第72代横綱稀勢の里が、
現役を引退。
残念、無念。
しかし本人が一番、
悔いを残しているだろう。
アメリカでは、
またまた同盟のニュース。
商人舎流通Supernews。
ウォルグリーンnews|
マイクロソフトと提携/ヘルスケアにクラウド・AI活用
ウォルグリーンとマイクロソフト。
7年間の戦略的パートナーシップ契約。
ウォルグリーンは全米1位2位を、
CVSヘルスと争うドラッグストア。
ヘルスケアに関するITインフラの大半を、
マイクロソフトのクラウドサービスに、
移管すると発表した。
述懐を書いておいた。
「今回の両社の提携は、
共通の敵アマゾンに対抗する動きである」
「ウォルグリーンは昨年すでに、
クローガーと提携して、
ネット事業を協業し始めているが、
マイクロソフトも去年7月にウォルマート、
今年1月9日にはクローガーと提携している」
「ウォルグリーンとクローガーの提携は、
ウォルマート対策であり、
同時にアマゾン対策の意味もあって、
ちょっとややこしいことになる。
クローガーとウォルマートが、
アマゾン対策で共闘することは、
“敵の敵は味方”ならば、
ありえないこともない。
しかしそれはないだろう。
マイクロソフトがひとり、
いい思いをしたことになる」
日本でもアークスと
バローホールディングスと、
そしてリテールパートナーズの、
新日本スーパーマーケット同盟が生まれた。
何が起こるかわからないのが、
アライアンスという闘いだ。
さてシアトル2日目。
朝から2時間の講義。
今回は㈱マルイチと㈱マツヤスーパー、
そして㈱フレインの3社が、
共同して勉強会を開催。
私が講師の役を担った。
2011年にも、同じような勉強会があった。
㈱阪急オアシス、㈱ハローデイ、
㈱サンシャインチェーン、㈱エブリイ。
私がコーディネートして、
アメリカで勉強をした。
その後もこの4社は共闘して、
いい成果を上げている。
そのアメリカの最新の動向を語った。
できるだけわかりやすく、
丁寧に、ゆっくりと話した。
後半はオーガニックの問題。
サステナビリティの問題。
全員が集中して、清聴してくれた。
感謝したい。
講義が終わると、
ホテルから2ブロック離れた新店。
Amazon Go2号店へ。
オープンは昨年8月27日(月)。
シアトルのダウンタウンのオフィス街。
ターゲット層はビジネスマンだから、
営業は平日の7:00~19:00のみ。
面積は1号店の167㎡よりも小さくて、
約135㎡。
店の右サイドに入口ゲートがあり、
ワンウェイコントロールで、
通路をぐるっと回って、
左サイドの出口ゲートに行く。
面積が狭いので品ぞろえも縮小。
インストア・キッチンは併設されず、
アルコール類の販売もない。
しかし最新の寿司などの商品展開は、
ほぼ1号店と同じ。
私はワンウェイコントロール方式、
とてもいいと思う。
カメラ、マイク、センサーなどは、
ちょっと効率よく配備された感じ。
商品ストックのバックヤードが、
右手から回り込んだ奥に併設されている。
これはちょっと、
出店スピードが上がりそうだ。
続いて、
トレーダー・ジョー。
相変わらず、素晴らしい。
青果も充実してきた。
このレジ前のエンド陳列は素晴らしい。
冷凍食品売場は新製品が、
どんどん投入されつつ、
しかし売れ筋は、
しっかり品ぞろえされている。
奥の乳製品売場からワインコーナーへ。
そして見事なエンドプレゼンテーション。
レジは自慢のフレンドリーサービス。
ありがとう。
コストコ本社。
質素でカジュアル。
マルイチ会長の高木亮輔さんと、
受付のところで握手してスナップ。
コストコの受付担当の男性が、
わざわざシャッターを切ってくれた。
隣接するコストコ店舗。
大繁盛店。
生鮮食品の鮮度もとてもいい。
プロデュースの冷蔵室。
デアリーの冷蔵室も配備。
そしてひそかに、
セルフ・チェックアウトを導入。
本部横の店で実験している。
これによって、レジに並ぶことが、
ちょっとだけ緩和される。
さらにあの長いレジに並ぶとなると、
量を買わなければ時間の無駄。
セルフレジによって、
その気分が緩和され、
1品、2品、3品ほどでも買える。
実際に観察していたら、
黒人の男性が、
シャツを1枚だけ買って、
するりとレジを出ていった。
ここシアトルではコストコも、
Amazon Goの影響を受けている。
デリバリーサービスの告知もしている。
今日はインディペンデントを訪問。
まずセントラルマーケット。
シアトルに6店舗のスーパーマーケット。
しかしこの青果部門は圧巻。
入口の左手に花売場。
そして「中央市場」の名前の通り、
市場の活気が満載。
スケルトンの天井。
スポットライトを浴びた商品。
この丁寧な陳列。
ため息が出るほどの売場で、
しかも安い。
地産地消のアピール。
オーガニックももちろん、
豊富な品ぞろえ。
そして鮮魚売場がすごい。
氷をふんだんに使って、
超鮮度商品を売り込む。
肉のショップは手堅い。
独自のインストア加工ソーセージなど、
顧客をしっかりとつかんでいる。
壁面のリーチインケースが美しい。
この光景。
酒売場にはワインセラーがあり、
コンシェルジュが配置される。
バルク売場も、
ホールフーズに引けを取らない。
真ん中にグロサリーがあって、
店舗右サイドはデリコーナー。
角にチーズのプレゼンテーション。
そしてセルフデリ売場。
自分で選んで、
イートインコーナーでランチ。
サービスデリ売場で、
好きなものをつくってもらうのもいい。
グロサラントの最先端を行く。
このシアトルにはホールフーズが1店。
ウェグマンズもない。
だからセントラルマーケットが、
グロサラントをけん引する。
さらにインディペンデント、
PCCコミュニティマーケット。
共同購入から始まった生協。
現在、12店舗。
入口の青果部門はコンパクトだが、
オーガニック中心に特徴のある売場。
それからサービスデリへと続く。
なじみの顧客ばかりで、
店員と話し合いながら、
楽しそうに買物している。
奥に精肉とシーフードの対面売場。
乳製品は壁面に、
巨大な牛の写真。
店内レイアウトも斜めに切ってあって、
特徴的だ。
インディペンデントは、
マーケットニッチャーである。
超巨大チェーンが、
あれこれと同盟を組むが、
そんなことは気にかけずに、
「我が道を行く」
しっかりと顧客のほうを向いて。
そしてぶれない。
最後の最後は、
フレッドマイヤー。
もちろんクローガー傘下の、
ハイパーマーケット業態。
つまり総合スーパー。
盟友のQFCとともに、
このシアトル地区で、
35.3%のトップシェア。
青果部門は市場の活気を出す。
これは鉄則だ。
圧倒的なボリューム陳列。
葉物やオーガニックも、
これでもかと売場づくりに力を入れる。
そしてフレッシュ・ギャランティー。
鮮度保障。
青果の裏にデリカテッセン売場。
アジアンフードと寿司バー。
デリカテッセンの中核は、
ボアーズヘッド。
加工肉とチーズのトップブランド。
そのデリ売場は広い。
中央に「マレーズ」のショップ。
ニューヨークの人気チーズ店を、
そっくり買収して売場の核に据える。
模倣困難性を確立。
チーズの隣はもちろんワイン。
コーク&タップは、
グロサラントのコーナー。
シーフードは奥壁面に対面売場で展開。
これもウォルマートと違いを出す。
奥主通路は広くて長い。
5000坪のハイパーマーケットで、
ウォルマートに対抗している。
そのうえ、この地区では、
ウォルマートより強い。
PBのシンプル・トゥルースを、
天井からこれでもかと告知している。
総合スーパーだが、
アパレルと服飾品が充実している。
ウォルマート以上。
写真は靴売場。
そしてベビー、キッズ衣料は、
とてもかわいい。
レディスはエレガント。
もちろんウォルマートよりも。
昨年開発したブランドが「dip」。
レディス、メンズで大展開。
左手のどん詰まりは、
テレビなどエンターテインメント売場。
一応、フルラインの総合スーパー。
そしてレジにはQビジョン。
顧客を待たせないシステム。
ウォルマートは大量購入もあって、
やや待ち時間の長い店だが、
フレッドマーヤーは同じ業態ながら、
待ち時間を短縮する仕組みを開発した。
店を巡ると、
ウォルマートへの対抗意識が、
むんむんとしていて、
それが伝わってくる。
巨大チェーンは巨大チェーンの、
力技の格闘技による殴り合い。
インディペンデントは、
自分らしい生き残り方。
前者を動物的といえば、
後者は植物的だ。
両者の存在価値に優劣はない。
シアトル地区はその、
マーケットニッチャー企業が、
数多くサバイバルしたエリアだ。
それもノードストロームやコストコ、
スターバックスやAmazon、
さらにマイクロソフトなど、
イノベーティブな企業を輩出した、
土地柄なのだろう。
インディペンデントも、
実に革新的である。
(つづきます)
〈結城義晴〉