日本プロ野球セントラルリーグ。
広島カープが優勝を決めた。
本拠地マツダスタジアム。
2位のヤクルトスワローズに対して、
先発野手全員安打で10対0の快勝。
球団史上初のリーグ三連覇。
緒方幸市監督の手腕が光る。
佐賀県立鳥栖高校出身の49歳で、
新人選手のころからカープ一筋。
セリーグでの三連覇は、
読売ジャイアンツ以外では初めて。
しかもそれを成し遂げた監督は、
水原茂、川上哲治、原辰徳。
あの長嶋茂雄監督も、
三連覇はない。
パシフィックリーグでは、
南海ホークスの鶴岡一人、
西鉄ライオンズの三原脩、
阪急ブレーブスの西本幸雄、
西武ライオンズの森祇晶。
いずれも伝説の名監督ばかり。
緒方幸市がその伝説になりつつある。
しかも貧乏市民球団を率いての三連覇。
ジャイアンツのような、
金持マスコミ球団とは違う。
それはそれはすごいことだ。
少ない資産の回転で、
大きな成果のROA。
それが緒方幸市の経営である。
見事。
おめでとう。
クライマックスシリーズ、
日本シリーズと、
まだまだ頑張ってほしいものだ。
日経ビジネスオンライン。
「今日の名言」
会社は大きくなるほど、
ダメになる確率が高いと
思います。
池野隆光ウエルシアホールディングス会長。
「売上高などの”数字”が
目的化しがちだからです。
名門と呼ばれた大手企業が、
数字を追うようになって
おかしくなった例は
たくさんあります」
売上至上主義は大いに危険だが、
利益至上主義も危ない。
池野さんが言う通り、
「数字が目的化」してしまうからだ。
池野さんは1943年生まれの75歳。
ウェルシアホールディングスは、
今年2月期の決算で、
売上高6952億円。
ドラッグストア産業トップの座にある。
数字が「必達の目的」へと化すると、
大企業も数字を追いかけ始めて、
ダメになっていく。
大企業病の一種でもある。
ただし私はいつも言っている。
「中小企業の大企業病」こそ、危ない。
だから中小企業が「数字を目的化」すると
怖ろしいほどに組織のもろさを現出させる。
クワバラ、クワバラ。
まったくの偶然だが、
池野さんは広島生まれ。
もしかしたらカープの優勝を、
喜んでいるだろう。
さて日経新聞に、
「三越伊勢丹、都心3店集中」
三越伊勢丹ホールディングス。
昨日の商人舎流通スーパーニュース。
三越伊勢丹news|
「伊勢丹相模原店」「伊勢丹府中店」「新潟三越」
3店舗営業終了
伊勢丹の相模原店と府中店、
さらに新潟三越。
来年になるが営業を終了する。
地方や郊外の百貨店店舗は、
1990年代後半以降減収が続き、
訪日客増加の恩恵も及ばない。
だから今後は、
「富裕層などの需要が見込める
東京都心3店舗に経営資源を集中し、
収益力を高める」
3店はいずれも、
1996年度が売上高のピーク。
直近の17年度の売上高はピーク比で、
約5割減や4割減となっている。
その結果、百貨店にもかかわらず、
坪効率は伊勢丹相模原店が年間218万円、
府中店はなんと151万円。
さらに新潟三越は207万円。
ディスカウンター並みの売場販売効率。
しかし一方で、大都市型百貨店は、
株式相場安定のため富裕層消費が旺盛、
そのうえインバウンド消費も堅調。
三越伊勢丹全体の中で好調なのは、
伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店と、
三越銀座店の3店舗。
現段階で三越伊勢丹は全23店。
その百貨店事業の売上高のうち、
新宿と日本橋と銀座の3店で、
ほぼ半分を稼いでしまう。
私はずっと言い続けている。
伊勢丹は新宿店だけでいい。
三越も日本橋と銀座だけでいい。
イギリスのハロッズは、
ナイツブリッジの1店だけだ。
eコマースがこれほどに伸びる昨今、
ブランドを代表する店舗は、
むしろ1店だけのほうが希少性もあるし、
模倣困難性もある。
白井俊徳取締役。
「新宿や銀座の店舗は
他の小売店と差別化が可能。
百貨店としても独立した運営ができる」
同社の連結営業利益は、
2019年度に過去最高になる見込みだ。
その額は350億円で、
17年度の244億円に比べると143%。
百貨店業態が必要ないのではない。
地方都市や大都市郊外の小型百貨店が、
用を足さなくなったのだ。
百貨店は大型店業態である。
逆に池野さんのドラッグストアは、
売場面積の大きさを求める業態ではない。
百貨店業態は、
広島カープのようなチームではない。
やはりジャイアンツや阪神タイガースだ。
しかしペナントレースや交流戦は、
様々なポジショニングの企業がある方が
断然面白いのだ。
〈結城義晴〉