リ・エンジニアリング
鈴木哲男著『流通RE戦略』
EC時代の店舗と売場を科学する
発刊しました。
発行年月日 2019年1月10日
書籍価格 1,800円(本体)+税
ISBNコード ISBN978-4-9910649-0-6
四六判 261ページ
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[主な内容]
はじめに
§1 ビッグデータ活用
― 「仮説・検証」の罪と功18条
§2 ストアコンパリゾン
― サム・ウォルトンも実行した「MBWA」実践法
§3 52週マーチャンダイジング
― 最新「52週MD」のStrategy&Technology
§4 既存店活性化
― 良い店とは売れて利益の上がる店である‼
§5 店舗レイアウトと店づくり
― 変形layoutにもルールがある
§6 プレゼンテーション
― 売り方・見せ方・伝え方の技術体系
§7 チラシ販促
― お客と企業(店)をつなぐ架け橋である
§8 商品提案と顧客サービス
― EC時代のリ・エンジニアリング的「お試し論」
§9 ロス・エンジニアリング
― 商品ロスは戦略的に「元から絶つ」と考える
§10 リ・エンジニアリングの歴史と未来
― 経営・業務改善の進化プロセスを解析する
おわりに
「52週MD」の巨匠が放つ
EC時代の「商売改革」集大成!!
素晴らしい本です。
㈱商人舎を創設させて10年。
肩ひじ張って「10周年」、
などとは言いませんが、
何とか10年目に間に合いました。
1993年11月、
マイケル・ハマーによって、
ジェイムズ・チャンピーによって、
『リエンジニアリング革命』が、
発刊されました。
翻訳はあの野中郁次郎先生。
企業の経営と業務を、
まったく新しくつくり直すための、
体系的な方法の原理。
それが「リエンジニアリング」でした。
鈴木哲男先生はこのコンセプトを、
小売流通業の現場を通して、
探求し続けてきました。
鈴木哲男の人生そのものが、
「流通リエンジニアリング」でした。
イトーヨーカ堂に入社し、
RE部のエースとして大活躍し、
コンサルタントに転身してからは、
クライアントの業績を、
次々に改革し続けてきました。
REとはリテイル・エンジニアリング。
現在の鈴木先生の会社の社名は、
Retail Engineering Associates。
略してREA。
私は4つ年下ですが、
1977年に、初めてお会いしました。
鈴木先生がRE部に所属していました。
今でも覚えています。
東京・原宿。
マーケティングコンビナート。
今井俊博先生と阿部雍子さんのオフィス。
私は販売革新誌の駆け出し記者でした。
イトーヨーカ堂はその後、
燦然と輝く成果を上げ続けました。
鈴木先生もその中で、
流通RE戦略の体系を、
熟成させていきました。
それらが集大成されたのが、
この本です。
ぜひ、会社ぐるみ、部署ぐるみで、
この本を読んで、
よく考えて、
よりよく実行して、
会社と業務の改革を進めてください。
この本の最後に一文。
「知識商人に寄す」
――発刊の辞 結城義晴
商人に学問は必要ない、と言われた。商人に難しい理論や論理は無用である、とも喧伝された。しかし「商人の技術」は客観化されて、高等学校に商業科が誕生した。最高学府においては、その「商人の学問」が確立されて、大学や大学院に商学部が生まれた。商売のためのマーケティングが誕生し、マネジメントが構築され、イノベーションが追究された。
商人とは小売り商いをする者に限らない。製造業、卸売業、サービス業、その他の関連産業やIT産業において、営業と販売とマーケティングに従事する者たちすべてを、商人と呼ぼう。
商売の知恵や知識は、それらすべての商人から求められ、深められることを、自ら欲している。商売の精神と技術は、すべての商人から愛され、高められることを、自ら望んでいる。かつても、現在も、商売に関する言葉と論理は、多くの人々によって高められ、深められてきた。
ここにわたしたちは、商人の知恵と知識、精神と技術、言葉と論理とを、時代のメルクマールのごとく総括し、集大成し、上梓することを決意する。現場・現物・現実に即して、Practice Comes First! を貫徹し、難しいことを易しく、易しいことを面白く、面白いことをより深く、考察、分析、論述、表現してゆくことを宣言する。
しかしながら、多くの商人を煽り、貶める甘言はなくならない。あまたの商人を迷わせ、道を外させる詭弁はふえるばかりだ。昭和の時代に起こった商業の近代化が、平成の時代を通して、商業の現代化へと、わたしたちを誘う。さらに次の元号の時代へ向けて、わたしたちは甘言や詭弁を排し、それらを見分けることのできる知識商人をこそ同志と考え、真の商売を探求するものである。それら知識商人の総力によって、商業の現代化を志すものである。その達成のため、世の知識商人との喜ばしき連帯を期待する。
読む、知る、考える、行う。検証する。再び実行する。顧客のために。再び、読む、知る、考える、行う。顧客のために。それが知識商人の尊い態度である。
――2018年11月
鈴木哲男先生には、
心から感謝いたします。
編集の二宮護さん、
本文組版の三宅秀典さん、
表紙デザインの七海真理さん。
そして三永印刷㈱の高安さん。
商人舎編集スタッフのみなさん。
ありがとうございました。
次は、結城義晴の本です。
さて、商人舎流通スーパーニュース。
今日のニュースは15本。
その中に四半期決算記事が8本。
ライフnews|
第3Qは投資コストを上回る営業収益3.7%増で増収増益
リテールパートナーズnews|
第3Q微増収も西日本豪雨が響いて6.5%営業減益
ローソンnews|
第3Q総収入6.8%増/システム投資で12%営業減益
コスモス薬品mews|
第2Qは46出店で売上高10.2%増・経常利益16.5%増
キリン堂news|
第3Qは災害・天候不順だったが増収増益/通期下方修正
コーナンnews|
第3Q営業収益6%/円高で経常利益14%の増収増益
ジュンテンドーnews|
第3Q営業収益0.2%減・経常利益28%減の減収減益
ビックカメラnews|
第1Q売上高4.5%増/先行投資で営業利益5%減
西日本の豪雨、北海道の地震。
業績に大きく影響を与えた。
リテールパートナーズはその影響を受けた。
くしくも資本業務提携を発表したアークスも、
北海道地震の打撃をこうむった。
そういった衝撃から立ち直るとき、
リ・エンジニアリングは、
重要な考え方となる。
ライフは高投資となる物件で、
実によく利益回収している。
従来、出店コストは、
低く抑えるべき課題だった。
しかしいまや、
開発費が安くて、
しかも売上げが上がる物件など、
そうそうあるものではない。
したがって、開発経費が高くて、
だれも出店しない物件で、
利益を出すことができれば、
それこそが企業優位となる。
ここでも、
古典的なチェーンストア理論に対して、
リ・エンジニアリングの考え方が生きる。
読む、知る、
考える、行う。
検証する。再び実行する。
顧客のために。
再び、読む、知る、
考える、行う。
顧客のために。
それが知識商人の尊い態度である。
〈結城義晴〉