月刊商人舎10月号。
「嘘つき!?」マーケティング
各所で衝撃を与えているらしい。
その10月号の巻頭言。
[Message of October]
自分の頭で考えろ!
デジタル時代に、
情報があふれる。
膨大なデータが手に入る。
定量調査情報はビッグデータ化する。
定性データもSNSなどから氾濫する。
どちらもデジタル化し融合するかに見える。
その結果として、
人間の感情や顧客の心理も、
データ化することができると過信する。
そこに嘘が生まれる。
短絡が起こる。
誤謬が生じる。
しかし私たちは記号化された情報を、
素早く、賢く、的確に読み取って、
有益なマーケティングをせねばならない。
そのためには自分の目で見て、
自分の耳で聞く。
そして自分の頭で考える。
それなくしては、
データという間接情報は活かせない。
伝聞情報は使えない。
とりわけ顧客商売のデータ活用は、
最後の最後の最後に、
人間のコミュニケーションが必須となる。
そのうえで自分の頭で考える。
複雑なデータをシンプルな脳で読み解く。
自分の頭で考え続ける。〈結城義晴〉
さて商人舎流通SuperNews。
ビッグニュースが次々にアップされる。
イオンnews|
第2Q連結業績は過去最高益達成/営業収益4.3兆円
イオンnews|
SM事業会社を6エリアで経営統合/2025年3.1兆円
セブン&アイnews|
第2Q 3兆3435億円の過去最高/海外コンビニ42%増
ユニー・ファミマnews|
第2Q 営業収益6418億円1.3%増・事業利益18.9%増
ユニー・ファミマnews|
ドンキに20%出資/ユニーはドンキの完全子会社に
ユニーがドンキに買われた。
だからドンキが総合スーパー3位に躍進。
イオンリテール、イトーヨーカ堂、
そしてドン・キホーテ。
旧長崎屋とユニーがドンキに変わった。
ファーストリテイリングnews|
売上高2兆1300億円・14.4%増でH&Mを急追
このニュースには
【結城義晴の述懐】を書いた。
ユニクロの名を知り、
柳井正さんとの出会い。
いまや、2兆円を超え、
日本第3位の小売業になった。
実に感慨深い。
さらにアメリカのギャップを抜いて、
スペインのZARA、
スウェーデンのH&Mを急追する、
世界第3位のアパレルチェーン。
ZARAのインディテックスは、
2018年1月決算で3兆4202億円/7475店。
H&Mは17年11月決算で2兆7600億円/4739店。
柳井さんは3年くらいで、
H&Mを捉えるだろう。
さて、私はロンドンから、
ダラスへのフライト、10時間。
湖が見えてきた。
千切れ雲の合間にテキサスの大地。
フリーウェイのインターチェンジは、
いかにもアメリカだ。
私の便も30分ほど遅れたが、
日本からの平和堂研修団はもっと遅れた。
しかしちょうどいいタイミングで合流。
今回で第16団となる。
リムジンバスでまず、
ウォルマートとサムズへ。
そのサムズクラブ。
ウォルマートのメンバーシップホールセールクラブ。
入り口には粋な垂れ幕。
新しいロワー・エブリデープライス。
1000アイテムを追加する。
もう前面にクリスマス商材が並ぶ。
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
バナナはオーガニックが、
3ポンド1.74ドル。
レギュラーが1.18ドル。
ノンGMOアイテムも開発。
遺伝子組み換えをしていない商品。
広大な売場に絞り込まれた品ぞろえ。
しかしコストコほどには混んでいない。
それは仕方ない。
続いて隣のスーパーセンターへ。
こちらはハロウィン。
左右の入り口でどちらもハロウィン。
ウォルマートは時代が変わろうと、
トップマネジメントが後退しようと、
こういったことは必ずきちんとする。
毎年2回ほど、この店を訪れるが、
いつもどこかが変化している。
精肉部門の壁面とトップボードは、
黒色を基調にしたものに変わった。
団員も興味津々で、
売場に散らばる。
牛乳は1ガロン1.98ドル。
1ガロンは3.8リットルだから、
1ドル100円換算で1リットル52円。
ゴンドラエンドで議論する。
ウォルマートでも、
大量のロールバックを展開する。
Thousands of Rollbackis。
ネット販売の受け取りロッカーが、
新たに設けられた。
ピックアップ・ヒア。
アメリカに来たらまずウォルマート。
このダラス・フォートワース地区で、
スーパーセンターとサムズは、
26%のシェアを持つ。
ネイバーフッドマーケットを加えると、
ウォルマートは31%。
それを見ずして、いきなり他を訪れるのは、
まさに木を見て森を見ず。
それでは勉強にならない。
日が暮れて、いつものレストラン。
テキサスのステーキハウス。
ソルトグラス。
木野照彦さんが乾杯のあいさつ。
2班班長で守山店店長。
ビールはもちろん、
テキサスのシャイナーボック。
サラダとパンがうまい。
ポーターハウスステーキ。
ミディアムレアは、
ほんとにうまい。
疲れ切った私も完食。
締めのあいさつは、
1班班長の上原秀郎さん。
和迩店店長。
団員も私も長い旅の後の、
テキサスステーキ。
ごちそうさま、
お疲れ様。
夜が明けて、ホテル会議室。
第1回セミナー。
司会は添乗してくれる旅行課の種村基さん。
そして第16団団長の廣政久美子さん。
平和堂カスタマーリレーション部部長。
初の女性団長だが、
そんなことを話題にする必要が全くない人。
そして結城義晴の講義。
初めに昨日訪れたウォルマートに関して、
丁寧な講義をした。
サム・ウォルトンの考え方、
業態開発の歴史、
エブリデーロープライスと、
エブリデーローコスト。
今回から店舗の主任クラスが増えた。
だから丁寧に、わかりやすく、
時間をかけて解きほぐすように語る。
最後は寡占・三占・複占や、
範囲の経済とコンテスト型競争。
そしてGMSの概念の誤解。
みんな、疲れているのに、
本当によく聞いてくれた。
ありがとう。
このあと、本格的な現場研修に入る。
自分の頭で考えよう。
いざ。
(つづきます)
〈結城義晴〉