Everybody! Good Monday!
[2018vol44]
2018年第44週。
10月も最終週で、
木曜日から11月。
月刊商人舎webコンテンツの、
月曜朝一の2週間販促企画。
今週前半のハロウィン商戦と、
11月のプロモーションを概観する。
いよいよ2018年も、
あと2カ月になろうとしている。
私は上海3日目。
白々と明けてきた。
外灘(ワイタン)の古いビルが、
朝日に照らされて金色に輝いて見える。
バンヤンツリー外灘ホテル。
5階の部屋から、
黄浦江と高層ビル群を臨む。
実際にはこのくらいに迫って見える。
風呂につかりながら、
ゆっくりと日が昇るのを眺めている。
肉眼ではこう見える。
外灘のビル群も明るくなった。
正式には「東方明珠電視塔」
1994年11月に完成して、高さ467.9m。
丸い展望台が3つある。
一番上の「太空艙」が351m、
真ん中の大きな「上球体」が263m、
一番低い「下球体」が90m。
さて、今日が私の最終日。
スーパーマーケットと、
ハイパーマーケット。
これは定点観測のようなもの。
2年前の2016年、私は二度訪れているし、
2010年から2年ごとに訪問している。
その上海の栄枯盛衰とスピード感を探る。
まずは何といっても、
永輝超市。
その都市型フォーマットは、
Bravo。
月曜日の朝9時だというのに、
青果部門には人だかり。
圧倒的に鮮度が良くて、しかも安い。
精肉部門も大人気。
鶏肉売場に顧客が集まって吟味している。
真っ二つに切られた魚は、
まだぴくぴくと動いている。
それを選んで購買する。
上海ガニ。
水槽も永輝の特徴。
惣菜コーナーにも人が集まる。
店は半円の形になって、
生鮮から惣菜、日配品、
そして冷凍食品と続く。
品ぞろえ豊富なグロサリー。
米はうずたかく積み上げられて、
声をかけて売られる。
卵がマグネットとして使われる。
それからグロサリー。
天井からかかっているのは、
11月11日の「独身の日」の告知。
「6.9折」は6.9割引き、
「7.9折」は7割9分引き。
食品の最後は菓子のバンドル販売。
ハロウィン販促も展開する。
最後はアパレルと家庭用品。
そしてレジに到達。
セルフレジもあるが、
完全にキャッシュレス。
食品スーパーマーケットの永輝。
それが非食品を強化する。
アメリカのクローガーでは、
マーケットプレース。
それが永輝超市の戦略だ。
そしてもう永輝は、
華潤万家、大潤發、
さらにウォルマートに次いで、
中国第4位に躍進している。
南浦大橋を渡る。
そしてウォルマート。
周辺には高級マンションが並ぶ。
このウォルマートが大改装している。
1階の食品売り場を一掃して、
飲食やサービス業のテナントが入る。
2階にウォルマートスーパーセンター。
しかし、驚いた。
一丁目一番地にワイン。
左手はベーカリーとデリ。
それも明らかに高級志向。
右手はハロウィン関連売場。
奥に向かって主通路には、
米国並みのアクションアレー。
奥には生鮮三品売場で、
まず青果部門が現れる。
飛び切りのロールバックに人が集まる。
葉物などこのボリューム感。
コメ売場はバルク販売。
魚は氷の上で鮮度を強調。
肉と加工肉が強い。
対面売場の畜産品にも人が集まる。
冷蔵品はリーチインケースを多用。
これもウォルマートの特徴だ。
主通路は右に曲がって、
一挙に非食品までつながる。
エンド陳列もウォルマート流の原則。
左がエブリデーロープライス、
右がロールバック。
アパレルが絞り込まれた。
それでもダウンジャケットまである。
ホーム用品も絞り込まれた。
最後はパーソナルケア。
2層でフルライン展開だった店が、
結果として1層で、
大型スーパーマーケットとなっている。
つまりウォルマートの「永輝化」である。
最後にあるレジも月曜10時だが、
ずいぶんと混んでいる。
そして「Scan、Bag、Go」。
アメリカと同じだが、中国の方が、
キャッシュレスが進んでいるため、
このシステムはなじんでいる。
ウォルマートのアプリを、
スマホにダウンロードして、
顧客が自分で商品を買うたびに、
バーコードをScanする。
最後にこのレジで、
キャッシュレスで決済する。
月間表彰制度も実施して、
マネジメント方式は変わらない。
ウォルマートは「京東」(JD.com)と提携、
宅配を展開している。
中国はアリババやテンセント、JDが、
リアル小売業に出資して勢力を伸ばす。
ウォルマートもJDと提携して、
その流れに乗っている。
最後に「大潤発」RTマート。
大潤發はもともと、
台湾の複合企業「潤泰集団」の店舗。
この潤泰とフランスのオーシャンが、
合弁でサンアート・リテールを作って、
中国でRTマートを展開する。
そこにアリババが出資してこの会社は、
オーシャンとアリババの資本下にある。
オーシャンだけに典型的な、
フランス流ハイパーマルシェ。
建物の3階入口からアパレルなど非食品。
家電もある。
アパレルの在庫は多い。
非食品のフルライン展開で、
3階の最後は化粧品。
つまり化粧品がマグネットになって、
3階に入った顧客を引っ張る。
そしてスロープ式エスカレーターを下る。
2階が広大な食品フロア。
青果部門が強い。
葉物も変わらず中国にしては鮮度がいい。
その中に宅配のピッキングバッグ。
ハンディターミナルも並べられているが、
あまり使われてはいない。
つまり注文が少ない。
水産区も広い。
精肉部門は対面で顧客の注文に応える。
定評のある惣菜部門。
しかし顧客がいない。
冷凍食品売場も広いし、豊富な品揃え。
一番強いベーカリーも、
2年前と変わらない。
しかし顧客がいない。
コメ売場とバルク売場。
酒売場は品ぞろえが充実しているが、
高級品、高額品がなくて、
いわゆるハイパーマーケット価格。
レジにも顧客が少ない。
ハイパーマーケットのままの大潤發は、
ずいぶんと客数が減った。
2年前のRTマートは、
ハイパーマーケット第1の企業だった。
ウォルマートをしのいでいたし、
カルフールやテスコを凌駕していた。
しかし永輝超市の躍進と、
フーマライフセンターの急伸で、
トレンドが変わった。
ウォルマートは大改造して、
それに対応しようとしている。
考えさせられることばかりだ。
ランチのコーディネートは、
(株)MDサポート社長の陶さん。
鮮入圍煮。
今、上海で一番人気。
ディナーは3カ月先の予約も取れない。
真ん中の鉄鍋で、
新鮮な鶏、魚、野菜を煮る。
上海滞在の最後に、優しい美味。
加藤徹さんを囲んで、感謝。
私だけ一足先に帰国するために、
上海浦東国際空港へ。
1999年開港。
10年ほど前から、
上海に注目して、
6年前、4年前、2年前と、
ここにやってきた。
そのころは物凄いエネルギーを感じた。
そのエネルギーが爆発して、
いまはスピード、スピード、スピード。
ウォルマートも必死でそれに、
ついていこうとしている。
ついていけないものは、
買収される。
では、みなさん、
今週もスピード、スピード、スピード。
Good Monday!
〈結城義晴〉