日経ビジネスオンライン「今日の名言」
小路明善さん。
アサヒグループホールディングス(株)社長兼CEO。
メーカーの役割は
感動するレベルの商品を
作ることです。
小路さんは1951年11月生まれ。
私より一つ年上で、
イオン㈱社長の岡田元也さんと同年。
「我々NBメーカーの使命は常に、
ブランド価値を高め続けることにあり、
消費者の潜在ニーズを、
商品の付加価値として具現化し、
消費者がいつでもどこでも
購入できる環境を構築することです」
「これを考えることが重要で、
そうでなければ、
受託製造のメーカーに
なればいいだけです」
小路さんはレイモンド・チャンドラー派。
私はロバート・B・パーカー派。
もちろんチャンドラーも好きだ。
パーカーはチャンドラーを崇拝していた。
チャンドラーの主人公は、
探偵フィリップ・マーロウ。
その有名な台詞が、
「強くなければ
生きていけない、
優しくなければ
生きていく資格がない」
小路さんはこのセリフが好みで、
会社経営に対しても、こう言っている。
「強いブランドがなければ、
勝ち抜いていけない、
優しい社風がなければ
企業としての価値がない」
「今日の名言」はそのブランド論を、
端的に表したものだ。
メーカーが感動するレベルの商品ならば、
小売業は感動するレベルの店でなければ、
企業としての価値がない。
第14回ミドルマネジメント研修会。
6月と9月に毎年2回、湯河原で開催する。
2008年2月に商人舎を創業して、
2011年3月11日に東日本大震災。
その翌年の2012年から、
念願の中堅幹部育成の研修会を始めた。
ヘンリー・ミンツバーグが言うように、
「ミドルマネジャーこそが
組織を変えていく力を持っている」
そのミドルマネジメントに、
勇気と元気、理論と実践の礎を与える。
14回目を迎えた。
新しくなった熱海駅。
駅前の仲見世商店街。
その先に、有名な「熱海プリン」。
若い女性顧客たちが、
朝10時の開店直後から並ぶ。
プリンだけでなく、
アイスクリームも人気だ。
イートインスペースがないから
店先で立って食べる人もいる。
熱海プリンの手描きの由来。
「おしえて! かばさん!」
商品は、さまざまなフレーバーがある。
人気No1のシンプルなプリンをチョイス。
コクがあっておいしかった。
研修会場は、
恒例のニューウェルシティ湯河原。
研修会は13時からスタート。
第1講義は結城義晴。
いつも講義は、
小売業のミッションから始まる。
商業の現代化と知識商人の養成が、
商人舎の存在理由だからである。
倉本長治の「商売十訓」、
ドラッカーが重視した三つの概念が、
商業近代化の根本思想を成している。
全国から小売業や卸・メーカーの、
中堅社員が参加してくれている。
商業近代化の歴史をたどりながら、
小売業がどのように革新されてきたのか。
第2講義では、
近代商業の根本の考え方と、
現代化の方向性を整理する。
世界の中の小売業の位置と、
米国Fortune誌の
「働きがいのある企業ランキング」。
CSとESの両立を説く。
CSはカスタマー・サティスファクション。
ESはエンプロイー・サティスファクション。
顧客満足と従業員満足が、
企業の生存と成長には不可欠であり、
それを成し遂げなければならない。
その52週MDの考え方と実践の仕方を、
ていねいに指導してくれる。
チェーンストアの作・演・調の仕組み、
そして組織風土づくり。
実はこれが52週MDには不可欠なのだ。
3時間半にわたって、
プロモーションからストアコンパリゾンまで
鈴木先生は一気に講義する。
夜8時に初日を終了。
講義を終えた鈴木先生と握手。
その会場に、
2日目の講義を担当する、
白部和孝先生が到着。
お二人も旧知の仲。
年に2回、この研修会で顔を合わせる。
鈴木さんとは私、40年来、
白部さんとも35年の付き合いになる。
お二人ともまだまだ若い。
夕食を終えると次々に、
受講生が研修会場に集まってくる。
明朝の理解度テストに向けて、
復習するためだ。
夜11時を超えると、会場から離れ、
各自、部屋やロビーで自習する。
研修会場のホワイエで、
遅くまで復習する、
関西スーパーマーケットの面々。
皆、明日に向けて頑張っている。
昼も夜も学び尽くす。
多くの受講者は言う。
「学校を卒業して以来、
こんなに勉強したのは初めてです」
第14回受講生もおそらく、そうだろう。
中堅幹部としての自負が、
ここから生まれるのだ。
がんばれ! 受講生!!
仕事しなければ、
生きていけない。
学ばなければ、
生きていく資格がない。
学んで実行しなければ、
生きている意味がない。
〈結城義晴〉