Everybody! Good Monday!
[2018vol43]
2018年第3週。
10月の第4週。
本当に秋らしい。
欧米を巡っている間、
インターネットなどで、
日本のニュースは入ってきていた。
日経新聞はMJなどを除けば、
全く不都合はなかった。
朝日も毎日も読売も。
しかしテレビなどのメディアに関して、
やはり臨場感がない分、
リアリティが薄い。
だからプロ野球の山場に関しても、
このところ毎年、人ごとのようになる。
今年のセリーグは、
ペナントレース優勝のカープが、
日本シリーズに進んだ。
これはいい。
けれどパリーグで2位だったホークスが、
ライオンズを破って日本選手権に出る。
なんとなく、納得がいかない。
興味が削がれてしまう。
ジュリーこと沢田研二。
私が帰国した翌日の17日の水曜日に、
さいたまスーパーアリーナ公演を、
直前になって中止。
その理由が振るっている。
9000人と聞かされていた観客が、
実際には7000人だったから。
これに対して中尾ミエがコメント。
「贅沢言ってんじゃないわよ。
70歳のジジイの歌を7000人が
聴きに来てくれるってだけで
ありがたいと思わなきゃ」
沢田は「僕にも意地がある」と語って、
スターとしてのプライドを理由にした。
これに関しては、
「意地があるんだったら痩せろって!」
「あの人さ、痩せたらまだ見れるよ?
いい男だもの」
まったくもって、同感。
さらに追い打ち。
「あなたね、ヒットソングを歌いなさい。
ワケのわからない新曲なんか……。
みんなヒットソングを聴きたくて来る」
「何を言っても言い訳」
「もっとシェイプアップして」
「まだ大丈夫。もう一回努力して」
いい女だねえ、中尾ミエは。
これも臨場感があるから、
面白いニュースとなる。
この道や行く人なしに秋の暮
〈松尾芭蕉〉
日経新聞巻頭コラム「春秋」
ビリー・ジョエルを引用。
「イタリアン・レストランで」
ビリー・ジョエルは1949年生まれの、
シンガーソングライター。
かっこいい歌だ。
天声人語は、
「登場するのは高校生カップル」という。
そのブレンダとエディは、
高校を卒業し、結婚し、
都会のアパートに住む。
「ふかふかのカーペットには
ウオーターベッドを置き、
壁にはシアーズで買った絵を飾る」
昔なじみのイタリアンレストランで、
離婚して年をとった二人が再会して、
思い出話をするという歌。
「今よりいい暮らしを夢みる普通の人に、
少し背伸びすれば手が届く価格で、
幅広い品を提供した百貨店のシアーズ」
流通業人はこの「百貨店のシアーズ」に、
引っかかりを感じるはずだ。
シアーズは「GMS」だ。
そう教えられたからだ。
しかし米国商業統計では現在も、
Discount Departmentstoreである。
つまり「安売り百貨店」で、
私流にいえば「大衆百貨店」だ。
「その簡素な生活用品を
独自開発する手法をヒントに
堤清二氏は無印良品を生んだ」
確かに堤さんの西友は、
シアーズと業務提携して、
シアーズ冷蔵庫など販売した。
「量販店」に対して「質販店」と称した。
「小売りの王者ともいわれたシアーズが
破綻した」
これは11月16日のこのブログに。
「最後のシアーズ」
1990年にウォルマートに抜かれるまで、
王者として君臨した。
「中流階級の上昇志向や見栄(みえ)消費が
シアーズを全米一に押し上げた」
シアーズをはじめとするチェーンストア。
そのプライベートブランドの本質は、
「イミテーション・アイテム」なのだ。
だから「見栄消費」という表現は当たり。
天声人語。
「人々がそうした夢を、
うまく抱けなくなったのか」
これは違う。
アメリカの人々は、
本物の価値を知ったのだ。
しかし一方で、
経済合理性を徹底的に求める。
それがアウトレットや、
オフプライスストア、
そしてコストコの隆盛となって表れる。
これを「トレーディング・アップ」という。
⑴コモディティの買物
⑵宝探し的なプレミアムな買物
両者をミックスさせたニーズ。
「ビリーの歌のカップルは、
稼ぎが支出に追いつかず、
けんかの末に破局を迎える」
そして昔を回顧する。
「日本でも百貨店の閉鎖が相次ぐ」
百貨店だけでなく、
総合スーパーという大衆百貨店も、
閉鎖や転換の嵐。
「慣れ親しんだ店が輝きを失うニュースは、
皆で見た夢の終わりを告げるようで、
どこか苦い」
この発言は日経新聞とは思えない。
マクネア教授の「小売りの輪仮説」は、
シアーズに関しては見事に当たっている。
私はそれを確信している。
さて、今週のスケジュール。
今日は1日、商人舎オフィス。
明日と明後日は大阪出張。
2日間連続の講義。
木曜と金曜は、
もう月刊商人舎11月号の編集。
そして土曜から月曜まで、
上海出張。
ありがたいことに、多忙です。
でも、みなさん、
忙しくても心を失わないこと。
たった一人のお客様でも、
店はいつも開けておこう。
商売は沢田に任せられない。
Good Monday!
〈結城義晴〉