10月11日の木曜日。
ダラス・フォートワース空港から、
サンフランシスコ国際空港へ。
ダラスは比較的暖かい。
サンフランシスコは1年中、
気温が変わらず、安定している。
ランディングしてみると、
外には夕闇が迫ってきて、
ちょっと寒さを感じる。
到着ゲートに自動販売機。
なんとユニクロのマーク。
「UNIQLO TO GO」
ウルトラライトダウンが、
色別に7フェース。
スクリーンをタッチして購入する。
ベイエリアの南側はシリコンバレー。
そこには毎日、続々と、
ベンチャーキャピタリストが訪れる。
このライトダウンは、
彼らの“非公式ユニフォーム”らしい。
ツイッターでも話題を呼んだ。
それ以外の顧客にとっても、
ちょっと肌寒さを感じたら、
これは実に便利な自販機である。
このユニクロの自動販売機は、
月間平均売上高1万ドル。
1ドル100円換算で100万円也。
この「UNIQLO TO GO」は、
この空港のさまざまな自販機のうち、
最も稼ぎの良い1台。
オムニチャネルとは、
すべての流通経路を活用すること。
販売の側があらゆる機会を活用して、
顧客に近づいていくこと。
別の言い方をすると、
あらゆるチャンスを、
顧客とのコミュニケーションに使うこと。
ユニクロがその、
オムニチャネルとなってきた。
「UNIQLO TO GO」は、
物言わぬコミュニケーションである。
さて今日は、東京・京橋。
日本総合システム㈱主催、
StoreManagerユーザーフォーラム2018。
StoreManagerは棚割システム。
1990年に開発され、
現在、マーケットの7割を占めるという。
代表取締役社長の伊藤俊秀さんが、
事業の紹介をしつつ、開会の辞。
基調講演は結城義晴。
冒頭に、シアーズ・ホールディングスの、
倒産の話をした。
「最後のシアーズ」
それからアメリカと日本のIT流通革命、
ウォルマート、アマゾン、
そしてクローガー。
セブン-イレブンと、
ヤオコーやライフコーポレーション。
AIやITの新しい流通の時代。
マネジメント概念が変容していく。
しかし、「ヒューマンウェアが、
これまで以上に重要になる」
これが私の結論。
私の後は、三菱食品㈱の原正浩さん。
マーケティング本部執行役員本部長。
1.食品市場の変化
2.生活者の変化への対応
3.食品マーケティングの方向性
3つの切り口から、
データをふんだんに入れて、
緻密なマーケティングを展開した。
そのあとは㈱リンクの南谷洋志さん。
もちろん代表取締役。
需要予測型自動発注システムの概要を、
発展段階に応じて紹介した。
講演が終わってから、
日本総合システムの伊藤社長と写真。
聴講に来ていた黒岩昭雄さん。
㈱プラネットの常勤監査役。
ご清聴を感謝したい。
今日の基調講演のエピローグは、
ピーター・ドラッカー博士の言葉。
「コミュニケーションは、
知覚の対象であり、
情報は論理の対象である」
知覚とは理解し納得すること。
それがコミュニケーションの対象。
対して、情報は論理の対象である。
「感情、価値、期待、知覚といった
人間的な属性を除去するほど、
情報は有効となり、信頼度が高まる」
情報は人間的なものを排除する。
したがって、
「コミュニケーションにとって、
重要なものは知覚であって、
情報ではない」
「情報が多くなるほど、
コミュニケーション・ギャップは
縮小するどころか、
かえって拡大する」
だからこそIT戦略を構築する者は、
常にそれがコミュニケーションに対して、
もっとも大きく貢献することを、
自覚し、企図しなければならない。
〈結城義晴〉