結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年11月01日(木曜日)

お辞儀文化・握手文化と企業主義・顧客発想

11月1日。

あと2カ月で、
2018年が終わる。

10月の私は、
ドイツのフランクフルトから、
イタリアのミラノ、
イギリスのロンドンから、
アメリカのダラス、サンフランシスコ。
そして中国の上海へ。

大いに勉強して、
今、月刊商人舎11月号のために、
振り返りつつ総括する。

全部自分の目で見、自分の耳で聞き、
五感で感じ取ってきたものばかり。

その自分の目と耳と五感を信じて、
難解なパズルを解き明かすように考える。

11月は今度は、
ニューヨークからサンフランシスコ、
そしてハワイまで、アメリカを行く。

サンクスギビング週間に向かう、
アメリカ消費社会を体験する。

そのアメリカでは、
11月6日に中間選挙。
Midterm Election。

大統領職の1期4年のうち、
半期の2年が経過した時点で、
合衆国連邦議員選挙が行われる。
上院議員の3分の1、
下院議員全員が改選となる。

民主党オバマ大統領2期目の中間選挙は、
2014年11月4日に行われたが、
上院は共和党54議席、民主党44議席、
無所属2議席。
下院は共和党247議席、民主党188議席。
両院ともに大統領に不利な展開となった。

今回は上院が共和党、
下院が民主党の逆転現象となる。

中間選挙は時の大統領の信任選挙だ。
まあ、当然の結果だろう。

さて、欧米は握手文化、
対して東洋はお辞儀文化。

今日、明日と、
将棋の竜王戦が行われている。
場所は茨城県の鹿島神宮。
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羽生善治竜王(48歳)に、
広瀬章人八段(31歳)が挑む。

これまで羽生が2連勝して、第3局。
夕方6時に広瀬が封じ手をして、
今日の一日が終わった。ryuuousenn.png8

そこで解説の藤井猛九段。
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羽生と同じ年の「羽生世代」の棋士。
「私は羽生さんとは握手しません」
勝負師としての自負を語る。

「チェスは握手の文化、
将棋はお辞儀の文化だからです」ryuuousen 3.png8
藤井九段、とてもいい。

お辞儀文化圏の小売業と、
握手文化圏のサービス業。

違って当たり前だ。

その二つの文化圏を、
私は行ったり来たりする。

しかし、異なる文化圏でも、
チェーンストアや業態に関する原則は、
不思議なくらいに共通しているし、
一貫している。

さて今日は、前川智範さん来社。
第一屋製パン㈱代表取締役社長。
私は社外取締役。IMG_7204.JPG8
パン業界について、
製造業について、
マネジメントについて、
マーケティングについて。
そしてマーケットリーダーと、
マーケットニッチャーについて。

意見を交わし、議論した。

前川さんはマッキンゼーで、
コンサルタントとしてスタートして、
今、専門経営者。

日経ビジネスオンライン「今日の名言」
私はメーカーを
主語にした発想は

もうやめようと
思ったのです。

〈大山健太郎アイリスオーヤマ㈱会長〉
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「落ち着いて見回してみると、
当社のいるプラスチック業界で
苦しくなって廃業したり、
倒産に追い込まれたりする企業が
8割くらいある中で、それでも、
収益を上げている企業が
2割程度いたのです」

8-2の原則だ。

「両者は何が違ったのか」

ここが大事だ。

「よく見ると、
いいものを安く供給して
シェアを取るといった発想だけの
メーカーが苦しくなっていた」

メーカーにはまだまだこの発想は多い。
いや、ほとんどがこの発想だ。

「いいものを安く供給すれば、
売れないはずはない」

これはレース型競争の考え方だ。
マーケットリーダーの発想法で、
結果、フォロワーに陥る。

「逆に小さくても、
顧客のニーズをしっかり追って、
対応しているところは堅調でした」

マーケット・ニッチャーの発想。

だから大山健太郎さんは、
「メーカーを主語にした発想」を止めた。

では主語は何か。
もちろん「顧客」だが、
ほとんどの企業は、
このことが頭でわかっていても、
体は言うことを聞かない。

いや本当は、頭もわかっていない。

つまり企業主義を排して
顧客主義を貫く。

頭でわかっていても、
組織は動かない。

それはもしかしたら、
お辞儀文化と握手文化のような、
カルチャーなのかもしれない。

恐ろしい。

〈結城義晴〉

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