取り入れる。
しかしその前に必要なものがある。
トレンドは枝葉だ。
幹と根が強くなければいけない。
枝や葉は毎年、変わるものだ。
昼前だがレジはこんなに混んでいる。
2階にはこれまた圧巻の売場。
オーガニック・プロデュース。
西海岸のバークレーボウルと、
東海岸のフェアウェイマーケット。
スーパーマーケットの学習を終えて、
ファッションの勉強に5番街へ。
といっても、
セントラルパークの南端の59丁目から、
ロックフェラーセンターの49丁目まで。
概観しておこう。
5番街59丁目のティファニー。
昨年11月10日、カフェを併設した。
ブルーボックスカフェ。
(ブログに書いた)
ティファニーで朝食ができる。
隣がトランプタワー。
大統領の家族が最上階に住んでいる。
その前で抗議するおじいさん。
中指を立てている。
50丁目にセントパトリック教会。
隣の49丁目には、
サックスフィフスアベニュー本店。
メイシーズ本店と並んで、
百貨店中の百貨店。
同じ49丁目にロックフェラーセンター。
この中にカジュアルチェーンの旗艦店が、
目白押しでポジショニング競争をする。
まずZARA。
セール真っ最中。
ソーホーのZARA同様に、
バーゲンセールの演出にセンスがある。
こんな状態で売れるが。
混んでいてもメリハリが効いた店内。
キッズもマネキンが可愛い。
ZARAの「セール」の演出。
研究の価値あり。
二番手はH&M。
ご存知、スウェーデンのアパレル。
サックスの隣の48丁目。
こちらもセール中で、
映像を大胆に使った演出。
しかし顧客は反応していない。
最上階のキッズ売場は閑散。
この違いはどこにあるのか。
そして世界3位はユニクロ。
今、店頭に描かれているのは、
大きなセサミストリートのキャラクター。
今年3月からユニクロNYが掲げるテーマが、
「SPRZ NY」
エスピーアールゼット・ニューヨーク。
意図は「ニューヨークを驚かせよう」
だから「SURPRISE NY」
サプライズ・ニューヨーク。
コンセプトは「服とアートが出会う場所」
ニューヨークを訪れる人が、
必ず立ち寄りたくなる、
世界に一つだけのユニクロ。
そのポジショニング戦略が、
「SPRZ NY」ストアだ。
すごい。
セサミストリートだらけ。
法被を着たお姉さんと写真。
派手さはユニクロが一番。
3階に上がってもテーマは続く。
売場にもセサミストリート。
AIRismも品揃え豊富だ。
ブラトップも全面展開。
3階のレジは長い。
UNIQLO JEANSのロゴは、
美しい青で、かっこいい。
こちらも派手な演出のAIRism。
kidsは可愛い。
新製品の告知があちこちで行われる。
You are now in SPRZ NY。
「UT」のユニクロTシャツも大展開。
一方、ギャップ。
売上げは世界第4位となった。
カラーコーディネートはできているが、
実におとなしい。
ユニクロを見た後では、
冴えない売場に映る。
バーゲンセールは、
ただの安売り。
それでもキッズは可愛い。
入口脇には真っ白の売場。
しかしこの5番街の闘いでは、
負け組であることは明白。
アバクロンビー&フィッチ。
かつては一世を風靡した。
5番街でも圧勝していた。
しかし店内はガラガラ。
センスのいいプレゼンテーションだが。
気を吐くのが、
ビクトリアズシークレット。
Lブランドの稼ぎ頭。
そのLブランドは、
リミテッドを売却してしまった。
インナーをアートの域に高めてしまった。
そしてルルレモン。
ヨガウェアファッション。
スタートからユニークそのもの。
このマネキンも他が模倣困難。
5番街の闘い。
敢えて順位付けすれば、
1位はユニクロ。
2位は、ZARA。
3位はH&M。
4位はアバクロンビー&フィッチ。
そして5位がギャップ。
ユニクロのSPRZ NYは素晴らしいが、
ZARAのセールの演出にも学びたい。
そして6番街の42丁目に、
ホールフーズの新店オープン。
朝一番で365に驚かされたが、
この店にも二重に驚いた。
限りなくイータリーに近づいた。
これも365とともに、
後日、詳解しよう。
ポジショニングとは、
トレンドをとらえて、
くるくる変わっていくことではない。
むしろユニクロのSPRZ NYのように、
自ら変化を創り出すことだ。
(つづきます)
〈結城義晴〉