結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年10月09日(火曜日)

エッセルンガ中心にミラノの食品小売業総ざらい

ミラノの小売業。

ドイツほどではないけれど、
上位寡占が進んできた。

まず、エッセルンガ。
イーペルがハイパーマーケットだから、
イタリア随一のスーパーマーケット。

最新の都市ゾーンに出店。
ポルタ・ヌオーヴァ。DSCN9910.JPG8

大きな噴水が中央にある。DSCN9913.JPG8

その1階に800坪の店がある。DSCN9978.JPG8

エッセルンガ。
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入り口にハンドスキャナー。
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ご覧の美しい青果部門。
これだけで国際級。
ヨーロッパはクレート陳列が当たり前。
だがエッセルンガはバラ陳列をする。
その技術がある。
DSCN9918.JPG8

果物はクレート陳列。DSCN9919.JPG8

ワンウェイコントロールでお客を誘導する。DSCN9921.JPG8

そして奥主通路は対面売場の連続。
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デリカテッセンと精肉の対面コーナー。
作業スペースの奥に、
生ハムの枝がつるされる。DSCN9937.JPG8

グロサリー売場が面白い。
上段に非食品のフック陳列がある。DSCN9941.JPG8

そして店舗左翼のベーカリー。
黄緑色の独特の配色。DSCN9949.JPGu

プライベートブランドのパッケージも、
商品もこの色が基調となる。DSCN9950.JPG8

木造りのケースも黄緑。
それに茶色のパンやクッキーが、
実によく似合う。
DSCN9956.JPG8
世界中どこに行っても、
ベーカリーは茶色か焦げ茶色だ。
この色彩感覚は、
エッセルンガだけだ。

クォリティブランドも素晴らしい。DSCN9968.JPG8

コの字型主通路の店舗の最後はレジ。DSCN9960.JPG8

そのレジのわきに、
ハンディースキャナー用レジ。DSCN9972.JPG8

男性客がよく使うが、
都心部の店だから全体に活用率は高い。DSCN9957.JPG8

世界のトレンドに遅れてはいない。DSCN9976.JPG8

続いてミラノ中央駅。DSCN9550.JPG8

その地下1階に、
コナード。
465㎡、約140坪。
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9つのグループ企業が参加した、
コーペラティブチェーン。
8パターンのバナーを持つ。
2017年年商は130億ユーロ。
1兆6900億円で4.9%の伸び。

入り口を入ると高級PB がずらりと並ぶ。
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青果部門は広場のようだ。DSCN9576.JPG8

そこにかご盛りのきれいな陳列。DSCN9578.JPG8

中央駅の店だけに、
一段ときれいに維持されている。DSCN9564.JPG8

奥に精肉やデリカテッセンの対面売場。DSCN9568.JPG8
コナードも水準を超えた企業だ。

そして最新の市長舎。  DSCN9546.JPG8

その一角に、
カルフール・エクスプレス。DSCN9545.JPG8

ほんの50坪ほどの店だ。
入り口に対面の惣菜売場と、
イートインコーナー。DSCN9525.JPG8

青果は狭いけれどかご盛り。DSCN9542.JPG8

グロサリーの陳列線は高い。
狭い店にできるだけ並べようとした。
だから狭い通路と高いゴンドラ。IMG_6700.JPG8

精肉はリーチインケース。IMG_6706.JPG8
実に上手にこなしていて、
カルフールの面目躍如。

ミラノの郊外に出て、
新しいショッピングセンターを訪問。DSCN9625.JPG8

全面入り口に、
コープのロッカーがある。
ネットで注文してここで受け取る。DSCN9626.JPG8

COOPのマークが輝く。DSCN9630.JPG8

そのコープの未来型店舗。DSCN9629.JPG8

ミラノ博で展示した最新システム。
それを丁寧に説明してくれる。DSCN9634.JPG8

入り口の青果平台の上部に、
液晶パネルがある。DSCN9637.JPG8

大きなパネルが売場を覆う。DSCN9639.JPG8

商品あるいはケースに触れば、
その商品の情報が映し出される。DSCN9642

グロサリー売場にも、
同じようなパネルがあって、
情報提供に努めている。DSCN9649.JPG8

店内はコの字型のワンウェイで、
天井は黒いスケルトン。DSCN9654.JPG8

こんな商品を見つけた。DSCN9660.JPG8

パッケージに点字が印字された商品。
生協らしい。
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イタリアの生協は大きい組織だ。
7つの協同組合で組織され、
店舗数は約1200店。
会員数も850万人を超える。

あとの2店はイオンがらみとなった。
まずピカール。
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ご存知、フランスの冷凍食品専門店。
イオンと業務提携しているが、
イタリアにも進出して、
都市部で大人気。
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生鮮3品から惣菜、菓子、パンに至るまで、
フルラインの冷凍食品を品ぞろえ。
フランス同様、イタリアでも安い。

日本はちょっと高すぎる。
輸入したり、物流したりで、
どうしても高価格になる。

それが払しょくできれば、
日本でも大チェーンになる。
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間違いない。

もう一つが、
ビオ・セボン。
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オーガニックスーパーマーケット。
こちらではBIOスーパーマーケット。DSCN0161.JPG8

スロープを下って、
売場に入る。
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すっきりとした小型店だ。
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コンコースはV字型の変形。
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青果は箱詰め。
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鮮度もあるし、
品ぞろえもフランス並み。
日本より豊富だ。
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加工肉はこんな売り方。
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バルクコーナーは必須だ。
環境に適応した販売方法だからだ。
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グロサリーもBIOの品ぞろえが豊富で、
入り組んだ形のレイアウト。
豊富とはいっても、
通常のスーパーマーケットよりも、
少ないアソートメント。
だから入り組んだレイアウトになる。
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いろいろと買い物し、話も聞いた。
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フランチェスコさんは、
バンドル販売の工夫を語った。DSCN0168.JPG8
オーガニックの定義ならば9割くらいだが、
BIOはほとんど100%の品ぞろえだという。

ミラノ市内に現在、18店舗。

イオンが取り組むピカールとビオ・セボン。
イタリアではうまくいっている。

イーペルは、
強烈なハイパーマーケット。
エッセルンガは、
オーソドックスなスーパーマーケット。
コナードとコープは、
ボランタリーチェーン、
あるいはコーペラティブチェーン。

そこに外資の侵入。
フランスのカルフール、ドイツのリドル、
さらにフランスのオーシャン。
ピカールとビオ・セボン。

フランスの影響は大きいが、
イーペルとエッセルンガの、
レギュラーチェーンが、
世界レベルのイノベーションを生み出す。

やはり寄せ集めでも、
規模が大きくなればいい、
というものではない。

近代化するイタリア小売業の中で、
つくづくそう思った。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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