明日から始まるアマゾンの大イベント。
プライムデー。
商人舎流通SuperNews。
アマゾンnews|
7/16から年に一度のプライム会員限定セール「プライムデー」
アマゾンのプライムデーは、
世界中のアマゾンで展開される。
2015年から開催されている、
一大イベント。
2017年は30時間だったが、
今年は36時間に延長。
プライムデー特別商品や、
特選タイムセール商品などが、
特別価格で提供される。
世界で100万点以上のセール商品が登場。
昨年の2倍の量が用意されている。
毎年11月11日は中国の独身の日で、
昨年、アリババは2兆5000億円売った。
ただしアリババは、
B2C、B2B、C2Cを持つ。
プラットフォームに出店する企業群の、
売上げのトータルがこの金額。
アマゾンはマーケットプレース。
出店者も絞っているし、
自主マーチャンダイジングも展開する。
そのアマゾンのプライムデーは、
今年、どのくらいになるのか。
Internetretailerの推計では、
2017年の売上高は、
世界で約24億1000万ドル。
1ドル100円換算で2410億円。
前年比60%増。
国別に推計すると、
アメリカが15億6000万ドル、
ドイツが2億7500万ドル、
イギリスが1億7000万ドル。
日本は1億9500万ドルだったらしい。
さて商人舎Specialコース2日目。
シアトルの朝は、講義から始まる。
まずは店舗視察・調査の基本をおさらい。
その後は最新の流通IT戦略に関する講義。
Specialコースなのでちょっとハイクラス。
On-line to Off-line、
Site to Store。
ウォルマートのSavings Catcher、
Pick up Here。
インスタカート、
昨日見てきたアマゾン、
そのピックアップステーション。
そしてキャッシュレス化とレジレス化。
その趨勢や方向性。
とくにamazon go、
ウォルマートのStore No8。
クローガーのQビジョンと、
Scan, Bag, Go。
米国最新の戦略の中身と意味を、
できる限りわかりやすく教授した。
最初はわからなくてもいい。
しかしこの研修の間に、
そのことを実感し、理解できる。
つまりITリテラシーが身に着く。
何しろ歩いて5分のところに、
世界で唯一のamazon goの店が、
朝7時から夜9時まで開いているのだから。
2時間10分の講義を終わらせて、
ホテルから車で2~3分ほど、
再び、amazon goへ。
私だけGo! Go! ポーズ。
店内は混んでいる。
朝7時のオープンのときは、
まだ商品が間に合わず、
欠品だらけだったが、
10時過ぎにはご覧の通り。
ソフトドリンク売場も、
欠品なく商品が並ぶ。
天井のカメラとマイク、
そしてセンサーは、
休まない、疲れない、
そのうえ品切れしない。
一番の品切れはこれ。
オレンジ色のショッピングバッグ。
無料なので顧客はどんどん持って帰る。
そこでいつも補充している。
amazon goがなぜ、
商品を取って出てくるだけで、
正確に清算できるのか。
その理屈は丁寧に語った。
それを実感すると、
理屈が納得できる。
わからないままに、
「不思議だね」で、
終わらせてしまってはいけない。
なぜか?
あなたはわかりますか?
amazon goをあとに、
店舗視察研修に出発。
まずセントラルマーケット。
1857年創業のインディペンデント。
しかし青果部門は圧巻。
オーガニックやナチュラルを中心に、
豊富な野菜がボリューム陳列で並ぶ。
コーンの売場も、
ウォルマートの投げ込み陳列とは、
大違いで美しい。
氷を敷き詰めた対面鮮魚コーナーは、
FISH MARKETと名付けられている。
バルクシーフードの平ケース。
エビやカニの身の冷凍品を、
必要な量だけ買うことができる。
店舗右翼のレジに近い場所には、
デリカテッセンとインストアベーカリー。
対面販売のコーナーもある。
インディペンデントでも、
店舗は3000坪級で、
圧倒的な品ぞろえを誇る。
この地のトップ企業フレッドマイヤーにも
1店レベルでは負けてはいけない。
青果も精肉もすべて、
ウェアハウスから提供される。
つまりアウトパック商品。
レジ前には今年の新製品。
ウイスキーのPB商品が島陳列される。
ファサードの前で、
デイビッドさんを交えて、記念写真。
日本の横浜の山手学院で、
交換留学生として学んだそうだ。
その前に本社訪問。
しかし土曜日は休みで残念。
だから、その前で記念撮影。
何の変哲もないビルだけど。
コストコは世界のどの店も変わらない。
扱っている商品が違うだけで、
考え方と仕組みは標準化されている。
それが強みだ。
しかし本部の横の、この店は、
年間2億ドルの売上高。
つまり200億円。
コストコのそばにあるのが、
PCCコミュニティマーケット。
いわゆる生活協同組合。
アメリカ最大の生協で、
会員は62ドルを支払って組合員になる。
するとひと月に1回、
10%割引のサービスを受けられる。
さらにフレッドマイヤー。
クローガー傘下のハイパーマーケット。
シアトル地域のマーケットリーダーだ。
1フロアの広い店内に、
衣食住フルラインで揃える。
ウォルマートのスーパーセンターと同じ。
主通路は広い。
おじいさんに連れられて、
子どもがミニカ―に乗って店内を回る。
この店は2年ほど前に改装して
客数が飛躍的に伸びた。
「マレー」のチーズショップ。
ニューヨークの人気チーズ専門店を、
クローガーが買収した。
その裏側のバー[コーク&タップ]。
ワインやカクテルなどを提供して、
人気を博している。
そしてノンフーズ部門の最初に現れるのが、
ナイキの靴ショップ。
ナイキから続く靴売場も広い。
家電売場のコンセプトは、
「ファミリーエンターテインメント」
アパレルは普段使いのカジュアルが中心。
ウォルマートにも劣らない。
「ノースウェスト・スタイル」は、
シアトルのアパレルトレンドをとらえる。
そして今日の最後は、
QFC。
同じくクローガ∸グループ。
業態はスーパーマーケット。
クオリティ・フードセンターの頭文字が、
Q・F・C。
もともとは、
ワシントン州のローカルチェーンだった。
そのQFCが1997年に、
フレッドマイヤーの傘下に入った。
すると1999年、フレッドマイヤーが、
クローガーに買収されてしまった。
いま、QFCもクローガー傘下だ。
クローガーのいいところを取り入れ、
QFCの強みを活かして、
クォリティスーパーマーケットを展開。
ライフスタイルセンタ―の中の1階で、
天井が張られた店内。
部門やコーナーごとに、
吊るし天井を設けて、
アクセントにしている。
その木材の吊るし天井に、
部門サインを表記。
同時にスポットライトを設置して、
実に見事なプレゼンテーションを展開。
「シンプルトゥルース」を、
いたるところで展開する。
クローガーのオーガニックPB。
ライフスタイルセンターは、
街並みを再現した最新の商業施設。
いまや電子ブックキンドルや、
AIアシスタントのアレクサ、
スマートスピーカーのエコーを、
開発して販売する。
そのコーナーが店の中央にある。
大画面でゲームが楽しめる。
子どものころからこうして、
アマゾンに馴染んでいく。
本には価格が記されていないし、
棚にも表示されていない。
本のバーコードをスキャナーにかざすと、
価格が表示される。
アマゾンプライム会員は、
さらにディスカウントされる。
店の奥には、閲覧スペースがある。
窓の外には緑と自然光。
無料で読書。
素晴らしい。
アマゾンに始まり、
アマゾンに終わった一日。
アマゾンとウォルマート、
あるいはアマゾンとクローガー。
このサンドイッチの中で、
インディペンデントや、
ローカルチェーンは、
どう生き残るのか。
それを学ぶのがこの研修の、
もう一つの目的である。
もちろんITリテラシーも身に着ける。
(つづきます)
〈結城義晴〉