月刊商人舎12月号。
紙の月刊商人舎のほかに、
網の月刊商人舎には、
この特集のまとめの原稿があります。
「自動発注方式」をズバリ診断する!
當仲寛哲のリテイル情報システム論(65)
雑誌を購読している皆さんは、
必ず読んでください。
お願いします。
そして[Message of December]
今月の商人舎標語でもある。
「Think, Think, Think」
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
ぼんやりしてるとAIに負けるぞ。
考えて、考えて、考え抜け。
仕入れも、商品調達も、発注も。
在庫管理も、棚卸しも、損益計画も。
商品計画も、販売計画も、販促企画も。
店づくりも、売場づくりも、演出も。
チームワークも、リーダーシップも。
マーケティングもマネジメントも。
考えて、考えて、考え抜け。
思考、思考、彻底考虑。
Think, Think, Think!
IBM は1924年に創業された。
創業のCEOトーマス・ワトソンは、
「Think」をモットーにした。
「Think」と名づけた社内報を発刊し、
「Think」とタイトルされた手帳を、
全従業員に持たせた。
「Think, Think, Think」が、
コンピュータによって世界を席巻した。
しかしそれが薄まって停滞した。
ゼネラル・エレクトリックは、
1956年に世界で初めて、
企業内大学を創設した。
望む人財は“Big Thinker”だ。
すなわち、大きな考え方の人。
大きな視野で考えられる人。
一方、ウォルマートは、
“Think small!”を標榜する。
「小さく考えよ」を徹底する。
大きく考えるリーダーになり、
小さく考える仕事人であれ。
着眼大局、着手小局だ。
そのために、考えて、考えて、考え抜け。
ぼんやりしてるとAIに負けるぞ。
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
〈結城義晴〉
チコちゃん、
使わせてもらいました。
悪しからず。
さて今日は朝から川崎市川崎区塩浜。
サミット川崎塩浜プロセスセンター。
この12月5日に稼働したばかり。
今日はマスコミ内覧会。
センター長の伊藤真義さんが、
まず、このセンターの目的や概要を、
丁寧に説明してくれた。
それから全員が異物が混入しないように、
作業衣、帽子、マスクを身に着けて、
センター内の視察。
センター内は写真撮影できないため、
残念ながらご覧入れることはできない。
詳細は商人舎流通SuperNewsで、
近日、報告。
しかし休憩室は、
サミットらしく快適な環境。
内覧のあとは会議室に戻って、質疑応答。
左は広報室マネジャーの中村聖さん。
中村さんと伊藤さんの二人で、
ずいぶん込み入った質問にも、
詳細に答えてくれた。
ありがたい。
伊藤さんは1987年、サミット㈱入社。
最初は店に配属され、
その後、商品部で鶏、豚、牛と、
精肉バイヤー歴20年。
さらに店舗運営部や商品部長など歴任。
この度、プロセスセンター長。
53歳。
サミットは基本的な考え方として、
関西スーパー方式を採用する。
つまりインストア加工を前提にしている。
1963年7月の創業時は、
日米大企業の合弁会社だった。
米国セーフウェイと日本の住友商事。
だからスタート時点は、
米国式のセンター方式を志向していた。
しかしそれは見事というほどに失敗。
その後、荒井伸也さんが、
会社のかじ取りをして、
インストア加工方式に切り替えた。
内食提供業のスーパーマーケットは、
「ジャスト・イン・タイム」こそ、
その基本戦略である。
トヨタ生産方式は、
米国のスーパーマーケットを参考にして、
「ジャスト・イン・タイム」が考え出された。
その補充体制を整えるためには、
生鮮インストア加工でなければならぬ。
しかし時代が変わった。
まずセンター方式の技術革新が進んだ。
このサミット川崎センターは、
その最新式を導入している。
ベンダーの力量も上がった。
それから出店戦略として、
都心小型店の開発が進む。
作業場に150坪もの面積を割けない。
人手不足という人員問題も浮上した。
そこでサミットは、
店舗を三つのスタイルに分ける。
⑴完全インストア型店舗
⑵ハイブリッド型の併用方式店舗
⑶都心型小型のセンター活用店舗
そのうえで加工センターを駆使する。
この川崎センターは、
豚肉、鶏肉、ラム肉、
ひき肉などの加工処理を行う。
牛肉はインストア加工が基本である。
大阪の㈱万代では2016年7月に、
彩都センターがスタートした。
サミット同様に、
プロセスセンター機能を併用している。
ヤオコーには狭山チルドセンターがある。
もちろんヤオコーも同じだ。
しかしサミット川崎センターは、
ほんとうにこれからだ。
現在は1日4000パックほどの生産だが、
最大加工能力は1日6万パック。
サミットは日本随一の作業体系を持つ。
そのLabor Scheduling Systemと、
川崎プロセスセンターとの連携が、
これからのサミット精肉部門の
本当の力となる。
伊藤センター長にかかる期待は大きい。
これからはセンターで働く全員とともに、
Think, Think, Think!
頑張ってほしい。
朝日新聞「折々のことば」
今日は第1312回。
人生から何を
われわれはまだ
期待できるかが
問題なのではなくて、
むしろ人生が何を
われわれから
期待しているかが
問題なのである。
(ヴィクトール・E・フランクル)
フランクルは、
オーストリアの精神科医・心理学者。
ナチスの収容所体験をして、
『夜と霧』を書いた。
「強制収容所では
クリスマスと新年の間に
多くの人が力尽きて死んだ」
「クリスマスには帰郷できるという
希望に身を委ねた末の落胆が、
彼らを打ちのめした」
「何かを期待するのではなく、
何かを期待される者として
自分を捉え直すことでしか
人は生き存(ながら)えられない」
誰かに何かを期待するでなく
何かを期待される者として
自分を位置づける。
それによって人間は、
より良く生き続けることができる。
センターは店に、
何かを期待するのではなく、
何かを期待される者として、
自分を捉える。
スタート時点で、
その考え方はできているだろう。
しかし時間が過ぎていくと、
この考え方がなくなっていく。
そして店の側もセンターに、
何かを期待するばかりでなく、
センターから何かを期待されていると、
自分を捉えねばならない。
その相互関係こそが、
センター方式の威力となる。
〈結城義晴〉