「ビジョンは退屈ではいけない。
船を建造する時には
人々に個々の作業を
割り当てるのではなく、
大海原を目指すという目標を
みんなで共有するのです」
毎日新聞巻頭言「余禄」
カルロス・ゴーン日産会長の言葉。
「日産会長、いや今は
容疑者と呼ばねばならないのか」
「世を仰天させた、
東京地検による逮捕であった。
容疑は有価証券報告書への虚偽記載で、
金融商品取引法違反という」
日経新聞は一面トップで取り上げた。
自身の報酬を半額に偽り、
有価証券報告書に記載した容疑。
余禄はさらにゴーンの言葉を引く。
「国際的に活躍する人の共通点は、
自分と違う人に興味を持ち、共感し、
敬意を払う姿勢があるところだ」
「容疑が事実なら、
カリスマ経営者のまなざしの先から
大海原は消えていた。
国際的注目を浴びる地検の捜査である」
朝日新聞「天声人語」
「スイカ二つを片手では持てない」
中東のことわざ。
もちろんゴーン出身のレバノンも中東。
「かの地のスイカは巨大で、
二つを運ぶのは両手でもむずかしい。
欲を戒める言葉だ」
「彼の手腕をもってすれば、
法にかなうやり方で望みのままに
2倍のスイカを手に入れられただろうに」
日経ビジネスオンライン。
「今日の名言」
私はずっと
バランスシートを重視し
公私を厳しく
区別することを
経営の根幹にしている
(岡田 卓也イオン㈱名誉会長相談役)
「私たちは倒産を経験した企業の
立て直しにも関わってきたが、
そこで感じたことの一つは、
やはりバランスシートの問題である」
貸借対照表経営。
岡田さんはそれを貫く。
「倒産する会社は、
過剰な債務を背負っており、
バランスシートが崩れている。
バブル期の土地神話に踊った例などは
その典型である」
ダイエー、マイカル、エトセトラ。
そしてカルロス・ゴーンは、
「公私を厳しく区別すること」に、
鈍感になってしまったのか。
ああ。
さてハワイ・ホノルル。
商人舎ビギナーコース2日目。
午後はコストコ。
このホノルル地区でトップシェア。
4店舗で21.3%の占拠率。
凄い客数。
土曜日の閉店は7時、
日曜日は6時。
年間休業日も7日間で、
すべて祝日。
入口の一丁目一番地は、
超お買い得品の連打。
超大型カートを押して、
大量購買する。
アロハはハンガー陳列。
衣料品も安くて、よく売れる。
青果部門の売場には冷蔵庫があって、
この中で商品を冷やしている。
このトイレットペーパーロールは、
米国内で1年間に1000億円売れる。
ハワイらしくサーフボードもある。
コストコでは11月中旬になると、
クリスマス商品は縮小される。
そして食品以外のクリスマス用品は、
11月いっぱいで売り切ってしまう。
商人舎ビギナーコース団員も、
「爆買い」ができて、満足そうだ。
さすがにホノルルの一番企業。
凄い客数だ。
日曜日でもあって、
駐車場は満杯。
通訳とガイドのニッキーさんは、
この店で友人家族に会った。
よくあることだそうだ。
近所の人や友人に会える店。
それがコストコだ。
つづいて、
ウォルグリーン。
全米に5店舗ある旗艦店のひとつ。
レジは銀行方式。
2層店舗の1階は、
コンビニかミニスーパーか。
グロサリーは必需品が品揃えされる。
ただし日本のドラッグストアのように、
ディスカウントストアではない。
便利な食品店の要素を強く持つ。
それを「Up Market」と名付ける。
長い楕円形の売場の内側は作業場。
即食商品のカットフルーツから寿司、
サンドイッチやドリンクまで提供される。
ハロー・キティの売場がある。
お土産店の要素もあって、
レイなどが売られている。
2階に上がるとデイリーリビング。
日用雑貨の売場。
そしてドラッグストアの核売場。
調剤薬局。
さらに化粧品とビューティケア。
女性陣はお買い得品を見つけた?!
ウォルグリーンの向かいに、
ターゲット。
そのターゲットは、
アラモアナセンターの一部となっている。
かつてダイエーが所有していた、
ハワイ第一のスーパーリージョナルSC。
モール外側の入口には、
水着のマネキン5体。
エスカレーターを上がって、
2階と3階が売場になっている。
クリスマスシーズン向けに、
「Toy Shop」が広がる。
家電売場のテレビは、
いつもターゲットのCMが流される。
アパレル売場の先頭には、
水着のマネキン。
マタニティ売場は充実していて、
マネキンから誘導される。
この見事なマネキンは、
ターゲットのリアリズム。
食品売場はど真ん中にバナナ。
生鮮はフルラインの品揃えだが、
サービスデリは扱わない。
あくまでセルフサービスで、
対面売場は設けない。
それがターゲットのディスカウントストア。
「Wondershop」は、
クリスマス用品全面展開。
クリスマスツリー。
オーナメントなども、
ターゲットらしいセンスが光る。
このポスター、かわいい。
キッズのクリスマス・アパレル。
ドラッグストアは、
ロングスが入っている。
CVSヘルスの傘下に入った企業。
レジも真っ赤で、
コーポレートカラーは、
ウォルマートの青と補色の関係にある。
3階の出入口を出ると、
アラモアナの駐車場。
そのアラモアナセンターの1階に、
スーパーマーケットがある。
フードランド・ファームス。
ホノルル地区のシェアは18.3%で第3位。
ハワイ第1のローカルチェーンだ。
この店が「グロサラント」を試みる。
しかし青果部門が圧倒的にいい。
カット野菜の売場は美しい。
セルフデリはホールフーズ並みのレベル。
ハワイ特産の「POKE」売場は、
対面販売のショップ形式。
顧客の行列ができている。
バルクのコンブチャ売場。
今、アメリカの先進企業の大トレンドだ。
店舗の奥はチーズ売場から、
リーチインの乳製品へ。
天井はスケルトンで、
黒色で演出する。
全体にクォリティ感が出る。
シーフードからミートへの対面売場。
「Butcher」が対面の肉売場。
セルフの肉売場は「Meat」。
現代的なスーパーマーケットには、
バルク売場も必須だ。
生鮮やグロサリーに囲まれるように、
「The Bar」がある。
商品に囲まれて、
ワインやビールを楽しみ、
食事もする。
このThe Barを中心に、
店が構成されている。
ヘルス&ビューティーケアは、
明るくて美しくて洗練されている。
レジも混みあっているが、
このレギュラーレジと、
エクスプレスレーンがある。
店舗入り口の横で、
お買い得ステーキなど、
ランチやディナーの食事を提供している。
そしてイートインスペースで食事する。
朝から、Organic体験をし、
そのあと、コストコ、ターゲットと、
ウォルグリーン、フードランドの視察。
1日、オアフ島中を巡って、
みんな、疲れてはいるだろうが、
ホテルに戻って、
セミナー。
ビギナーコースは、
「楽しむ」ことが仕事です。
しかし、勉強もする。
本当に基礎的なことを学ぶ。
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
倉本長治先生の言葉。
Take Care of Customers and Associates.
「お客様と従業員に配慮せよ」
これが一番大事だと思う。
それから店舗視察の基本。
これをマスターしなければ、
これからの知識商人人生を、
豊かにすることはできない。
さらに業種とはなにか、
業態とはなにか。
これは商品を知り、
売り方を工夫するときのベースになる。
店舗の立地や商圏のこと。
お客様のこと。
それらを知ると、
チーフやチェッカーの人たちにも、
毎日の仕事が楽しくなる。
今年のビギナーコースは、
私自身、基礎と基本を意識しながら、
ゆっくりと話した。
私のあとは佐藤公彦さん。
私は「カリスマ添乗員」と言っている。
JTBの添乗員教育の講師をする。
だから「講義をしてください」と、
お願している。
ハワイの楽しみ方。
丁寧に、細かく、漏らさず、
講義してくれた。
講義の締めは、
ハワイ語。
「オリオリ」は、
愉快なこと。
「ホイホイ」は、
楽しむこと。
「ホロホロ」は、
ぶらぶら出かけること。
オリオリ、ホイホイ、ホロホロ。
そして、「アロハ」の意味。
ALOHA。
Aの「アカハイ」は思いやること。
Lの「ロカヒ」は調和すること。
Oの「オルオル」は心地よいこと。
Hの「ハアハア」は謙虚であること。
そしてAの「アホヌイ」は耐えること。
頭文字をとってALOHA。
いい講義だった。
最後にニッキーさん。
ずっと通訳とガイドをしてくれている。
商人舎ビギナーコース。
カリスマ佐藤さん、ニッキーさん。
いいチームです。
ありがとう。
そして3日目は、
まる1日の自由研修。
これがハワイビギナーコースの特長。
「楽しむ」ことが仕事です。
(つづきます)
〈結城義晴〉