サンフランシスコの山火事。
まだ燃えている。
朝方の4時ごろ起き出して、
仕事する。
しかしホテルの25階からの景色も、
煙っている。
ホリデーイン・ゴールデンゲートウェイ。
朝8時から地下1階の会議室で講義。
アメリカのスーパーマーケット視察で
必須の内容を100分ほど講義。
コモディティ化現象は、
どのようなプロセスで生まれてきたか。
それはいつ顕在化したのか。
そしてコモディティ化現象と、
プライベートブランドとの関係性。
オーガニック隆盛の理由など。
万代知識商人大学の切り口で講義した。
佐藤公彦さんが夜の調理大会の説明。
その模様は、明日報告しよう。
講義が終わると、専用バスで、
バークレー市に向かう。
ベイブリッジを渡る。
火事のせいで、
視界はよくない。
バークレーボウル2号店。
日系スーパーマーケットの超繁盛店。
バークレー市で2店舗の企業。
その特徴は青果部門。
現地の三菱商事のアテンドで、
3チームに分かれて、
店内ツアーをしてもらう。
私は生鮮コースのツアーに参加。
バックヤードからツアーが始まった。
2店舗の商品はすべてここに納品される。
青果部門の商品は午前1時に入荷する。
これだけのバックヤード在庫を持つが、
これらをほぼ1日で売りきる。
温度帯別の蘇生庫は5つある。
野菜も果物もそれぞれに、
最適の温度帯や湿度帯がある。
バークレーボウルは5つの蘇生庫で、
それを可能にしている。
バックヤードの一角で女性2人が、
見切り商品をパッケージしている。
品質には問題ないが、
形が悪かったり、
傷がついたりした商品を、
見切って販売する。
こんな丁寧なことをしているのは、
全米でもバークレーボウルだけだ。
バックヤード視察に、
万代カレッジ3期生も興味津々。
そして店内ツアー。
トマトの赤とズッキーニやアボカドの緑。
カラーリングも素晴らしい。
商品は全米から入荷するだけでなく、
海外からも仕入れる。
リンゴだけでもこれだけの種類を揃える。
そしてオーガニック青果の売場は、
それだけ独立している。
これも全米一だ。
もちろんオーガニックも、
ホールフーズに負けない品揃えだ。
オーガニックのリンゴも、
この種類とこのボリューム。
そしてオーガニック売場には、
バルク売場が隣接している。
日系スーパーマーケットらしく、
あられや豆菓子もある。
店舗右翼はデリ売場。
この店の2階に、
セントラルキッチンがあって、
そこで製造して、
作りたてを対面で販売する。
アジアンキッチンと名付けられた、
アジアンフードのデリも揃う。
チーズ売場も種類が豊富だ。
チーズも2階に熟成庫があって、
店内でカッティングして、
パッキングする。
店舗左翼の精肉と鮮魚の対面売場。
日本の食品を集めたコーナー。
木造りで暖簾がかかっている。
果物や野菜には値札が付いていない。
レジチェッカーはすべての品目の値段を、
暗記している。
同じバークレーのギルマンへ。
ホールフーズ。
色とりどりの切り花が、
お客を迎える。
果物から始まる青果部門。
コンパクトだが買いやすい売場だ。
青果を抜けた突き当たりに、
チーズ売場。
チーズとワインとで、
スペシャルティ部門が構成されている。
ワインからの連続で、
クラフトビールのコーナーがある。
さらに壁面が美しいバルクフードのコーナー。
SEA&LANDと書かれた
シーフードとミートの対面売場。
これもコンパクトだが、
買いやすい。
奥主通路のデアリー(乳製品)売場。
アマゾンプライム会員の、
勧誘POPが目立つ。
会員には、10%割引の特典がある。
レジに続くデリ売場。
入口を入って
青果売場の反対側には、
ホールフーズのカフェ、
アレグロショップ。
ギルマンのホールフーズは、
近隣にバークレーボウルがあるので、
青果部門は圧縮されて、
買いやすさを追求した。
しかしグロサラントの性格を強化して、
店としてのポジションを構築している。
アラメダのセーフウェイ。
店舗右翼はインストアベーカリーから
対面デリへと続く。
左翼は広めの青果部門。
天井はスケルトンで、
その天井からのスポットライトが、
商品を浮き立たせる。
バルクフードのコーナー。
アメリカでは必須の売場だ。
隣にあるトレーダー・ジョー。
トレーダー・ジョーは、
どの店にもプロのアーティストがいて、
壁面のペイントやサイン、POPを描く。
どの店もオリジナルで、同じものはない。
年配の人から若い人まで、
幅広い年代に固定客がいる。
ターキー・ディ(感謝祭)の、
カウントダウンPOP。
これもアーティストの作品。
アラメダのショッピングセンターには、
ジュニアデパートのコールズが、
核店舗で出店。
疲れも見せず、
元気な3期生。
ターゲット。
商業施設の1階の店舗。
SC側の入口。
感謝祭のプロモーションコーナー。
ディスカウントストアだから、
食品は絞った展開。
それでも必需品は一通り揃う。
そして店舗奥では、
クリスマスプロモーション。
サンフランシスコ都市圏は、
ウォルマートの店舗が少ない。
だからターゲットは存在感を示す。
スプラウツ・ファーマーズ・マーケット。
店舗奥に青果部門。
超大型の八百屋である。
店舗の両サイドに
べーカリー、ミート、デリなど、
各部門がショップとなっている。
そしてレジと青果の間に、
広いバルク売場。
アメリカのスーパーマーケットで、
一番成長率が高いのがスプラウツ。
それは同社が、
ホールフーズの天敵だからである。
同じ敷地内に、
トータルワイン。
世界中から仕入れた8000種のワイン。
そのほかにビールやスピリッツを揃える。
急速に出店を増やしている。
日が暮れてきたころ、
コストコへ。
店舗奥に広大な食品売場。
青果売場も充実している。
工場のようなベーカリー部門。
夜の試食会のために、
3期生も食材の買物に余念がない。
平台に山積みされた衣料品に、
アジア系のお客が群がる。
サンフランシスコには
約20万人のアジア系住民がいる。
レジにはいつも行列ができる。
安いから並ぶことも苦にならない。
コストコはサンフランシスコ都市圏で、
15%のシェアを誇る2番手企業だ。
TOPはセーフウェイ。
しかしそのセーフウェイを、
マインドシェアでしのぐのがコストコだ。
万代知識商人大学第3期生、
今日はとんがり店舗ばかり視察して、
OutstandingなPositioningを学んだ。
(つづきます)
〈結城義晴〉