結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年10月08日(月曜日)

ミラノ・イルセントロのイーペルと独ハイパーを比較する

体育の日がスポーツの日となる。
私など「体育」の方がいい気がするが、
スポーツ議員連盟など3議連が動いて、
2020年からスポーツの日にする。

私の場合、㈱商業界社長を辞めてから、
10月のこのころはずっと外国にいる。

体育でもスポーツでも、
どっちでもいいが、
体育には別の意味があると思う。

無責任な言い方で申し訳ないが、
そんなことを思っていたら、
同志社大学の横山勝彦教授。
スポーツ健康科学部。
「体育の日が祝日であることの意義が
より薄れてしまわないか」

「簡単に言えばスポーツの産業化」
横山教授の指摘だが、
それはそれで悪いわけではない。

しかし産業化の大義のもとで、
国民の「体育」が進まないのは困る。

これは「食育」も同じだ。
そして「食育」という言葉を使うと、
「体育」という言葉や概念の重要性も、
改めて認識される。

さて、イタリアのミラノにやってきて、
すぐに市内の店を巡った。

それらは明日、総まとめするとして、
ミラノ訪問の目的の一つが、
「イルセントロ」
世界最高水準のショッピングセンター。DSCN9890.JPG8

夕方到着したら、
土曜日ということもあるが、
凄い混み方。DSCN9681.JPG8
高速道路から車がずっとつながる。

モールの中に入っても、
信じられないほどの顧客数。
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2016年4月にオープンすると、
その年のMAPEC賞で、
ショッピングセンター部門金賞。

アルファロメオの工場跡地を、
半分くらい活用して、
木造り・採光システムの商業集積が、
堂々、登場した。

モールにはファミリーを対象にした、
様々な仕掛けがある。
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もちろん、テナント専門店は、
世界レベルのプレステージストア、
イタリアの高級専門店、
そしてミラノの地元専門店が、
ずらりと並ぶ。

その中で、北側の端に、
マグネットとして入ったのが、
プライマーク。
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2層のプライマーク、
2層のH&MとZARAが核となる。

反対側の核がハイパーマーケット、
イーペル・ラ・グランデ。

その北側の核のプライマークが、
なんともすごい。
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かわいい。
安い。
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この人混み。
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商品はデザイン性に優れ、
それでいて品質も確かで、
圧倒的に安い。
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レジには長い行列。
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この状態。
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レジの行列の最後尾を示すために、
この丸い告知ボードを掲げて立っている。
まるでNYのトレーダー・ジョーだ。
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プライマークは現在、
英国食品会社の子会社。
Associated British Foods(ABF)傘下。
アイルランド発のファストファッション。
ベビー・キッズ、レディス・メンズから、
ホームウェア、アクセサリー、
さらにHBCや菓子までそろう。

ヨーロッパやアメリカなど11カ国に、
320店舗以上を展開する。

世界的に注目されるアパレル小売業。

だから隣のスウェーデンのH&Mは、
惨憺たる状況。
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スペインのZARAも、
プライマークとはテイストを変えて、
それを強調しているようだ。
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モール1階にある子どもたちの遊び場は、
もうすごい人、人。
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そして飲食や食品、ファストフードが、
モールの至る所にあって人気を博す。DSCN9771.JPG8

2層のモールの南側へ、
円形のスロープを下っていく。DSCN9684.JPG8

イーペル・ラ・グランデ。DSCN9782.JPG8
凄い総合スーパー。
ヨーロッパでは「ハイパーマーケット」。
「Ipel」という言葉が、
イタリア語で「Hyper」DSCN9688.JPG8

中2階のビールバーから、
1階の売場が見える。DSCN9690.JPG8

レジもご覧のように混みあっている。DSCN9687.JPG8

そして入り口にハンドスキャナー。
顧客が自分でスキャンすれば、
レジが素早く終わる。DSCN9785.JPG8

5000坪くらいの1フロアに、
ハイパーマーケットのフルライン展開。

しかしモール側の前面の青果部門が、
圧倒的な市場の構成。
ウェグマンズの青果部門の3倍くらいか。DSCN9792.JPG8

古い馬車を活用したプレゼンテーション。DSCN9877.JPG8

単品量販が原則だ。
いいものが安い。
そして商品を回転させる。
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鮮魚売場は氷を敷き詰めて、
高い位置に陳列ラインを設けている。DSCN9796.JPG8

牛肉は枝肉から下ろす。
そしてこの圧倒的な品ぞろえ。DSCN9807.JPG8

生ハムとチーズは対面売場。DSCN9816.JPG8

スペインの食品店はほとんど、
生ハムがぶら下げられているが、
イーペルはそれをしのぐ。DSCN9828.JPG8

チーズが圧巻。
モッツァレラチーズはインストア製造。
そして大きな塊を、
いつでも試食させてくれる。DSCN9823.JPG8

寿司売場も自慢げに試食を出してくれる。DSCN9871.JPG8

冷凍食品はリーチインケースに、
ずらりとアソートする。DSCN9833.JPG8

広い売場の真ん中に、
マグネットが必要になる。
それがこのBIOのショップ。DSCN9840.JPG8

壁面に飲料がずらり。
イタリア国旗が、
三色のビンで表現されている。DSCN9842.JPG8

どん詰まりには家電売場。DSCN9846.JPG8

そしてアパレルもスペースをとる。
プライマークやZARAを見ていると、
この売場は必要ないと思う。DSCN9847.JPG8

夜、8時くらいまで、
レジはこんな状態だ。DSCN9852.JPG8

モール側のイートインコーナーでは、
ピザを食べながらワインを飲む顧客たち。DSCN9878.JPG8
イーペルはこのイルセントロにおいて、
圧倒的な集客装置となっている。

それが巨大な食品製造小売型の、
ハイパーマーケットとして、
最高峰の地位を占めている。
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日本のGMS、総合スーパーは閉塞状態だ。
このイーペルがその一つの方向性を示す。

詳細は月刊商人舎2017年7月号特集。
「内食・外食」主役のHuge SC Age
――イズミとイオンとイーペルと。
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それは実はドイツにもあるし、
フランクフルトにある。

カウフランド。IMG_6682.JPG8

リドルを展開するシュワルツが、
もう一つの主力フォーマットとして、
着実に進化させてきた。
そしてメトロの「リアル」との差を広げた。IMG_6685.JPG8

1フロア3000坪のハイパーマーケット。IMG_6650.JPG8

もちろん青果部門から始まる。DSCN9332.JPG8

細長い売場だが、
細長いコの字型に、
レイアウトされて、
それを青果⇒HBC⇒ベーカリー
⇒精肉・デリカテッセン⇒乳製品
⇒冷凍食品とけん引していく。
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対面の精肉・デリカテッセンの前に、
リーチインの広大な畜産売場。IMG_6658.JPG8

真ん中のゾーンが非食品とシーゾナル。
アパレルはリドルと同じ平台に、
投げ売りのようにして販売する。IMG_6669.JPG8

最後に巨大な冷凍食品売場。IMG_6672.JPG8

チェックスタンドはモダンなスタイル。IMG_6678.JPG8
シュワルツはドイツ第一の小売業だ。
難しいハイパーマーケット経営の、
問題解決を果たしている。

それは食品の巨大化と、
ローコスト・ロープライスである。

この点に関しては、
ボックスストアのリドルとの、
連関が生きている。

一方、スーパーマーケット第1のエデカ。
スチェックインセンター。DSCN9387.JPG8

私も初めて訪れたが、
スーパーマーケット企業が、
ハイパーマーケットを、
これほどまでにうまく経営できるかと、
本当に驚いた。
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レーベに比べて、
先鋭的で斬新な経営を志向する。
だからデザインやトレンドが、
アメリカ的である。

売場への入り口は赤い門。DSCN9386.JPG8

まず青果部門は平台を多用して、
エデカのスーパーマーケット企業の、
強みを活かす。DSCN9339.JPG8

エンドにクリスマスの販促。DSCN9377.JPG8

鮮魚とチーズは、
島型の平ケースで圧倒する。DSCN9353.JPG8

チーズ売場も圧倒的な品ぞろえ。DSCN9360.JPG8

精肉は左側の長い壁面に、
対面形式でサービスする。DSCN9368.JPG8

奥に酒とワイン売場。
赤い天井でショップ型に構成。DSCN9351.JPG8

そのワイン売場にテーブルと椅子がある。
顧客が参集して楽しそうだ。
そう、「グロサラント」の全面展開。DSCN9356.JPG8

出口のところにもイートインコーナー。DSCN9385.JPG8

イータリーからイーペル、
そしてエデカスチェックインセンター。
さらにシュワルツのカウフランド。

この流れはハイパーマーケットでこそ、
主流となってくるに違いない。

今回、私はそれを確信した。

考えてみると、ウェグマンズも、
2000坪の超大型スーパーマーケットだ。

イーペル、カウフランド、
エデカスチェックインセンター。
その原点にウェグマンズがある。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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